スペイン1部ヘタフェのMF柴崎岳(25)がスポーツ報知の単独インタビューに応じ、念願のスペイン移籍を果たした1年を振り返った。鹿島からスペイン2部テネリフェへの移籍直後は体調を崩した。今夏のヘタフェ移籍後にも左足骨折で離脱したが、成長できる環境だと確認。「来て良かった」と断言するとともに、ロシアW杯が開かれる2018年の飛躍を誓った。(取材・豊福 晋)
―スペインに移籍して1年が経過した。強く印象に残っていることは。
「(16年12月のクラブW杯決勝で)Rマドリードを相手に点を取ったのは、見ている方の印象には残っていると思うけど、自分としては本当にまだ階段を上っている途中なので(達成というような)感覚はないですね」
―達成感は感じていないと。
「区切りがついたという感覚もないし、ずっと続いている。まだまだという感覚。むしろこの感覚を求めて海外に来た。プロ1年目みたいな感じです。自分が成長できる感覚を得られた1年目だった。この感覚を求めて移籍したし、スペインに来て良かったです」
―9月のバルセロナ戦で左中足骨を骨折し、2か月半超の離脱を経て復帰した。足の状態は?
「少しうずく時もあるけど、大きな問題はない。順調に回復できたなと。あとはフィジカル的なところだけかな。(スペインでも)ボールを持てばやれるという自信も持てている。そこだけ取り戻せば、先発でも出られると思う」
―復帰戦となったエイバル戦以降は3試合連続で途中からピッチに立った。
「自分の技術やサッカー、持っているプレーが通じるのは分かっている。あとはフィジカル的な部分をどうやってのばしていくか、取り戻していくか。そんなに慌ててもいない。今はチームも調子がいい。監督も先発(メンバー)はあまり崩したくないだろうし、途中出場というのも分かる。復帰したばかりだから、少しずつ出場時間をのばしながらコンディションを上げさせたい、という監督の考えも見えるので」
―シーズン後半戦に向けての目標は。
「この冬のオフにコンディションを落とさないでトレーニングしながら、いろんな整理をつけて年明けのアトレチコ(Aマドリード)戦に挑みたい。ヘタフェはとりあえず残留が目標のチームだから、まずは勝ち点40を目指す。そうすれば、ほぼ残留は決まるかなと」
―2018年をどんな年にしたいか。
「基本的にはこの流れでいきたい。結果も出しながら、いろんな意味でリーガに慣れる。一年一年向上するために。一番吸収するものが多いシーズンじゃないかなと思っている」
―将来的な目標は。
「年明けからまた気持ちを新たにしてやっていきたい。ヘタフェを降格させたくないし、クラブの目標もしっかり達成して、自分もさらにステップアップできるように2018年、19年と、またその先を見据えていきたいと思います」
◆柴崎 岳(しばさき・がく)1992年5月28日、青森・野辺地町生まれ。25歳。野辺地小2年でサッカーを始め、2011年に青森山田高から鹿島入り。12年にJリーグベストヤングプレーヤー賞を受賞し、日本代表にも初選出された。展開力と攻撃参加に秀でたボランチ。17年1月にスペイン2部テネリフェへ移籍し、同7月から同1部ヘタフェでプレー。国際Aマッチ通算14試合3得点。J1通算172試合17得点。175センチ、64キロ。
ヘタフェ移籍1年、柴崎岳「来てよかった。成長できる感覚得られた」…単独インタビュー