日刊鹿島アントラーズニュース

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2018年1月1日月曜日

◇“カメレオン”明秀日立、目標の8強へまず1勝…初出場の高知西を寄せ付けず(ゲキサカ)




[12.31 全国高校選手権1回戦 明秀日立3-0高知西 ゼットエー]

 第96回全国高校サッカー選手権1回戦が31日に行われ、ゼットエーオリプリスタジアムの第1試合では2年ぶり2回目の出場となった明秀日立高(茨城)が、初出場の高知西高に3-0で勝利した。1月2日に行う2回戦では、星稜高(石川)と対戦する。

 4バックと3バック。明秀日立はカメレオンのようにシステムを使い分けた。「両方使えるようにしておきたいということです。いろんな形でトレーニングしてきている。今日は両ワイドの選手に対応するために、3人より4人がいいと思いました。どちらかというと、守備のことを考えての起用です」。3発快勝。33歳の青年指揮官、萬場努監督の口も滑らかだった。

 前半から明秀日立が攻め続けた。立ち上がり4分に獲得したFKをMF荒井慧伊大(3年)が直接蹴り込んで先制に成功。ただその後は前半18分のFW作山雅紀(2年)のボレーがクロスバーを直撃、同39分にはCKを頭でつないでDF高嶋修也(2年)が押し込んだヘディングシュートもポストに嫌われる。

 しかし慌てることなくゲームを進めると、守備面ではスタートの4バックから前半15分過ぎに3バックに変更。そして上手くハマらないとみると、4バックに戻すなど柔軟な対応を見せながらゲームを進めた。

 一方の高知西も徐々にボールを回し始めるが、明秀日立の強固なバックラインを崩すことが出来ない。セットプレーなどでゴール前でチャンスを作りかけるが、オフサイドトラップにことごとく引っ掛かり、シュートシーンさえまともに作ることができなかった。

 後半もボールを持ってゲームを進めたのは明秀日立。後半11分のFW二瓶優大(2年)のミドルシュートが枠上に外れて頭を抱える場面はあったが、同13分、左サイドを突破した荒井のクロスを相手選手に当たってこぼれると、MF伊里隼人(3年)が左足で蹴り込み、リードを2点に広げた。

 その後も明秀日立は選手交代を進めながら余裕を持った試合運びをみせる。そして後半34分にはエリア外左でボールを持った途中出場のFW橋本光希(3年)が右足を一閃。一直線に放たれたボールはゴール右隅に突き刺さった。

「ベスト8に入ろうという目標がある。明後日、明々後日と連戦をする準備もしてきた。いつか日本一になりたい。ベスト8に安定してなっているチームは入れている。そのためにはチームでまずはベスト8に入ることが目標かなと思っています」(萬場監督)

 連戦を考えれば、交代枠を使い切って勝てたことも大きい。交代枠を使い切る戦い方については「いつものこと」と話した萬場監督も、交代選手が得点してくれたことに手ごたえを持っている様子だ。途中出場でゴールを奪った橋本も「シュート練習はずっとやってきた。自信になります」と笑顔で話した。

 一方の高知西の寺尾拓監督は「一番失点してはいけない時間帯で失点してしまった。あれがすべて」と警戒していたセットプレー、そして前半4分という時間帯での“ダブルパンチ”を悔やむ。

 高知西は来年度からは中高一貫の中学校が新設され、来年度入学の中学1年生が高校3年生になる6年後には「高知国際高」に校名が変更となることが決まっている。

 県内有数の進学校のサッカー部を率いる坂本監督は「(初出場の)時期が良かった。OBからも多くのメッセージをもらったが、勇気を与えられたんじゃないか」と語ると、「例えば我々のリストには野球部出身の子がいる。たくさん差はあったと思うけど、何かを起こせるスポーツがサッカーだと思っているので、これからもそれを追及していきたい」と歴史的一歩を踏み出せた経験を前向きに捉えた。

(写真協力『高校サッカー年鑑』)

(取材・文 児玉幸洋)

“カメレオン”明秀日立、目標の8強へまず1勝…初出場の高知西を寄せ付けず

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