いばらの道の先には、夢舞台へと続く道が待っていた。今夏スペイン1部・ヘタフェへ移籍したMF柴崎が、約2年ぶりに代表復帰。W杯出場への命運を左右する2試合で、若き司令塔がカムバックを果たした。
代表への招集は、15年10月の国際親善試合・イラン戦以来。ひのき舞台から遠ざかった約2年の間、環境はめまぐるしく変化した。今年1月に鹿島からスペイン2部・テネリフェへ念願の移籍を果たす。しかし、体重を6キロ減らすなど加入直後から適応に苦しんだ。
「何もやる気が起きなかった時がある」。後に親しい周囲へそう漏らすほど、苦しいスタートだった。それでも持ち前の精神力で乗り越え、昇格プレーオフを経るとチームに欠かせない存在へと変貌。7月には「夢だった」という1部・ヘタフェへ移籍も実現した。
ハリルホジッチ監督は、そんな25歳の成長をしっかり追っていた。「ガクの復帰も喜ばしい。スペインに渡った当初は順応に時間がかかったが、ここ2試合を見て興味深いプレーをしていた。さらに良いプレーができる」と熱弁。プレーだけではない。「素晴らしい性格も持っている」と内面も評価した。
柴崎は国際Aマッチに過去13試合出場しているが、W杯アジア最終予選を戦うのは初めて。そして“欧州組”として日の丸を背負うのも初めてだ。MF清武、MF香川ら司令塔の状態が万全ではない中、W杯への道をつなぐ役目は、スペインで生き抜く若武者に託されるかもしれない。
柴崎、2年ぶり代表復帰!司令塔任せろ 指揮官「喜ばしい」