◆国際親善試合 日本3―3ハイチ(10日・日産スタジアム)
ハリルホジッチ監督が15年3月の就任後最多の3失点を喫した。主将のMF長谷部誠(33)=フランクフルト=が不在のなかDF吉田麻也(29)=サウサンプトン=、GK川島永嗣(34)=メツ=ら守備の要を温存したが、急造DF陣が不安を残した。MF香川が後半ロスタイム2分にゴールを決めて引き分けたことが救いだった。
日本がもろく崩れていった。ハイチは連係がなかったが、「身体能力が高かった」と長友も認めるように速く、強く、高かった。個と個の勝負が結果を分け、3失点を喫した。センターバックの2人は悔しさを押し殺し、言葉を選んだ。
昌子「3失点。良くないと言われるのは当たり前。何を言っても言い訳になるし、何も言えない」
槙野「いいプレーも悪いプレーもあったが、DFとして3失点してしまった。負けに等しい引き分けになった」
前半28分、アンカーの遠藤が相手のドリブルをスライディングでも止められず、最後はペナルティーエリア内にスルーパスを入れられ、ハイチMFラフランスのシュートはGK東口の左脇をすり抜けた。「1失点目が全て。甘さが出た」と国際Aマッチ3試合目の守護神は反省した。
長谷部がコンディション不良で招集外。川島、吉田は温存された。欧州を主戦場にする守備の要がそろって不在。前半は長友が初めて主将を務め、後半は槙野が10年1月6日のアジア杯予選・イエメン戦以来2度目となるキャプテンマークを巻いた。吉田は「(ハイチの)FWの選手はフランスでプレーしており、フィジカル的にも強かった。そういう相手との、体のぶつかり合い、ポジションの取り方を日常的に経験していないと厳しい」と分析した。
ハリル監督は出場機会の少ない選手をテストした。主力の昌子と2試合連続先発の槙野は、初めてセンターバックでコンビを組んだ。遠藤は浦和で最終ラインを任されており、アンカーは経験していない。前線の守備は機能しておらず、選手間の距離は間延びした。組織で守れず、守備陣への負担は大きかった。
来月はブラジル、ベルギーと戦う。昌子は「一番ダメな試合をした。そこから上がっていくしかない」と話し、槙野も「レベルアップが必要と感じた」と続いた。苦い経験を糧にしなければいけない。(羽田 智之)
長谷部、麻也不在で3失点…ハリル政権ワースト記録に槙野「負けに等しい」