J1の「一寸先は闇」にどう立ち向かうか?先読みの難しさもある、と話す足立修強化部長(トップ画像)
Jリーグはワールドカップ開催年に当たるため変則日程を組んでいる。サンフレッチェ広島は、4月4日のYBCルヴァン・カップ、浦和レッズ戦(エディオンスタジアム広島)を皮切りに5月の中断期間までに中2、3日での14連戦に突入する。
開幕から5戦を終えたJ1リーグ戦では川崎フロンターレ、鹿島アントラーズ、セレッソ大阪、柏レイソルの昨季4強がいずれも1敗ずつ。地力のあるところを見せている。
一方で、監督解任劇のあった浦和レッズ、昨季10位のガンバ大阪は未だ勝利に手が届いていない。
逆に昨季、開幕から△●●●●だったサンフレッチェ広島は一転、城福監督の下で〇〇〇△〇と快進撃。J1単独首位に立っている。さらには昨季14位の清水エスパルスも、ヤン・ヨンソン監督の下で開幕ダッシュに成功して4位につけている。
ここまでのJ1リーグ戦のこうした流れはこの先どうなっていくのか?そこで、4月4日の浦和レッズ戦に備える前日練習の現場で、サンフレッチェ広島の足立修強化部長にここまでの戦いぶりとこの先の見通しについて聞いた。
-開幕スタートダッシュに成功しました。4月、5月は連戦となります。
足立 雰囲気はいいので、相手を見ながらやることを変えず、いかに続けていけるか?今はディフェンスがリズムを作っています。どんな相手でも守り切れる、走り切れるメンバーで、その日のコンディションを見ながら、毎試合ベストメンバーで臨むことが大事になるでしょう。
でも14連戦って、こんなのなかなかないですからねぇ、これはもうね…。(…とJリーグの方針に何か言いたそうだった?)ただ、この連戦で、メンバーが偏ることなく、キャンプからやってきたことをやっていくだけですね。
同じ意識、同じベクトルでリーグもルヴァンも同じ絵を描けている。ここがうちの強みではないでしょうか。選手層の厚さで言えばたぶんリーグの中でもトップクラス、選手間の力が拮抗しているところは他のチームより上だと思っています。ここからはほんと総力戦ですね。全員でひとつになってやっていく。
-足立強化部長は城福浩監督就任に当たり、「ゼロからのスタート」を強く言われていました。ここまでの印象などはどうですか?
足立 僕らは去年15位。チャレンジャーというところもあるし、受けることなくどんな相手にもチャレンジしていく。そこはまだまだ必要です。ゼロから気持ちも新たに今シーズンに臨んでいます。…ただ、この先がどうなるかは分かりませんしね。
5試合終わってこの成績でもこの14連戦が終わってまったく違うことも起こりうるし、もしかすれば上と下がはっきり分かれてしまうかもしれません。だから、ここからもブレずに勝ち点をひとつずつ積み上げることです。
-Jリーグの「下克上」についても足立強化部長は常々、言っておられます。
足立 やはり上位チームにはACLを戦いながら、という難しさもありますし、改めて力の差がないなと感じています。J2でもそう。去年のJ1チームが苦戦(5節終了時点で昨季J1で16位の甲府がJ2で13位、17位の新潟が8位、18位の大宮が17位)してます。今のJリーグは、一寸先は闇。
我々が言える立場ではありませんが、ガンバさん、浦和さん…。やはり”勤続疲労”があると思います。ガンバさん、浦和さんは選手はいますからね。我々の去年を見ているようで、他人事には思えない。明日の浦和戦でも相手がどんな思いで広島に来られるか、が見えますから。
連戦では流れを変えるのは難しい。逆にワールドカップ期間中すごく空いてしまえばそこで流れが切れます。だからワールドカップまでの前半戦で、さっきも言いましたがひとつでも勝ち点を積み上げたい。後半は別ものです。
もちろん大事なのは目の前の試合をひとつずつクリアしていくこと、今に満足したら終わり。常に先の先を読み、覚悟してやっていく…。でも、そこが難しいんです。一番難しいリーグ。こんなに力が拮抗しているリーグはなかなかないでしょう。油断、というのとも違いますが、我々がどう戦っていくかを、自負心を持って1試合1試合戦っていくしなかいのではないか、と思いますね。
ただ、やはり去年(J1にギリギリで)残ったことはプラスに作用していると思います。大きな財産ですから。もう二の舞はごめんだと、それだけで必死になって、ある意味今年のJ1チームの中で一番勝ちに飢えているのがうちだと思います。去年の分も取り戻すんだと、そういう意識で連戦に臨むことになりますね。
浦和は監督解任、ガンバも5戦未勝利、「一寸先は闇」のJ1で首位を行くサンフレッチェ広島の足立修強化部長が見るJ1・14連戦前の風景