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J1 2nd 第2節 vs清水エスパルス
鹿島、ホームでスコアレスドロー。清水の守備を破れず。
またも、連勝することはできなかった。J1 2nd 第2節、カシマスタジアムに清水エスパルスを迎えた鹿島は、20本ものシュートを放ったものの、ゴールネットを揺らせず。0-0で引き分け、勝ち点1を得るにとどまった。
鹿島は4日前、J1 2nd 第1節で新潟に3-2で勝利。後半アディショナルタイム、90+4分に土居、90+6分に遠藤がゴールを決め、土壇場で大逆転を果たした。ただ、奇跡的な形で手にした勝ち点3は、決して諸手を挙げて喜べるものではなかった。選手たちは「反省点が多い試合」と、口々に語っている。中3日で迎える今節に向けて、トニーニョ セレーゾ監督は前日練習を非公開に変更するなど、集中力を高めて準備を進めた。
1stステージでは2回しか勝てなかった、カシマスタジアムでの一戦。「必死に戦う姿勢を最低限、示さなければならない」と話していたトニーニョ セレーゾ監督は、先発メンバーを2人入れ替えた。センターバックの一角にファン ソッコを指名し、昌子とのコンビで必勝を期す。そして右サイドハーフには、カイオではなく遠藤が入った。2列目は左に金崎、中央に土居、そして1トップは赤崎が務める。ボランチは青木と小笠原のペアで、右サイドバックは西、左は山本。GKには佐藤が立ちはだかる。
日中は厳しい暑さに見舞われたカシマスタジアムは、夕暮れとともに穏やかな天気となった。キックオフ直前には、上空にうっすらと虹が見えた。心地良い気候となる中、19時4分、選手たちはキックオフのホイッスルを聞いた。
ホームでの勝利を誓う鹿島の選手たちは、立ち上がりからボールキープ率で清水を圧倒した。ファーストシュートは開始2分、ペナルティーエリア手前でパスを受けた土居が、鋭い上体フェイントでマークを外し、右足を振り抜く。ミドルシュートは枠を逸れたが、「連続ゴールを決めたい」と話していた背番号8が、ゴールへの意欲を示した。さらに8分には、自陣中央に空いたスペースで赤崎がルーズボールを拾い、ドリブルで突進。ペナルティーエリアに差し掛かって右足で狙ったが、枠の左へ外れてしまった。
攻勢をかける鹿島は9分、ペナルティーエリア左側を強引に縦へ突破した金崎が、左足を一閃。強烈なシュートは、枠を越えてしまった。17分には左サイドを縦へ突破した金崎のクロスに、赤崎が飛び込んだものの、シュートには至らなかった。
鹿島は清水ゴールへと迫りながら、なかなか枠内シュートで相手を脅かすことができない。20分以降は、清水にボールキープを許す時間もあったが、決定機を作らせることはなかった。互いに決め手を欠き、次第に拮抗した展開となっていった。
前半終了間際、鹿島は決定機を作り出した。43分、右サイドのスペースでパスを受けた土居が、狙いすましたクロスボールをファーサイドへ。走り込んでいた金崎が、フリーでヘディングシュートを放ったものの、枠の左へ外れてしまった。チャンスを生かせず、前半はスコアレスで終了した。
後半開始以降も、鹿島がボールキープを続けていく。最初の決定機は54分、小笠原の左CKをクリアされたところから、波状攻撃を開始。左右両サイドからのクロスでゴール前に迫り、シュートを連ねたものの、ゴールネットを揺らすことはできなかった。そこからの流れで得た左CKで、相手のクリアがペナルティーエリア手前へこぼれたところに遠藤が反応。ダイレクトでの左足ボレーは、ゴールライン上でカバーに戻った相手DFにクリアされてしまった。
押し込みながらも均衡を破れず、セレーゾ監督は65分に2選手を交代。カイオとダヴィをピッチに送り出し、攻撃陣を活性化してゴールを目指した。カイオは強引な突破でアクセントとなり、ダヴィも前線で身体を張って、基準点となった。70分には、ペナルティーエリア内で土居が倒され、PKを獲得。しかし、小笠原のキックは相手GKに弾き出され、ここでも得点は奪えなかった。
試合はスコアレスのまま、終盤へ。セレーゾ監督は80分に本山を投入し、ゴールへの期待を託す。オープンな展開となり、清水のカウンターからピンチを迎える場面もあったが、事なきを得て、勝負はアディショナルタイムへ。鹿島は最後まで攻め込んだが、20本を数えたシュートは1つも結実せず、試合終了のホイッスルを聞くこととなった。
