日刊鹿島アントラーズニュース

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2016年10月23日日曜日

◆2016明治安田生命J1リーグ 2ndステージ 第15節(オフィシャル)


http://www.so-net.ne.jp/antlers/games/51822

明治安田J1 2nd 第15節

鹿島、再開初戦を飾れず。FC東京に敗れてリーグ戦2連敗。
リーグ再開初戦は不甲斐ない結果に終わった。J1 2nd 第15節、FC東京と味の素スタジアムで対戦すると、14分に河野に先制ゴールを奪われ、1点を追う終盤に追加点を許す苦しい展開に。後半アディショナルタイムに山本が1点を返したが、1-2で敗れた。

3週間前、鹿島は第14節の大宮アルディージャ戦で1-3と完敗を喫した。クラブ創設25周年を祝う一戦で3失点。カシマスタジアムに鳴り響いたブーイングを胸に刻み、奮起を期してインターバルに突入した。タイでのトレーニングキャンプを敢行し、強化試合では2連勝を果たす。来たるべきリーグ再開、そしてシーズン終盤戦に向けて、静かに牙を研いだ。



離脱していた選手たちが続々と戦列に復帰し、充実のラインナップが揃った。石井監督はGKに曽ケ端、最終ラインには伊東とファン ソッコ、復帰を果たした昌子、山本を指名。永木と柴崎がボランチでコンビを組み、2列目にはファブリシオがリーグ初先発、約2か月ぶり復帰の遠藤が並ぶ。そして土居と金崎が前線で2トップを組む。さらにベンチには、復帰の西と中村のほか、GK櫛引と植田、小笠原、鈴木、そして赤崎が控えている。



リーグ再開の時を待ちわびたサポーターが、味の素スタジアムに大きな声援を鳴り響かせる。タオルマフラーが舞い、歌声とともに選手たちを鼓舞する。アントラーズレッドに染まったビジタースタンドの後押しを受け、鹿島は14時4分にキックオフを迎えた。

開始直後、土居が敵陣右サイド深くで起点となってボールを収める。後方に戻して遠藤が折り返したボールはクリアされたが、1分足らずでチャンスを作り出し、ゴールへの意欲を示した。

しかし、その後はFC東京に押し込まれる時間が続いた。最終ラインの背後へスルーパスを通される場面が多く、深い位置からクロスを上げられるプレーが増えていった。7分にはペナルティーエリア右側にパスを通されて河野に決定機を作られたものの、1対1でのシュートを曽ケ端がセーブ。守護神が会心のブロックを見せ、ゴールを許さない。

鹿島は左サイドで先発したファブリシオが7分にミドルシュートを放ったが、力なく相手GKの手中へ。右サイドを駆け上がる伊東のクロスもなかなかシュートへ結びつかず、決定機を作れないまま推移していった。

そして14分、この日最初の歓喜はホームチームのものだった。センターサークル右外でのポストプレーで土居が倒されたものの笛は鳴らず、FC東京のショートカウンターとなってスルーパスを通される。最後は河野にシュートを決められた。

アウェイでビハインドを負った鹿島は反撃を期すが、FC東京の攻勢を前に、なかなかいい形でボールを持つことができない。20分には相手のFKからあわやオウンゴールという場面もあったが、曽ケ端が間一髪、弾き出した。

決定機を作れないまま、前半は終盤へ。41分にはファブリシオのクロスに土居が飛び込んだが、相手との競り合いの中でボールを触ることができず、シュートまで持ち込めない。結局、前半は0-0。不甲斐ない内容でハーフタイムを迎えることとなった。

















後半開始時から石井監督は鈴木をピッチに送り出した。遠藤との交代で右サイドへ配し、反撃を期す。鈴木はタッチライン際でボール受け、粘り強いプレーで起点となった。しかし、なかなか決定機を作れない。51分、オーバーラップした伊東がクロスを上げたが、シュートチャンスには至らなかった。

激しいボディコンタクトの応酬が続く中、鹿島は63分、ファブリシオに代えて中村を投入する。復帰を果たした背番号13とともに反撃を目指すが、なおも決定機を生み出せない展開が続いた。72分、柴崎のFKからソッコが放ったヘディングシュートは枠の外へ。直後の73分、左CKからの流れで右サイドへ流れたボールを鈴木が拾い、クロスに飛び込んだ昌子がファーサイドから狙ったが、枠の左へと逸れた。

セットプレーを活かすことができず、試合は残り15分を切った。前がかりになる鹿島に対してFC東京はカウンターで応戦し、オープンな打ち合いとなっていく。そして84分、次のゴールもFC東京のものだった。84分、FKからゴール前で混戦となり、最後は前田に押し込まれてしまった。

2点ビハインドを負い、苦しい状況に追い込まれた鹿島。後半アディショナルタイム1分、鈴木のクロスに合わせた山本がヘディングシュートを放つと、相手GKが弾き出す前にゴールラインを割ったとの判定で得点が認められた。これで1-2。1点差に迫ったが、同点に追いつくために残された時間は短すぎた。

















試合終了を告げるホイッスルが鳴り響き、鹿島はリーグ戦で2008年10月以来、14試合ぶりにFC東京に敗れた。選手たちを出迎えるゴール裏はブーイングを送り、奮起を促した。

