日刊鹿島アントラーズニュース

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2023年10月11日水曜日

◆【レンタル組通信簿】鹿島アントラーズから期限付き移籍した5人。気になる移籍先での現状は…(フットボールチャンネル)



下田栄祐


明治安田生命Jリーグ2023シーズンも残すところあとわずかとなり、来季に向けた補強や編成も気になり始めるころだ。他クラブへ期限付き移籍している選手がどのような活躍を見せているのだろうか。今回は、鹿島アントラーズから期限付き移籍している選手から5人をピックアップして移籍先での活躍を5段階(A~E)で評価する。


FW:染野唯月

生年月日:2001年9月12日(22歳)
在籍クラブ:東京ヴェルディ
リーグ戦成績:14試合5得点1アシスト
移籍先での評価:B

 鹿島アントラーズつくばジュニアユース出身の染野唯月は、尚志高校2年次に全国高校サッカー選手権で得点王に輝き、高校卒業とともに鹿島へ戻ってきた。

 ルーキーイヤーだった2020シーズンはリーグ戦12試合に出場し、YBCルヴァンカップでは初ゴールを記録するも、プロ入りから3年間で目立った実績を残すことはできず。昨年7月に育成型期限付き移籍で加入した東京ヴェルディではリーグ戦16試合で4得点を記録したが、鹿島に復帰した今季は出場機会を増やすことができず、今年7月に再び東京ヴェルディへ加入することになる。

 ヴェルディ再加入は華々しいスタートとなった。国立競技場で行われたFC町田ゼルビアとの一戦で、いきなり2得点を挙げて引き分けに持ち込むヒーローになり、9月は4試合で3得点と調子を上げている。町田戦で決めた2得点のように、クロスに合わせる空中戦の強さは際立っている。

 高校2年次の選手権で黒田剛監督率いる青森山田からハットトリックを達成し、同監督が指揮を執る町田からも2得点。町田がこのまま昇格することになれば、鹿島はこの町田キラーを呼び戻した方がいいかもしれない。


MF:中村亮太朗

生年月日:1997年9月27日(26歳)
在籍クラブ:ヴァンフォーレ甲府
リーグ戦成績:8試合1得点0アシスト
移籍先での評価:C

 中央大学出身の中村亮太朗は、ヴァンフォーレ甲府での活躍が評価され、2022シーズンに鹿島アントラーズに加入した。しかし、鹿島では出場機会を得ることができず、今年8月に期限付き移籍で甲府へ復帰。鹿島が出場していないAFCチャンピオンズリーグで中村は成長の跡を見せている。

 攻撃の起点になるパスを武器とするボランチで、積極的に攻め上がって得点に絡むプレーを持ち味にしている。8月のレノファ山口戦ではFWを追い越す動きでゴール前に侵入し、味方のクロスを合わせて移籍後初ゴールを決めている。

 甲府ではJ1昇格への熾烈な争いだけでなく、ACLという貴重な経験も積んでいる。ディエゴ・ピトゥカが退団することになる鹿島にはこの夏に柴崎岳が加わり、中盤の競争は依然としてハイレベル。中村はそれに割って入るだけの力を見せることができるだろうか。


DF:林尚輝

生年月日:1998年6月9日(25歳)
在籍クラブ:東京ヴェルディ
リーグ戦成績:19試合2得点1アシスト
移籍先での評価:B

 立正大淞南高校出身の林尚輝は大阪体育大学時代に関西大学リーグベストイレブンに輝いた経歴を持ち、2021シーズンに鹿島アントラーズに加入している。ヘディングの強さが武器のセンターバックだが、鹿島では怪我もあってポジション争いになかなか加わることができず、プロ3年目の今季は東京ヴェルディに期限付き移籍している。

 大学と鹿島ではセンターバックを務めることが多かったが、ヴェルディでは中盤で新たな可能性を見出している。ディフェンスラインの前でボールホルダーを潰す対人守備能力の高さを存分に発揮しており、4月以降はセンターバックでの出場が増えている。8月に右ハムストリングの肉離れで戦線離脱するも、10月に復帰を果たした。

 中盤でのプレーは林のプレーの幅を広げる貴重な経験となっただけでなく、鹿島復帰の可能性を広げうるものとなるだろう。J1昇格を目指すヴェルディに残された4試合は、林のキャリアにとっても重要な4試合になるかもしれない。


MF:下田栄祐

生年月日:2004年5月5日(19歳)
在籍クラブ:いわきFC
リーグ戦成績:19試合1得点2アシスト
移籍先での評価:B

 下田栄祐は近い将来、鹿島アントラーズを背負って立つポテンシャルを秘めた逸材だ。クラブOBの小笠原満男と同じ岩手県出身で、ジュニアユース年代で鹿島に加わり、今季トップチーム昇格を果たした。プロ1年目の今季はJ2いわきFCへ期限付き移籍しており、リーグ戦19試合に出場している。

 鋭い出足からボールを奪いきる能力に長けたボランチで、展開力にも秀でている。いわきでは攻撃のかじ取り役を担っており、1日のFC町田ゼルビア戦ではビルドアップの出口になりつつ、機を見て攻撃参加する積極性も垣間見えた。

 序盤戦では出場機会を得られなかったが、6月中旬のリーグ戦デビューから間もなく定位置を確保している。いわきへの期限付き移籍は来季までの2年間。このままいけば、2025シーズンには大きく成長した下田が鹿島で見られるかもしれない。


DF:キム・ミンテ

生年月日:1993年11月26日(29歳)
在籍クラブ:湘南ベルマーレ
リーグ戦成績:7試合0得点0アシスト
移籍先での評価:B

 韓国出身のキム・ミンテは大学卒業とともに来日し、これまでベガルタ仙台、北海道コンサドーレ札幌、名古屋グランパス、鹿島アントラーズでプレーしてきた。昨季は鹿島でリーグ戦21試合に出場したものの、今季は昌子源と植田直通の加入により出番が激減し、7月に湘南ベルマーレへの期限付き移籍が発表されている。

 出場機会に飢えていたキム・ミンテは、下位に沈んでいた湘南に新たな活力を注入した。初出場となったサンフレッチェ広島戦では3バックの中央で相手の攻撃をことごとく跳ね返し、今季チーム初のクリーンシート(無失点)に貢献。80%という驚異的な空中戦勝率が示す通り、強靭なフィジカルを活かした魂のこもった守備でチームを支えている。

 熱いハートの持ち主で、勝利した広島戦後には涙を浮かべていた。流暢な日本語で味方を動かし、最後の局面では自ら身体を張ってピンチを防ぎ続けるキム・ミンテの存在は、湘南に欠かせないものとなっている。




◆【レンタル組通信簿】鹿島アントラーズから期限付き移籍した5人。気になる移籍先での現状は…(フットボールチャンネル)





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