日刊鹿島アントラーズニュース

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2019年2月3日日曜日

◆工場夜景萌え 鹿島港、海上から眺める非日常の世界(ニッカン)






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<社会班厳選:キャッチアップ!! トレンド>

茨城県の海の玄関口として貿易を支える鹿島港が、工場夜景を新たな観光資源として売り出す。同港は、日本一のサッカータウンの鹿嶋市、その手前に隣接する神栖市にまたがる掘込式港湾。1969年(昭44)、砂丘を掘り込んで造成し、今年で開港50周年を迎える。Y字型の航路の周囲は鹿島臨海工業地帯で、日本を代表する企業の工場が業種別に並び建つ。スタートしたばかりで課題も多いが、全国工場夜景サミットへの参入を目指している。

第2次産業を支え続ける工場が、海から陸に向かってY字型に掘られた航路沿いに整然と業種別に建っている。工業地帯の敷地は約6000ヘクタール。これらが夜になると、SF映画のように幻想的になる。

中央航路北側では、新日鉄住金の溶鉱炉から火が燃え上がる。山積みされた鉄鉱石や、船舶から荷物を揚げ降ろしする赤白のガントリークレーンが浮かび上がる。同南側は石油化学コンビナート群。30万トン級の巨大タンカーから原油を送るパイプもある。東京電力、信越化学、鹿島石油などが名を連ねる。北航路の陸地寄りには、昭和産業などのサイロ群がそびえる。

空にたなびく水蒸気や炎、コンビナートが並ぶスケールの大きさ、周囲のパイプやクレーンなどが発せられる白色やプラチナ色の光の粒と、航路によって景色が変わる。無機質だが、日本の成長を支えてきたエネルギーやバイタリティーは、海上からじゃないと伝わらない。

「横浜や神戸など、昔からあった天然の良港に、海外との交易を求めて先着順に進出した工場群とは違う景色があります。ここは航路を掘った後、誘致した企業を業種別区域に割り振りましたから」と、鹿島港を管理する鹿島埠頭(ふとう)の加藤木高夫社長(64)は話す。開業50周年を機に、世界最大級の掘込式港湾と、日本の工業の大半を占める業種の工場の認知度を上げようと、工場夜景の周遊ツアーを企画した。

もともと、港内の遊覧船「ユーリカ号」も就航させ、小学生の社会科見学を中心に年間3000人ほどの乗船客がある。東京駅から東関道を使えば、こちらの拠点となる鹿島セントラルホテルまで高速バスで90分。平日上り87本、下り79本と、10~20分おきに運行されている。「交通の便の良さも魅力」(加藤木社長)と言い切る。

先月開催された夜景のモニターツアーには約20人が参加した。「ホテルとの宿泊、ホテルの隣にある温泉施設の利用、(サッカーJ1)鹿島アントラーズの観戦ツアーとのパックにしては」「船のモニターにGPS機能を載せ、ドローン撮影した鹿島臨海工業地帯の日中の空中映像とともに楽しめるようになれば面白い」などの意見も出た。

昨年の都道府県魅力度ランキングで、茨城県は6年連続最下位だった。県内でも鹿島地域の観光は、カシマサッカースタジアムやクラブハウス、鹿島神宮くらいしかない。

工場夜景クルーズの最大の魅力は、非日常の空間が海という非日常の場所で見られること。「なかなか足を踏み入れられない場所に行くというのは、旅の醍醐味(だいごみ)。内容を充実させれば、まだまだ伸びる」と考える旅行関係者もいる。工場夜景萌え女子を取り込む可能性は十分、秘めている。【赤塚辰浩】

◆鹿島港 茨城県の鹿島臨海工業地帯に接する工業港として、1969年(昭44)開港。日本最大級のコンビナートがあり、製造出荷額は2兆円を超える。高度成長による輸出入の増加に伴い、鹿島砂丘を掘って航路を確保した掘込式港湾。同種の港として、苫小牧(北海道)や富山新港、田子の浦港(静岡)などがある。中央航路は幅600メートル、長さ2・7キロ、南航路は300メートル、3・6キロ、北航路は300メートル、2・5キロ。

◆日本10大工場夜景 2011年(平23)2月、神奈川県川崎市で「第1回全国工場夜景サミット」を開催。工場夜景観光での地域活性化を目指す。川崎市と室蘭市、北九州市、四日市市が組んで、「日本四大工場夜景」でスタート。その後、周南市、尼崎市、富士市、千葉市、堺市、高石市が加わった。定期的なツアーの開催、工場夜景観光の振興を図り、それを取り上げるメディアがあることなどが必要条件。

【日本10大工場夜景】

◆室蘭市(北海道) 虹色に輝く光の帯が海面に広がる。

◆千葉市 京葉工業地域のオレンジ色や琥珀(こはく)色に輝くナトリウム灯、立ちのぼる水蒸気に機械音など、目と耳で楽しめる。

◆川崎市(神奈川) 工場夜景発祥の地。京浜工業地帯の石油化学系工場できらめく光は幻想的。

◆富士市(静岡) 製紙業が盛ん。富士山はじめ、自然とも調和している。

◆四日市市(三重) 広大なコンビナートが近未来的に浮かび上がる。

◆堺市(大阪) 関西国際空港の近くで煙突や鉄塔、むき出しのパイプがひしめき合う。

◆高石市(大阪) 大阪府南部の臨海地域に広がる工場群のスケールで圧倒。

◆尼崎市(兵庫) 暮らしの中に産業が深く関係し、歩道や川沿いからも眺められる。

◆周南市(山口) JR徳山駅のすぐ近く。海面に反射する明かりが幻想的。

◆北九州市(福岡) 明治時代から日本の製造業をリードしてきた。製鉄所、化学工場の景観は重厚。








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