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FIFAクラブW杯準々決勝 鹿島―マメロディ (12月11日 吹田)
クラブW杯は11日に吹田スタジアムで準々決勝2試合を行い、開催国枠で出場するJリーグ王者の鹿島は、アフリカ王者のマメロディ(南アフリカ)と対戦する。チームは10日、大阪市内で調整。センターバックは、DF植田直通(22)が公式戦6試合ぶりに先発する可能性が高まった。身体能力の高いアフリカ勢を、U―23代表として積んだ経験も駆使して完封する。
アフリカ王者の前に植田が立ちはだかる。初戦から中2日で迎える準々決勝。石井監督は「チーム全員の力で戦う」とメンバーの入れ替えを示唆した。非公開調整では植田が主力組に入ったもよう。その22歳が屈強なアフリカ勢にぶつけたいものは2つある。一つは身体。もう一つは、鬱憤(うっぷん)だ。「たまっている分を出す」と言い切った。
Jリーグの第1ステージ(S)は15試合に出場したが、第2Sは6試合と減少。チャンピオンシップは3試合とも出番がなかった。オフだったチャンピオンシップ決勝第2戦の翌日、夕暮れのグラウンドにはたった一人、植田の姿があった。「(試合に)出ていないので、オフはいらない」。クラブW杯に向け、暗闇を走り、何度もロングボールを蹴った。
アフリカ勢との戦い方は、誰より詳しい。リオ五輪ではナイジェリアと、五輪前には親善試合で南アフリカと対戦した。「局面局面で身体能力が高い。足も伸びてくる」。アフリカ勢のメンタル面も把握している。センターバックでコンビを組む昌子には「(相手は)気性は穏やか。でも、キレさせると何をするか分からない」と助言。ファウルへの注意点も含め、知識を伝授した。
中学生までは無名の存在。高校1年の時、U―17W杯アジア最終予選の3カ月前に初めて代表に招集された。ある時、合宿中に将来の夢とその方法を書く時間があった。だいたいの選手の夢は「海外で活躍する」「U―17W杯で優勝する」。植田は夢の欄に「血を流す」、方法は「びびらない」とだけ書いた。目の前の相手を倒したいという純粋な欲は、今も変わらない。「僕自身、楽しみ」。不敵に静かに、闘志を高めた。