「マインツ05は移籍金を取り戻すことはもうないだろう。行為があった時点で、雇用契約書や移籍契約書はすでに署名されていたのだから」
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◆佐野海舟の移籍金はどうなる?新加入選手が合流前に逮捕…ドイツ人弁護士が見解(GOAL)
【欧州・海外サッカーニュース】マインツ移籍が決定していた佐野海舟が逮捕されたとの報道を受け、現地紙『アルゲマイネ・ツァイトゥング』はスポーツ法を専門とするドイツ人弁護士に取材した。
佐野海舟が不同意性交容疑で逮捕されたとの日本での報道はマインツでも物議を醸している。そんな中、スポーツ法に精通するアレクサンダー・ベルクワイラー弁護士は地元紙『アルゲマイネ・ツァイトゥング』で移籍先として決定していたマインツへの影響について見解を述べた。
佐野は今月4日に鹿島アントラーズから4年契約でマインツへ完全移籍することが発表され、加入に関する声明ではクラブは選手に特別休暇を与え、21日に練習に迎える予定だと伝えていた。しかしそんな佐野だが、知人2人と30代の女性に性的暴行を加えたとして、警視庁に不同意性交容疑で逮捕されたことが17日に日本の一部メディアで報じられている。
これについて問われたベルクワイラー弁護士はまずは選手本人の話を聞き、事実関係を確認することをアドバイス。日本の裁判所が有罪判決を下さない限り、推定無罪が適用されることを指摘しつつ、有罪判決が下された場合については「マインツ05は移籍金を取り戻すことはもうないだろう。行為があった時点で、雇用契約書や移籍契約書はすでに署名されていたのだから」と説明した。
ベルクワイラー弁護士は続けて、「現時点におけるクラブにとっての唯一の良いニュース」にも言及。「彼がマインツに来ない限り、クラブは彼に給料を払わなくても良いということ。仕事をしないとお金ももらえないのだからね」と指摘し、「基本、マインツはこの契約から抜け出すことも可能だ。もし疑惑が固まれば、予告なしの解雇も考えられるだろう」と話している。
一方で、ベルクワイラー弁護士によれば、判決が下される前、訴訟が終了する前であっても予告なしの解雇は可能とのこと。「禁固のケースは、能力不足を理由とする解雇のひとつだ。被疑者の責任ではなかったとしても、裁判が続く中のある時点で、雇用主にとってその選手を雇い続けることが不合理であることが認められる」と述べた。
なお『キッカー』や『ビルト』、『アルゲマイネ・ツァイトゥング』などドイツメディアによると、マインツが鹿島に支払った移籍金は250万ユーロ(約4億3000万円)だという。後者は「今後数週間、数カ月間にマインツが給与の支払いを止め、最終的に予告なしの解雇を検討するかどうかが明らかになるだろう」としている。