GK大久保択生のオーラを感じて、「これまでで一番緊張した」。
[J1参入PO 決勝]東京V 1–1 清水/2023年12月2日14:00/国立競技場
※規定によりレギュラーシーズン上位の東京VがJ1昇格
J1参入プレーオフ決勝、東京ヴェルディ(シーズン3位)が染野唯月の90+6分のPK弾で、清水エスパルス(4位)と1-1で引き分け、規定により2024シーズンJ1昇格を決めた。16年ぶりの復帰となる。
FW染野唯月は鹿島アントラーズから今年7月、昨年に続き二度目の期限付き移籍でレギュラーポジションを掴み、この昇格に貢献した。
後半アディショナルタイム、背後のスペースを突いてドリブルで持ち上がり、一瞬先へ出たところ、スライディングタックルに来た高橋祐治の足が少しかかり、まさに土壇場でPKを獲得。このキックを染野自らが向かって右上へ蹴り、GK大久保択生の右手をかすめたものの、気持ちで決めてみせた。
「自分が得たPKだったので、蹴りました。蹴る方向は決めていました。最初はゴールキーパーを見ないでおこうとしましたが、オーラを感じました。そこで、ちょっと緊張しました。ただ、狙ったところへ蹴ることができました」
染野は試合後、そのように振り返った。
「あの場面で蹴らなかったらフォワードとして気持ちよくなかったですし、何より点を取りたいという気持ちが強かったです。あのコースは得意な位置。いいところへ決められました」
この試合で、俺がゴールを決める――。その強い気持ちがあったという。
「焦りはありませんでした。緊張はしましたが、思っていたところへ蹴ることができたのは良かったです。(PK獲得のシーンは)一番いい形でトラップできて、自分が一歩先へ出られたと思います。足を出したたところへ相手が来ました。(ペナルティエリアの)中か外かがちょっと分からなかったです。緊張しましたが、自分がチームを助けたい気持ちがあり、(PKを)蹴らしてもらいました。正直、今までで一番緊張しました」
尚志高校から鹿島に加入しプロ4年目、昨年に続き同時期である7月から二度目のレンタルでのプレーとなった。一体、自分はなんのためにヴェルディに来たのか。その覚悟をファンとサポーターに示したJ1昇格を決めるPK弾だった。
「1試合を通して試合に出続けることが鹿島ではなかなかできずにいました。こっちに来て試合に出させてもらえるようになっていき、城福さんには感謝しています。(変化は?)いろいろ変わったし、良くなったとは思いますが、そこは分析し、もっともっと良くしていきたいです。裏への抜け出しなど、いろんなことができるようにはなってきました。何より、この試合が分岐点になると覚悟していました。チームを勝たせられるフォワードになっていきたいです」
来季のクラブについては、この時点では未定である。ポテンシャルの高さを評価されてきたパリ・オリンピック日本代表候補でもある22歳のアタッカーが、勝負強さとタフさを身に着けて一回り以上大きく進化を遂げた。そして国立競技場の舞台、大注目のPKを冷静に沈め、東京ヴェルディを16年ぶりとなるJ1へ引き上げた。
◆【東京V】これぞストライカー!染野唯月「俺が決めてJ1に導く。この試合が分岐点になると覚悟を持って戦った」。鹿島から二度目の期限付き移籍、殊勲のJ1昇格PK弾!(サカノワ)
『1試合を通して試合に出続けることが鹿島ではなかなかできずにいました。城福さんには感謝しています』
— 日刊鹿島アントラーズニュース (@12pointers) December 2, 2023
◆これぞストライカー! #染野唯月「俺が決めてJ1に導く。この試合が分岐点になると覚悟を持って戦った」。鹿島から二度目の期限付き移籍、殊勲のJ1昇格PK弾!(サカノワ) https://t.co/MXSbtPJf4C pic.twitter.com/rRRSrElmBB