http://www.sponichi.co.jp/soccer/news/2016/11/30/kiji/K20161130013817280.html
明治安田生命JリーグCS決勝第1戦 浦和1―0鹿島 (11月29日 カシマ)
CS制覇が遠のく痛恨の失点だ。鹿島は後半12分にDF西が興梠を倒したとして痛恨のPKを献上。選手が主審に詰め寄って異議を唱えたが、判定は覆らなかった。そのPKを阿部に決められた。「判定は変わらない。失点をしてしまったので。切り替えて、次のアウェー戦に向けて準備できれば」。GK曽ケ端は潔く負けを認め、前を向いた。
PKを与えた以外は守備は落ち着いていた。ボールを持たれる時間が長かったが、MF永木が相手の司令塔・柏木のマークにつき、決定的なところでは自由にさせなかった。自陣深くに攻め込まれても最終ラインがはじき返し、前半44分のMF武藤の決定的なシュートは曽ケ端が左手一本でセーブした。DF昌子は「僕ら的には手応えを感じていた。完璧とは言わないけど、いい内容だった」と冷静に振り返った。
課題は攻撃だ。前半はシュートゼロ。一転、11本のシュートを放った後半は、後半6分にスルーパスに抜け出した遠藤がGKと1対1になりながら決めきれなかった。「ファウルを取られることが多くて、いい守備からいい攻撃につながらなかった」とFW土居。石井監督は「次の試合では攻撃を重視していきたい」と修正を誓った。
優勝するためには、第2戦で2点以上を挙げた上で勝利を収める必要がある。光明はMF柴崎の復帰だ。後半17分、公式戦5試合ぶりに2列目の左でピッチに立つと、3分後には左45度の位置から鋭いボレーシュートを放った。セットプレーではキッカーとして正確なボールを放った。具体名こそ出さなかったが、指揮官は「交代選手は予定通りの動きをしてくれた。次の試合に向けて期待できる」と手応えを語った。
CSは98、00、01年に3度制した。そのうち98年と01年は年間勝ち点で1位ではなかったが、逆転で王者になった。今年のCSは、7年ぶりのリーグ戦4連敗で第2ステージを終えて迎えた。準決勝では川崎Fを下したが、CS決勝では過去、第1戦で敗れたチームが優勝した例はない。またも苦しい状況に追い込まれたが、過去17冠の常勝軍団の心が折れることはない。「次だ次、顔を上げていこう」。試合後に整列した際、力強い曽ケ端の声が響いた。
▼CSの優勝チーム決定方法 ホーム&アウェーで90分間(前後半各45分)の2試合を行い、勝敗が決しない場合は引き分け。2試合が終了した時点で(1)勝利数(2)得失点差(3)アウェーゴール数(4)年間勝ち点1位(浦和)の順で決定。