[3.27 キリンチャレンジ杯 日本1-2ウクライナ リエージュ]
右内転筋痛の影響で出番のなかった日本代表FW大迫勇也(ケルン)がベンチから試合を見て抱いたのは「危機感」だった。「危機感はもちろんある。このままじゃダメというのはみんなが思っている。ただ、それを外に向けるのではなく、まずは自分たちに向けるべき」。厳しい表情できっぱりと言った。
ハリルホジッチ監督の要求にとらわれすぎて、指示に従うプレーに終始する選手がいたこともズバリと指摘した。「見ていてもやっていても感じるけど、言われたことだけをやっている選手もいる。選手はもっと責任感のあるプレーをしないといけないとまず第一に思うし、もっと日本代表が強くなるためにプレーするべき。もっともっと自分を出して良いと思う」。話すにつれて言葉に熱が帯びてくる。それほど焦燥感は強い。
「今後はまず所属チームで結果を残すことと、良いコンディションでゲームに臨むことを考えるだけです。選手一人ひとりがやるべきことは限られますけど、次に集まったときに団結して、しっかりと良い結果を出せるように、各々が考えて頑張るだけ」。14年ブラジルW杯は初戦のコートジボワール戦と第2戦のギリシャ戦に先発したが、個としてもチームとしても良さを出すことなく大会を去ることになった。今度こそ力を出し切りたい。強い思いを胸に、残りの日々を過ごしていく覚悟だ。
(取材・文 矢内由美子)
「見ていてもやっていても感じるけど…」大迫がベンチで抱いた危機感