鹿島DF昌子、前半22分のプレーを受けて「ペナ内で行けなくなりますよね」と明かす
日本代表は9日、E-1選手権初戦の北朝鮮戦で終了間際にMF井手口陽介(ガンバ大阪)が劇的な決勝ゴールを決めて1-0と辛勝した。終盤まで0-0と苦戦を強いられ、辛うじて勝利した日本について、キャプテンとしてフル出場したDF昌子源(鹿島アントラーズ)は「日本はちょっと馬鹿正直」と言及し、したたかさが不足していると指摘している。
日本は序盤こそボールを保持して主導権を握っていたが、北朝鮮の鋭いカウンターなどを浴びて徐々に勢いを失い、前半途中から何度もピンチを招いた。最初にあわやの場面が生まれたのは前半22分だ。最終ラインを統率した昌子は次のように証言する。
「一番最初、ショウゴくん(谷口彰悟)が相手23番にペナ(ルティーエリア)内で寄せに行って、相手が倒れた。あれで(笛が)吹かれんかったけど、多分そういうのを狙ってるんだろうな。すぐ倒れたし、あれで分かったところがあった」
北朝鮮が後方からロングボールを供給し、それにFWキム・ユソンが抜け出してエリア内で突破。DF谷口が素早く寄せて相手を倒す形となったものの、PKの笛はならなかった。ピンチの芽を摘む好守だったが、昌子は「あれで本当、ペナ内で行けなくなりますよね」と明かす。相手がエリア内でのPK奪取を意図的に狙っている空気を感じ取り、守備は一層の苦戦を強いられることになった。
北朝鮮にあり、日本になかったもの
「あれはショウゴくんやったけど、俺がファーストプレーだったらどうしてたかなとちょっと思った」と振り返る昌子は、北朝鮮の意図的とも言うべきプレーに脅威を感じたという。
「めっちゃ倒れ方が上手いやつがおるかもしれん。そうなったら、同じプレーをショウゴくんがしてもPKになるかもしれん。レフェリーが違ったらPKやったかもしれん」
その後の展開は一進一退の攻防となり、後半アディショナルタイム3分に井手口が代表2ゴール目となる決勝弾を叩き込み、日本が辛うじて勝利を手にした。日本は後半に入ると北朝鮮に攻め込まれる場面も目立ち、攻撃面では最後で崩しのアイデアを欠いた感は否めない。昌子は北朝鮮のような一種の“ずる賢さ”が不足していたと強調する。
「ああいうことを平気でしてくるチームだと思うし、そういうずる賢さですよね。そいういうことを考えると、日本はちょっと馬鹿正直じゃないですけど、そういうシーンはなかった」
苦戦を強いられながら初戦を白星で飾ったハリルジャパンだが、国内組で構成された久造チームだけに、攻守両面で課題を露呈する形となってしまったようだ。
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大木 勇●文 text by Isamu Oki(Football ZONE web編集部)
ゲッティイメージズ●写真 photo by Getty Images
「日本はちょっと馬鹿正直」 日本代表の主将DFが指摘、北朝鮮に苦戦した理由とは?