日刊鹿島アントラーズニュース
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2013年7月26日金曜日
◆初先発で初ゴール含む2発、大迫「楽しかったし、もっとやりたい」(ゲキサカ)
http://web.gekisaka.jp/399417_122408_fl
[7.25 東アジア杯 日本3-2オーストラリア 華城]
ピッチ内を覆う嫌なムードを一瞬で振り払った。後半34分、2-2に追いつかれてから1分も経っていなかった。一気に攻め上がった日本はFW工藤壮人(柏)の縦パスをFW豊田陽平(鳥栖)が落とし、FW大迫勇也(鹿島)がPA手前から右足を振り抜いた。
豪快なミドルシュートをゴール左隅にねじ込む。「あの時間帯に決めることで相手の勢いが半減すると思った。いい時間に決められた」。4分間で2点差を追いついたオーストラリアの勢いを食い止める大迫の一撃。3-2と突き放し、これが決勝点となった。
1-0で迎えた後半11分にもDF鈴木大輔(柏)の縦パスを豊田がワンタッチで落とし、FW齋藤学(横浜FM)がスルーしたところで大迫にボールが渡った。絶妙なトラップで前を向き、DFに寄せられながらもGKの動きを最後まで見極めた。「タメて打った。余裕があった」。落ち着いて右足を振り、記念すべき代表初ゴールとなった。
21日の中国戦(3-3)に後半43分から途中出場し、A代表デビュー。中国戦から先発全員が入れ替わり、この日が待望の初先発だった。「やってやろうと思った。ここまで来て、ずっとベンチに座るのは悔しい」。思いの丈をピッチでぶつけ、初ゴールを含む2得点でチームを勝利に導いた。
ポジションはトップ下。「一応、『2トップでやれ』と言われていた。『でも、気を遣ってちょっと下がれ』と。1トップみたいになったのはしょうがない。僕があそこで引かないと大変なことになる」。バイタルエリアのスペースでボールを引き出し、パスを散らす。本来のプレースタイルではないが、柔軟に対応し、チャンスメイクに腐心した。
「ほんとは前をやりたいけど、それはしょうがないし、割り切ってやるしかない」。不慣れなポジションでも役割をまっとうし、1トップに入った豊田とのコンビネーションも光った。何よりも2ゴールという結果が、その存在感を際立たせる。「FWなので。そこはゴールに向かうことができたのかなと思う」。従来のトップ下のイメージを覆す新たなスタイル。オーストラリアの守備が緩かったとはいえ、大迫の見せた価値は色あせない。
「(2得点は)うれしかったけど、もっと取れたと思うし、もっとやりたい。やっていて楽しかったし、もっとやりたいと思った」。充実感と、少しの後悔。日本代表としてプレーした90分間を終えた大迫の表情は生き生きと輝いていた。
(取材・文 西山紘平)
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