日刊鹿島アントラーズニュース

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2024年5月10日金曜日

◆鹿島VS東京Vが16年ぶり実現「お父さん、お母さんの前で試合をする感覚」DF安西幸輝が語る初の古巣戦(報知)



安西幸輝


 鹿島は12日に行われるJ1第13節で、東京Vをホーム・カシマスタジアムに迎える。両チームの対戦は2008年8月以来、実に16年ぶり。

 DF安西幸輝にとって、アカデミー時代から12年間在籍した古巣との初対戦となる。「自分が育ったクラブだし、サポーターの方々も本当に温かいし、お父さんお母さんの前で試合をするような感覚です」

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 小学校4年生の安西少年に転機が訪れた。当時所属していた少年団の同級生が、東京Vジュニアのセレクション(前期)に合格。「幸輝とサッカーがしたい。幸輝も受けてよ」と言われ、後期のセレクションを受けて無事に合格した。その同級生・澤井直人とは、2014年にトップチームに同時昇格することになる。

 週に5日、埼玉県内の自宅から電車で片道2時間をかけ、練習に向かう日々が始まった。練習開始に間に合うためには、学校を早退する必要がある日もあった。親からは「レッズに行きなよ」とも言われたが、ヴェルディのサッカーにはまっていく。

 1学年上に中島翔哉や前田直輝(いずれも浦和)、ポープ・ウィリアム(横浜FM)、同学年に畠中槙之輔(横浜FM)や高木大輔(琉球)らがいる環境。「すごいやつがいっぱいいて、自分がプロになるイメージができなかった」と15歳の頃には前橋育英高サッカー部への進学に気持ちが傾いた。だが普及育成アドバイザーを務めていた都並敏史氏から「サイドバックならプロに行ける」と説得され、ユース昇格を決めた。

 ユース時代は、目の前の試合に勝利することだけでなく「俺がヴェルディをJ1に昇格させる」という思いで戦っていたという。「育成型のクラブって、『僕らが頑張らないとクラブがなくなっちゃう』って感覚なんです。そのあたりの意識付けもすごかったなと思います」。クラブの経営難もあり、当時の社長が直々にアカデミーの試合を視察し「今のヴェルディを救うのは君たちだ、ヴェルディの未来は君たちだ」と選手に語りかける場面もあったという。安西は「プロに対する意識が変わりました」と振り返る。

 14年のトップチーム昇格後、1年目からレギュラーとして活躍。しかし昇格プレーオフで敗れるなど夢はかなわず、自身は18年に鹿島移籍を決断した。昨季の東京Vの16年ぶりJ1復帰には、アカデミー出身の選手が主力として貢献した。「すごく感慨深いというか。僕がいた時に成し遂げられなかったこと。本当に感謝しています」と後輩の活躍を素直に喜んだ。

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 「ヴェルディの選手、サポーター、スポンサーの方々、皆さんに会えるのは楽しみです。でも鹿島というクラブでずっとやっていて、(背番号)2番をもらった自分が負けるわけにはいかない。鹿島のために戦い、鹿島のために勝利したい。まだ3連勝で3位だが、序盤からしっかり優勝争いができている。4連勝して、上位陣との対戦に向けて頑張っていきたい」

 特別な一戦になることは確かだが、勝利だけを追い求める姿勢はいつもと変わらない。感謝の思いを胸に秘めながら、鹿島の一員として、勝ち点3だけを奪いにいく。(岡島 智哉)





◆鹿島VS東京Vが16年ぶり実現「お父さん、お母さんの前で試合をする感覚」DF安西幸輝が語る初の古巣戦(報知)



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