今年度最初で最後の全国舞台となった高校サッカー選手権は、個性豊かな多くの選手たちが輝きを放った。Jリーグへ進む選手もいるが、そのなかで今大会の活躍からルーキーイヤーでブレイクが期待できる、5人の選手を紹介する。
須藤直輝
すとう・なおき
MF/昌平高→鹿島アントラーズ/169cm、63kg
ボールを持てば、何をするかわからない――。ロナウジーニョ(ブラジル)に憧れた少年は、大宮アルディージャU-15を経て、昌平でその才能が花開いた。
タイトなマークを受けた影響で今大会は1得点2アシストに留まり、本来のよさを出す場面は限られたかもしれない。だが、トリッキーなドリブルを武器に相手を翻弄し、決定的な仕事で与えられたタスクを遂行した。
最も輝いたのは高川学園との初戦。後半39分まで0-2とリードを許す展開のなかで本領を発揮した。40分に自らの突破で篠田翼のゴールをお膳立て。ラストプレーでは強気に縦へ仕掛けてファウルを獲得し、FKから篠田大輝の同点弾をアシストした。
2年連続でベスト8敗退となり、幼い頃から描いていた選手権制覇の夢は叶えられなかった。だが、その敗戦を受け止め、次のステージでさらなる成長を期す。
「自分のマークは厳しくなるし、分析もされる。でも、一流の選手はそのなかで相手を抜いて、ゴールを決められる。そこは自分の実力不足。この現実を受け止めて、もっとうまくならないといけない」
夢のつづきは鹿島で――。ドリブルはプロの世界で十分に通用する。だからこそ、チームを勝たせる選手となり、掴めなかった日本一をJの舞台で目指す。
【参考】それ以外の選手はこちらから