◆アジア・チャンピオンズリーグ第5節 ▽1次リーグG組 C大阪2―1済州(3日・長居陸上競技場)
【上海(中国)3日=岡島智哉】 鹿島が日本勢1番乗りとなる決勝トーナメント進出を決めた。上海申花に2―2で引き分けて勝ち点を9に伸ばし、H組2位以内を確保。相手のコロンビア代表MFジョバンニ・モレノのPKなどで前半に2点を失ったが、後半にFW鈴木優磨、MFレアンドロのゴールで追いつく粘りをみせた。
予定の4分を超え、6分目に差し掛かった後半ロスタイム。相手GKもゴール前に上がった2度のCKを守り切り、主審の笛がようやく鳴った。大岩剛監督(45)は拳を握り、スタッフ陣と熱い抱擁。敵地で1次リーグ突破を決めた指揮官は「選手には感謝と最大限の評価をしたい」とホッと息をついた。
前半は相手のコロンビア代表モレノに大苦戦。ホームで行われた第1節(2月14日、1△1)に続き先制点を奪われた。代表ではMFハメス・ロドリゲス(バイエルン)の控えだが、この1年間で代表9試合に出場した192センチのテクニシャン。日本代表DF昌子、MF三竿健と守備の主力2人を欠く中で自在に動き回られた。
敵地で2失点し、惨敗も覚悟するほどの内容だったハーフタイム。大岩監督が「後半は相手の両サイドの強度が落ちる」と鼓舞。試合前のミーティングでMF小笠原が話した「うちのチームにヒーローはいらない」の言葉通り、後半には鋭い寄せと連動した守備で決定的な仕事をさせなかった。チーム全員で戦う姿勢が、FW鈴木、MFレアンドロの今季初得点2発を呼び込んだ。
植田は「時間をかけて味方の戻りを待つことで、後半にうまく修正できた。今日の一番の目的は突破を決めること。良かったです」と胸をなで下ろした。窮地で力を発揮する持ち味を取り戻した鹿島が悲願のACL制覇に向け、一歩前進した。(岡島 智哉)
【鹿島】2年連続で決勝トーナメント日本勢一番乗り 大岩監督「選手に感謝」