日刊鹿島アントラーズニュース

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2017年4月11日火曜日

◆[プレミアリーグEAST]闘魂の鹿島ユース、粘る市立船橋を振り切り、貴重な勝ち点3(ゲキサカ)




[4.9 高円宮杯プレミアリーグEAST第1節 市立船橋高 1-2 鹿島ユース 味スタ西]

 高円宮杯U-18プレミアリーグEASTは9日、味の素スタジアム西競技場で第1節第2日を実施。その第3試合では昨季3位の市立船橋高(千葉)と一昨年の王者である鹿島アントラーズユース(茨城)が激突し、2点を先行した鹿島ユースが市立船橋の追撃を振り切り、2-1で開幕白星を飾った。

 ウォーミングアップから気合い十分の鹿島は、下位に低迷した昨年からの流れを振り払うように、持ち前のアグレッシブに戦う姿勢を見せる。対する市立船橋はテクニカルな選手がそろうメリットを生かし、しっかりゲームを組み立てながらゴールを狙っていく。熊谷浩二監督が常日ごろから主張してきたように、そこに描かれたのはありがちなユースと高体連の図式ではなく、プレミアリーグらしいボーダーレスなスタイルによる攻防となった。

 立ち上がりに先手を取ったのは鹿島だった。前半7分、MF出津真哉のCKをDF中村勇太が頭で折り返すと、最後はFW金澤蓮がこちらも頭で合わせて先制点を奪い取る。「イチフナさんが相手ですし、点を取るならセットプレーなどで少ないチャンスを決めていくしかないと思っていた」(熊谷監督)という狙いどおりの先制ゴールだった。

 鹿島はさらに後半の立ち上がりにも追加点を奪い取る。出津のFKを市立船橋DFが跳ね返したところをDF白井亮がシュート。これがこぼれたところを、抜け目ないポジションをとっていたMF渡邉伶那斗が流し込んで、2-0と突き放した。オフサイドにも見えたシーンだったが、映像を観るとこれはオンサイド。副審のファインジャッジだった。

 2点のビハインドを負うことになった市立船橋は新10番MF郡司篤也のポジションを前に出しながら反撃の態勢を整えて、猛攻を開始する。後半、鹿島のシュート数はゴールになった立ち上がりの1本のみで、ここからは完全に市立船橋が鹿島を殴り続ける展開。後半38分には郡司の見事なシュートも決まって流れは大きく傾いたかに見えた。

 だが、鹿島の守備陣はこの劣勢に対してハードに対抗。CBの中村と増崎大虎が得意のヘディングで粘りの防戦を見せ、負傷明けで状態が心配されていた元U-16日本代表GK沖悠哉も勇戦。「『どうしても出たい』と言ってきた思いを見せて、やり抜いてくれた」(熊谷監督)と、どこかを痛めているとは思えぬ果敢な守備姿勢で市船攻撃陣と対峙し、味方を鼓舞し続ける。常に謙虚な熊谷監督も「ウチにはそれしかない」と胸を張る長所、つまり団結力と気迫の攻守で市立船橋を上回った鹿島が、2-1のまま逃げ切り、貴重な勝ち点3を開幕戦にて積み上げてみせた。

 敗れた市立船橋・朝岡隆蔵監督は「リーダーが出てきてほしい」と切実な言葉を漏らしつつ、「このままなら監督の自分がキャプテン役をやるしかなくなる」とも言う。同時に自分たちに足りないモノを押し出してくる「アントラーズのようなチームとやれて良かった」とも語った。内容面も踏まえて「そんなに悲観してはいない」と強調した朝岡監督にとっての開幕戦は「勝負強さや逞しさをどうやって付けていくのか」という“上手い”選手の多いチームの課題をあらためて噛みしめる開幕ゲームともなった。

(取材・文 川端暁彦)

http://web.gekisaka.jp/news/detail/?213394-213394-fl

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