スコアは、0-0。相手の3倍以上のシュートを放ちながら無得点に終わり、鹿島はまたも連勝することはできなかった。次戦は19日、J1 2nd 第3節の松本戦だ。中3日で迎えるアウェイゲーム、ここから再び走り始めなければならない。
【この試合のトピックス】
・今季のリーグ戦では3試合目の無失点試合だった。
・遠藤が、6月7日のJ1 1st 第15節の山形戦以来、4試合ぶりの先発出場を果たした。
・ファン ソッコが、5月30日のJ1 1st 第14節松本戦以来、6試合ぶりの先発出場を果たした。
・ダヴィが2試合連続の途中出場。負傷した昨年10月18日のJ1第28節柏戦以来、270日ぶりにカシマスタジアムのピッチに立った。
監督コメント
[ハーフタイム]
鹿島アントラーズ:トニーニョ セレーゾ
・ラスト45分、まずはボールを落ち着かせて試合に入ろう。
・相手よりも献身的に走り、アグレッシブに戦い、集中していこう。
・誰が決めるかが大事ではない。重要なのはチームとして勝ち点3を手にすることだ。
清水エスパルス:大榎 克己
・裏へ飛び出す選手に注意すること。
・マイボールになったとき、簡単に失われないこと。
・ハードなゲームだけど、あと45分、チャンスは必ず来る。絶対に決めよう!
[試合後]
鹿島アントラーズ:トニーニョ セレーゾ
Q ホームで勝てない試合が続いているが、プレッシャーになって力んでいた?
A サッカーに心理面は関係ないと思う。心理面での特効薬はない。自分自身が特効薬となり、切り替えてやっていくしかない。今日の試合はチームとしてはすばらしい戦いができた。エクセレントととらえている。DFはビルドアップしてチャンスを作り出すことができていたし、中盤もサイドハーフもFWもからんで、チーム全員で1つのボールに反応していた。ボールがないところでの動きも、それぞれの役割をこなしていた。7~8回は明らかなチャンスを作り出したはずだ。引き分けをプラスにとらえて、進んでいくしかない。アラ探ししても進展はない。向上させるためには、練習しかない。日程的に回復についやさなくてはいけないところがつらいが、そのなかで決定力を上げるために取り組み続けるしかない。今日の試合を見て、コアなサポーターなら、勝ち負けではなく、内容や、走る姿、戦う姿、駆け引きなどチームとしてやろうとしていることがわかると思う。当然、我々は勝つためにやっている。明らかなチャンスを作り、徐々にチームがいい状態になっているということが、指導者の立場としては重要だと思う。
Q ダヴィへの期待が大きいが、コンディションをどう見ている?
A いい状態になってきている。私自身、焦る気持ちもあるが、長く複雑なケガからの復帰となるので、後半からの出場という形になっている。彼の体力やヘディングのパワーをどう生かしていくか。チームとして、もう一度確認しなくてはいけないところだと思う。
清水エスパルス:大榎 克己
2ndステージの初戦を0-5と大敗し、そこから時間がないなかで守備の修正に取り組んだ。ボールにプレッシャーがかけられない状態だったので、なるべくかけられるシステムを意識した。押し込まれる場面が多く、非常に厳しい試合だったが、選手たちは最後まで集中を切らさず、体を張って守ってくれた。PKの場面も杉山が神がかり的なセーブを見せてくれた。出場機会に恵まれないなかで練習からしっかり準備して、安定した守備を見せてくれたことに感謝している。非常に厳しい状態が続くが、この勝ち点は大きい。気持ちを切らさずに、次の試合に臨みたいと思う。
選手コメント
[試合後]
【遠藤 康】
チャンスを作った中で、勝ち切ることができなかった。勝ち点2を失った試合だと思う。チャンスはたくさん作ったけど、最も大事なフィニッシュのところの精度をもっと上げていかなければならない。
【土居 聖真】
前節とは逆の形になってしまった。自分の致命的なシュートミスがなければ、勝利につながったと思う。チームメートやサポーターの皆さんに申し訳ない。言い訳のできないミスだった。
【ダヴィ】
FWである以上、常にゴールを目指している。正直に言えば、もう少しプレー時間が欲しかったが、再びカシマスタジアムでプレーできたことは、すごく嬉しく思う。
青木選手のコメントは、アントラーズモバイルをご覧ください。