http://www.soccer-king.jp/news/japan/20150911/348664.html
2ndステージ首位を走る鹿島 [写真]=Getty Images
2ndステージ優勝を懸けた分水嶺となる一戦であろう。鹿島アントラーズはここまで7勝1分1敗の勝ち点22で2ndステージ首位に立つ。しかも、トニーニョ・セレーゾ前監督を解任し、石井正忠監督が就任して以降、リーグ戦は6連勝中。リーグ戦中断期間は、日本代表に選出されたMF柴崎岳を欠いたが、ナビスコ杯準々決勝のFC東京戦2試合、天皇杯2回戦のFC琉球戦を2勝1分で乗り切り、公式戦9試合負けなしとした。
好調を維持している鹿島だが、ここからが正念場。リーグ戦5連勝を飾った8月22日のJ1・2nd第8節モンテディオ山形戦後、石井監督は「これからが勝負」と後半戦を見据えた。トニーニョ・セレーゾ前監督との起用選手の違い、さらには8月12日のJ1・2nd第6節サンフレッチェ広島戦からは、これまで採用していた「4-2-3-1」から伝統の「4-4-2」にシステムを変更するなど、“改革”を断行してきたが、「そのカンフル剤の効果もここまで」という意味合いのある発言でもあろう。試合をこなすほど、対戦相手に分析する材料を与える。連勝を伸ばせば警戒もされる。山形戦の翌節に対戦した川崎フロンターレは、中心選手だったMFレナトが退団し、ドイツ2部のボーフムから復帰したMF田坂祐介も負傷離脱していた。川崎が2連敗中と調子を落としていたことも含め、対戦するタイミングが良かったという見方もできる。そういう意味でも、ガンバ大阪戦からが本当の勝負だとも言える。
モチベーションは高い。勝てば3年ぶりのリーグタイトルとなる2ndステージ優勝に大きく近づくのはもちろんだが、クラブとして最も重要視している年間順位において、G大阪が鹿島より一つ上の4位に位置しているからだ。G大阪との勝ち点差はわずか「3」で、得失点差は「1」。順位がひっくり返る可能性もある。クラブが最低限の目標に掲げるのは、ACL出場権が獲得できる3位以内でのフィニッシュ。その3位につけるFC東京との勝ち点差は「6」。逆転可能な勝ち点差の一つの指標として、「残り試合数×1」という式が一般的に用いられるが、通例に従えば十分に追い抜ける距離だと言える。否が応にも気持ちは高まるだろう。
G大阪とのリーグ戦対戦成績は25勝8分16敗、ホーム戦では13勝4分7敗と相性は悪くない。石井監督が常々言うのは「目の前の戦いに集中すること」。日本代表選手4人を抱える相手を上回れば、さらなる自信も手に入るはずだ。