日刊鹿島アントラーズニュース

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2016年5月6日金曜日

◆ついに最終選考のガーナ戦へ…手倉森ジャパンの“隠し球”候補を一挙紹介!(サッカーキング)


http://www.soccer-king.jp/news/japan/national/20160505/438272.html



 5月11日に鳥栖で行われるMD&ADカップのガーナ代表戦に臨むU─23日本代表メンバーが6日に発表される。18日に開幕するトゥーロン国際ユース大会が「本大会への準備」の色合いが強いこと、そして6月10日にJOC(日本オリンピック委員会)への派遣選手登録という実質的な一次登録締め切りが来ることを思えば、これがリオデジャネイロ・オリンピックに向けた最終選考の機会になると見ていいだろう。

 4月の静岡合宿で選考は終わったと見る向きもあるが、手倉森誠監督はアジア最終予選の際もギリギリまで選手を見極め、最後にMF三竿健斗(鹿島アントラーズ)のようなほとんど招集していなかった選手をメンバーに加えることもしている。DF室屋成(FC東京)、松原健(アルビレックス新潟)、MF中島翔哉(FC東京)、FW鈴木武蔵(新潟)など各ポジションに負傷者を抱えている現状もあるだけに、今季のJリーグで輝いている選手たちに“ラストチャンス”が巡ってくる可能性は十分にある。

 まずは室屋と松原というレギュラー格の2枚が離脱してしまっている懸案の右サイドバックから見ていきたい。オランダで活躍するファン・ウェルメスケルケン・際(ドルトレヒト)の招集もウワサされるが、Jリーグでポジションを得ている選手も多く、テストの余地は残っている。J2からは躍進中のFC町田ゼルビアで堅陣4バックの一角を形成する三鬼海、2年前のU─19日本代表で右SBのレギュラーで国際経験も豊富な広瀬陸斗(徳島ヴィルティス)、早くからポテンシャルを高く評価されてきた川口尚紀(清水エスパルス)といった選手の名前が挙がる。本大会の18人登録という枠、そして守備の強さを求められる世界大会であることを思えば、マルチロールの磐瀬剛(FC岐阜)も可能性はある。そしてもちろん“快足おばけ”の伊東純也(柏レイソル)は筆頭格の候補である。隠し球は高卒ルーキーながら試合に絡み続けている東京五輪世代の初瀬亮(ガンバ大阪)か。左右のサイドバックを自在にこなせる柔軟性があり、18人登録という五輪本大会でも選びやすいのはポイントである。

 逆の左サイドバックも悩ましいポジション。先日の静岡合宿では小川諒也(FC東京)、三丸拡(サガン鳥栖)がテストされた。故障がちだった山中亮輔(柏)は戦線に戻って来ているが、同じ柏で中山雄太の存在感が増している。東京五輪世代で唯一、アジア最終予選の予備登録メンバーに食い込んでいた選手でもあり、手倉森構想の大枠には当初から入っている。戦術的に非常に優秀な選手で、センターバック、サイドバックから中盤までこなせる幅の広さは魅力的。個人的には本大会に向けた隠し球の「本命」と見る。また、激しい上下動から個での突破、左足のクロスまで備える大卒ルーキーの高橋諒(名古屋グランパス)も、Jリーグで先発をつかんで猛アピール中。こちらも可能性は十分ある。

 センターバックは植田直通(鹿島)、奈良竜樹(川崎フロンターレ)、岩波拓也(ヴィッセル神戸)の3枚が不動と見られているが、4枚目の選考は常に流動的だった。先日、奈良の負傷が代表スタッフに冷や汗をかかせていたが、本大会前に不測の事態に備える必要はある。個人的イチオシは、奈良の後輩でもある進藤亮佑(コンサドーレ札幌)。抜群の運動能力に加えて“ラテン系”と評される明るいパーソナリティーを持つことも、このタイミングでメンバーを加える選手としては買えるポイントである。そしてJ2でレノファ山口の躍進を支えるDF北谷史孝の名前も挙げておきたい。ベースの高い身体能力には元より定評があったが、試合に出続けることで安定感も増した。ただ、国際経験の少なさがネックか。

 中盤はポジションを得ている選手も多いだけに激戦区。J1では右サイドバックもこなせる小泉慶(新潟)の再招集もありそうだが、同じ新潟の端山豪も面白い。左右両足の正確なキックに加えて、ゴール付近でのセンスも十分。サイドバックの経験もあり、緊急事態に対応することもできるはず。プレースキッカーになれるのも強みだろう。同じ大卒ルーキーでは、初ゴールを決めたばかりの和泉竜司(名古屋)の名前も挙がるかもしれない。もともとこの年代の日本代表に絡んできていた選手であり、顔なじみが多いのも強み。中島と鎌田大地(鳥栖)が負傷中ということを考えても、テストされる可能性はある。J2では、井出遥也(ジェフユナイテッド千葉)が今季はチームが低空飛行を続ける中でワンランク上のプレーを見せており、復活招集の可能性がありそうだ。

 最後に鈴木が負傷離脱している1トップ。先日の静岡合宿では富樫敬真(横浜F・マリノス)がテストされていたが、今回は同じ“鈴木”姓の鈴木優磨(鹿島)を推したい。前向きで強引かつ剛毅なストライカーらしいストライカー。チームにフィットするかは何とも言えないところもあるが、外国勢相手にも物怖じせずに戦ってくれる選手ではあるはず。Jリーグで見せているプレーを考えれば、招集の声が掛かっても何ら不思議はない。

 本大会までに残された時間は少なく、18人という狭き門なのも確か。これまで所属チームでポジションを奪えないことがこの年代の課題とされてきたが、ようやく状況が変わってきた。「うれしい悲鳴」と苦笑してきた手倉森監督をさらに悩ます人材が、今のJリーグには溢れている。果たして誰が鳥栖行きのチケットをつかむのか。そしてその中から手倉森ジャパンを変える“隠し球”は現れるのか。

文=川端暁彦

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