【Jリーグ(J1)ニュース】気になったジャッジを徹底解説する「Jリーグジャッジ リプレイ#31」がDAZN(ダゾーン)で配信。今回は、明治安田生命J1リーグ第34節で鹿島アントラーズとセレッソ大阪が1-1で引き分けた一戦から、前半ATに三竿健斗の警告が疑われたシーンを取り上げる。
番組には、Jリーグの原博実副理事長、Jリーグウォッチャーの平畠啓史さんに加え、FIFA・AFC・JFA審判インストラクターの深野悦子さんが登場。桑原学さんMCのもと、SNSで反応が多かったシーンをピックアップして議論を行った。
■満場一致で警告が妥当
\🎥 #Jリーグジャッジリプレイ🔎/
— Goal Japan (@GoalJP_Official) December 28, 2020
J1第34節、鹿島vsC大阪の前半AT
2枚目の警告を巡り議論
✅満場一致で警告が妥当
✅VARがあっても介入はできない
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J1最終節で賛否が巻き起こったのは、鹿島vsC大阪の前半ATの判定。C大阪が攻撃に転じようかという場面で高木俊幸がキープしようとしたところ、後ろから三竿健斗のファウルを受けて倒れ込んで笛が鳴る。
リプレイでは三竿が高木の右足ふくらはぎ付近を踏んでしまったように見られたが、カードは出なかった。なお、三竿はすでにこの試合で1枚の警告を受けており、もしもう1枚であれば退場となっていただけに注目が集まった。
このシーンを確認した平畠さんは「ちょっと危ないかなという印象」だと口にし、「足に行った時にボールは離れていたと思うのでファウルだと思いますし、イエローカードが出てもおかしくないシーン」だと主張する。
原副理事長も「普通にこのシーンだけ見たらカードは出るだろうね」と明言。「最後は(力を)抜いているというか、そこまで汚くはやっていないとは思う」と、あくまで負傷につながるようなプレーではなかったとしつつも、警告が妥当との見解を示した。
さらに、深野さんも「私は警告かなと思いました」と同意。続けて、2枚目の警告という点における審判の心情を語った。
「やっぱり11人対11人で試合をさせたいという思いもあるでしょうし、特にこの場合は前半ですし、最終節だったり、というのがあるかもしれない」
続けて「あと想像されるのは、とにかく警告に近いけれども警告しない。けれど、非常に強い注意を与えて『もうやっちゃダメだよ』ということで収めたという、その度合いも考えたのかもしれない。憶測でしかありませんが」と、推測している。
■VARがあっても介入はできない
今回のケースのように、ファウルのラフさという部分の判定では審判の判断に依存する要素があり、深野さんが「最終的に決断しないといけないのはレフェリーなので、本当に1つのさじ加減で全然違うことになってしまう」と語ったように、その後の試合に大きな影響を与える可能性もある。
また、原副理事長が「三竿ってすごく経験もあるし良い選手だけど、1枚もらっていたとして、あれはちょっと気を付けてほしいなというのが、多分みんな、鹿島の関係者とかは思ったと思います」とコメント。一方でMCの桑原さんは「セレッソ側からすると『なんで出ないの?』という気持ちになる」とも口にする。
さらに、警告の基準を高くしてしまった場合、その後の運営が困難になることも。そのことについても、深野さんは警告が妥当とのスタンスを維持しつつも主審の信念を尊重すべき部分があるとした。
「あのシーンだけを見るとやっぱり、後方からすね当てもないところに足の裏で、踏みつけてはいないですけれども非常に危険なプレーだと思います。あの行為自体は悪いなと思う反面、(試合を)コントロールする気持ちも分かる。それが今後の基準になると思うと、出すか出さないかというのは、そこも背負って主審は信念を持って決めたのではないかと思いました」
なお、ビデオ・アシスタント・レフェリー(VAR)が導入されている場合、「退場かどうか」という判断は介入を受けるが、2枚目の警告はそれに当たらないと競技規則に明記。主審が見逃したなど明白なミスであれば警告でも介入することができるが、「主審はその事象を見ているので、介入ができないシーン」だと深野さんは説明した。
今回の「ジャッジリプレイ」では、このほかにも第33節セレッソ大阪vsサガン鳥栖の後半ATのナイスジャッジ、またAFCチャンピオンズリーグ(ACL)準決勝の蔚山現代vsヴィッセル神戸より、神戸の2点目が取り上げられたシーンも議論されている。
◆【動画】J1最終節の鹿島アントラーズvsセレッソ大阪、三竿健斗は退場が妥当だった?2枚目の警告を巡り議論(GOAL)