セカンドステージは残り2試合、次節は10月29日の川崎F戦だ。これ以上、不甲斐ない試合を続けてはならない。ホームに帰還し、勝利だけを目指して戦うしかない。



【この試合のトピックス】
・リーグでのFC東京戦で14試合ぶりに敗れた。2009年4月12日の第5節で2-1と競り勝った一戦以来から負けていなかったが、連続記録が止まった。
・遠藤が8月6日のJ1 2nd 第7節仙台戦以来リーグ戦8試合ぶり、昌子が9月17日のJ12nd 第12節磐田戦以来リーグ戦3試合ぶりの先発復帰を果たした。
・ファブリシオがリーグ戦初先発を果たした。
・山本が、7月13日のJ1 2nd 第3節名古屋戦以来のゴール。今季のリーグ戦3得点目を記録した。

監督コメント

[ハーフタイム]
鹿島アントラーズ:石井 正忠
・攻撃のテンポを上げて、シンプルに相手陣内に攻め込もう。
・動き出しのところで遅れないよう、しっかり相手についていくこと。

FC東京:篠田 善之
・良く切り替え、締まったゲームが出来ている。
・積極性を持って継続していこう。
・ドリブルでボールを運ばれた時に2列目の選手が素早く戻ること。

[試合後]
鹿島アントラーズ:石井 正忠
今日はこのスタジアムに3万7000人ほどのサッカーファンの皆さんが集まってくださって、それに加えてカシマでもパブリックビューイングをやっていたので、多くのアントラーズファン・サポーターが観てくれていた中、とにかく良い試合をして終わろうと話していた。それがうまくいかなかった。相手の攻守に渡ってのアグレッシブさがあった。自分たちがやろうとしている前からのプレス、敵陣でテンポ良くボールを動かす形のところで、相手のほうが上回っていた。それでこのような結果になってしまった。

Q. 攻守ともにチームとしてやりたい形が見えにくかったと思うが、原因は?

A. この中断期間、タイ遠征から帰ってきて1週間の練習をした中で、練習を見ている限りでは攻守の形ができていたのだが、今日は本当に相手のプレッシャーの速さや選手間の近さがあって、自分たちの判断が遅くなったり、ボールを奪われたりというところで球際でもボールがほとんど相手に転がった。それでうまくいかなかったと思う。守備面でも、前からボールを奪う形を作ろうとしていたが、そこを剥がされた時に対応が遅れた時には、引いて下がってセットをして守備をしなければいけなかったが、慌ててしまっていた。前半は対応に追われてしまった。全体として、行くべきところとやめるべきところの判断がうまくいかなかった。ハーフタイムでその話をしてある程度は整理できたと思うが、試合開始からしっかりと続けていかなければいけない。

Q.残り2試合、チャンピオンシップを見据えた試合になると思うが、今日の結果から立て直す部分は?

A.ケガ人が多かったが、今週の練習から戻ってきた。フルメンバーで戦える状況になってきた。どの選手を起用するか、新たなポジション争いが出てくると思うので、チーム全体としていい方向にもっていきたいと思う。自分たちからボールを奪いに行く形はやってきた。その精度を高めるということ、そして敵陣でコンビネーションで崩すこともやってきたので、その部分を高めていきたいと思う。


FC東京:篠田 善之
立ち上がりから締まったいい内容の試合だった。強豪の鹿島を相手にスペースを与えなかったし、前線からのプレスもうまくできて、全員のハードワークで勝ち点3を取れたと思う。狙いとしていたショートカウンターでゴールまで行けたし、セットプレーでのゴールもあった。全員の高いモチベーション、「鹿島をどうにか倒したい」という思いでしっかりとトレーニングをできていたので、結果を出せて良かった。2-0で終わったり、3-0にできれば良かったが、試合の終わらせ方など、もっと良くなる要素はある。しっかりと準備をして次の試合に向けてやっていきたい。


選手コメント

[試合後]

【伊東 幸敏】
試合の入り方から良くなかった。最初から相手に主導権を握られてしまった。良い守備ができれば良い攻撃につなげられたと思うけど、それをできなかった。ボールを取った後も雑になってしまって忙しい試合になった。どこかで(流れを)変えないといけない。チーム全員でしっかりと話し合って考えていきたい。

【曽ケ端 準】
前線から相手がプレスを掛けてきていた。その中でなかなか前へと行けなかった。チームとして、どうにか勝利に持っていけるようにしなければならない。内容が難しいものでも勝たないといけない。

【鈴木 優磨】
今日のように途中から試合に出て、チームを勝たせることができる選手にならないといけない。そうすれば自分の存在価値を上げられるし、上のステージへ行ける。そこが自分の課題だと思う。

【永木 亮太】
相手のやりたいようにやられてしまった。ハイプレスへの対応が後手後手になった。特に前半は相手にやりたいサッカーをやられてしまった。石井さんも言っていたけど、自分たちが今日のFC東京のようなサッカーをしなければいけなかった。相手にリズムを作られてしまった。

【土居 聖真】
(先制点の場面では)自分でもファウルだと思って止まってしまった。前半戦の柏戦でも似た形があった。責任を感じている。点を取れなかったことにも責任を感じる。自分のせいで負けたと思っている。

【山本 脩斗】
前半に比べれば、後半は形が出来ていたが、追加点を許し厳しい戦いになってしまった。練習でやっていたことが出来なかった。守備がはまってなかった。後手後手になり、相手のやりたいようにやられてしまった。得点は当てるだけだったが、負けた試合なのでうれしくない。

【昌子 源】
最低な試合だった。それぞれが局面で負け、ひどかった。ケガで休み、チームに迷惑をかけたので、救いたかった。チームとしてのまとまりがなかったと思う。ケガ明けで感覚的には違う部分もあったが、そこは理解した上での出場。鳥取の地震で知人関係は大丈夫だが、3,000人くらい避難していると聞いた。自分が試合出場したり、日本代表に入ったことで、自分が米子の高校を卒業したと知った方もいる。その方たちのためにも、良い結果を届けたかった。

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