http://www.sanspo.com/soccer/news/20130704/jpn13070414010000-n1.html
レオ様の金言だ! 元ブラジル代表の伝説的MFで、現在はフランスリーグのパリ・サンジェルマン(PSG)でスポーツディレクター(SD)を務めるレオナルド氏(43)が、パリでサンケイスポーツのインタビューに答え、日本代表に提言した。3連敗したコンフェデレーションズ杯(ブラジル)に苦言を呈しながらも、その敗因を「個」ではなく「精神面」と分析。「日本はもっとできる」と明言した。
「王子たちの庭」を意味するPSGの本拠地、パルク・デ・プランス。レオナルド氏は現役時代と同じ“王子”のような笑顔で現れると、テレビ観戦したという日本のコンフェデ杯全3試合に言及。愛する“第二の故郷”へ緊急提言した。
「日本の試合は楽しみにしていたんだ。しかし、ブラジル戦の日本は消極性の塊のようなチームだった。相手は開催国。プレッシャーは分かるが、目を疑った」
6月15日の初戦・ブラジル戦(●0-3)に苦言を呈すると、19日のイタリア戦(●3-4)も「序盤に目指すべきスタイルをみせたのに、個人的なミスにつけ込まれてひっくり返された。ここに日本の課題がある」。22日のメキシコ戦(●1-2)も「勝てた試合」と嘆いた。
1994年、ジーコ氏の誘いでJ1鹿島に入団。現役ブラジル代表の異例の来日、端正なルックスでも人気を集めた。日本をよく知るレオナルド氏は「日本はもっとできる」と思うからこそ、厳しい言葉を並べた。
そんな同氏がMF本田圭佑(CSKAモスクワ)らが掲げる「W杯優勝」の実現へ、要求するのが精神的な成長だ。
「長友や香川のように、あのレベルでプレーできる選手がいる。本来の力を発揮できていないだけ。メンタル的な弱さ、精神面に尽きる」
本田やDF長友佑都(インテル・ミラノ)は、「個」を最大の敗因と分析する。しかし、PSGの強化責任者にしてインテルなど欧州の強豪で監督を務めてきた立場から、あくまで「個」のレベルは列強に劣らないことを明言する。
そこで特に強調したのが、次の3点だ。
(1)格上を恐れるな! 「相手が格上になると、すぐ消極的になるのが日本の悪いところ」。格や肩書きにとらわれない姿勢を求めた。
(2)ペース配分を覚えろ! 「私は怠ける日本人、サボる日本人を見たことがない。90分間、チームのためにできるのは日本人の特長で世界に誇れる部分。ただ、強いチームにはメリハリがある。個の能力が高いアフリカが勝てないのは90分を管理できないから。引くときは引く、行くときは行く。それがW杯で勝てるチームだ」
(3)ザッケローニ監督を信じろ! 「哲学を押し通せる人。アッと思うことを自信を持ってやれる監督だ」
リーグ優勝した1998-99年のミラン時代に同監督の指導を受けた同氏。消極的な采配が批判されていることを聞くと、「左利きの自分を常識と逆サイドの右FWで起用したり、思い切った策を打てる」と強調。信頼すべき人物であることを訴えた。
「W杯は独特の戦い。だからこそ、この3試合の経験は大きい。日本はもっとやれる」。94年米国大会で優勝、98年フランス大会で準優勝と、W杯を熟知する“レオ様”の言葉は、まさに金言。懐疑的ムードの中でも、世界的英雄はザック・ジャパンの巻き返しを信じている。
★長友は“いい買い物”
PSGの強化責任者として過去にMF本田圭佑の獲得にも動いたというレオナルド氏だが、DF長友佑都の話題には破顔一笑。インテル・ミラノ監督時代の2011年1月に獲得した当時を振り返り、「彼は左右、前も後ろのポジションもこなせる選手。日本人の勤勉さが表れた好例だ。高い買い物とは思わなかった」と明かした。MF香川真司(マンチェスター・ユナイテッド)も絶賛。「何よりチームのことを考えてプレーしている」と献身性を特に評価した。