日刊鹿島アントラーズニュース
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2016年6月9日木曜日
◆J1鹿島でリハビリ 内田、復活へ前進(茨城新聞)
http://ibarakinews.jp/news/newsdetail.php?f_jun=14653975158863
一進一退「手応えはある」
昨年6月に右膝を手術したサッカーのドイツ1部リーグ、シャルケのDF内田篤人(28)が古巣のJ1鹿島でリハビリに懸命だ。術後の状態は「日によってよくなったり悪くなったり」と一進一退だが、「ちょっと手応えはある」と快方に向かっている。鹿島の協力を得て復活の道を着実に歩んでいる。 (藤崎徹)
■一筋の光
鹿島のクラブハウスグラウンド。かつてのチームメートと同じ練習着に身を包み、鹿島の塙敬裕フィジオセラピスト(理学療法士、PT)と、ロープを使ったリハビリメニューを黙々とこなす。
歯を食いしばり、塙PTをロープで引っ張り、じっくり膝周りの筋肉を鍛える。塙PTは「痛みがあるままトレーニングを続けると筋肉が強くならないので、痛くない動作で筋肉に刺激を入れている」と説明する。
「こうやったら治っていくという自分が思っていることと、塙さんの感覚が合っている」。術後のリハビリをしても「やってもやっても悪くなる感じ」だったが、1年がたち、鹿島に来て一筋の光が見え始めた。
■痛みとの戦い
内田は2014年2月に右膝を負傷。6月にワールドカップ(W杯)ブラジル大会を控えていたため、手術はせず痛み止めの注射や薬を使いながらプレーを続けた。
W杯後も痛みを抱えながらプレーしていたが、昨年6月のオフ、右膝膝蓋腱(しつがいけん)手術に踏み切った。手術は成功したが痛みが引かず、膝の状態は一向に上向かない。結局、15-16年シーズンは試合出場なしに終わった。
複数の医師の診断では靱帯(じんたい)が固くなる「骨化」が痛みの原因と判明。症状は極めて珍しいが、回復に向かいつつある。塙PTは「間違いなく経過はいい」と断言する。
ただ、復帰は8月下旬のドイツ1部リーグ開幕に間に合うかは微妙。内田は「チーム練習ができるまでは、こっちで(コンディションを)上げたい」と焦りは見せない。
■ベストな選択
鹿島も復帰を後押しする。5月上旬、都内の国立スポーツ科学センター(JISS)が大型連休で休みに入り、リハビリの場所を鹿島に移した。
鹿島に1週間ほど滞在した後、ドイツ1部リーグ閉幕で一度シャルケに戻り、5月24〜29日に千葉県内で行われた海外組だけの日本代表強化合宿に参加。代表のPTとも相談し、「ベストな選択が鹿島だった」と、6月から古巣でのリハビリを選んだ。
内田の要望を、鹿島の鈴木満常務・強化部長は「1人でリハビリをやるよりも知っている選手やスタッフもいるので気分転換にもなるだろう」と快諾。グラウンドでは後輩の遠藤や先輩の小笠原らと冗談を言い交わし、明るい表情を見せる。
鹿島のクラブハウスには連日、内田の復帰を祈る多くのファンやサポーターが訪れる。「みんなが待っていてくれる」。期待を背に、内田は前を向く。
■内田篤人(うちだ・あつと)1988年3月27日生まれ、静岡県函南町出身。176センチ、62キロ。豊富な運動量とスピードに優れる右サイドバック。2010年のドイツ、14年のブラジルでワールドカップ(W杯)代表。06年に清水東高から鹿島に入り、高卒新人で鹿島初の開幕戦先発出場。08年北京五輪に出場し、同年にフル代表初選出。10年7月にドイツ1部リーグのシャルケに移籍し、通算104試合1得点。国際Aマッチ74試合2得点。J1通算124試合3得点。08、09年のJリーグベストイレブン。
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