
日刊鹿島アントラーズニュース
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2018年5月19日土曜日
◆西野ジャパンはなぜボランチを7人も招集したのか。見えてきたW杯戦術とは(THE PAGE)

ワールドカップ・ロシア大会の壮行試合となる、30日のガーナ代表戦(日産スタジアム)に臨む日本代表メンバー27人が18日、日本サッカー協会(JFA)から発表された。都内のホテルでJFAの田嶋幸三会長、技術委員会の関塚隆委員長とともに西野朗新監督が会見に臨んだ。
14日に国際サッカー連盟(FIFA)へ提出された、35人のワールドカップ予備登録メンバーから絞り込まれたもので、ヴァイッド・ハリルホジッチ前監督の電撃解任を受けて、4月に就任した西野新監督のもとで選ばれた初めてのメンバーとなる。
今後はガーナ戦から一夜明けた31日に、ロシア大会に臨む23人の最終代表メンバーが発表されるが、原則として、今回の27人がベースとされる。
27人の顔ぶれを見ると初招集はゼロ。ハリルジャパンで出場機会を大きく減少させていたMF本田圭佑(パチューカ)、FW岡崎慎司(レスター・シティ)、MF香川真司(ボルシア・ドルトムント)がそろって名前を連ねたなかで、サプライズとなったのがMF青山敏弘(サンフレッチェ広島)の復帰だ。
前回のブラジル大会でもプレーしている32歳のベテランは、ハリルホジッチ前監督が初采配をふるった2015年3月以来、実に約3年2ヵ月ぶりの選出となる。その理由を問われた指揮官は、J1の首位を独走するサンフレッチェの原動力となっている点をあげた。
「いまのチーム事情を彼が作っている、と言っても言い過ぎではないと思います。少し(代表から)遠ざかっていますけど、過去の実績と経験値、プラスして現状のトップパフォーマンスを評価しました。できることなら、最終的に代表チームにも力を貸してほしいと思っています」
ロシア行きへ“当確”が灯った感もある青山はサンフレッチェのボランチとして、群を抜く運動量の多さで中盤を支配しながら攻撃陣へ的確なパスを供給している。一方で、招集されたメンバーの顔ぶれを見れば、ボランチでプレーできる選手が青山を含めて7人を数える。
引き続きキャプテンを務めることが確実な長谷部誠(アイントラハト・フランクフルト)を筆頭に山口蛍(セレッソ大阪)、柴崎岳(ヘタフェ)、大島僚太(川崎フロンターレ)、三竿健斗(鹿島アントラーズ)、井手口陽介(クルトゥラル・レオネサ)に加えて、DFで招集された遠藤航も浦和レッズやリオデジャネイロ五輪ではボランチとしてプレーしている。
ひとつのポジション2人が招集の基本だったハリルジャパン時代からの大きな違いだが、この変化は何を意味するのか。そして、この27人の顔ぶれから見えてくる西野ジャパンの戦術とは何か?
おそらく西野監督はロシア大会用の対策として3バックの導入を視野に入れている。
その場合はフランクフルトで3バックの中央としてプレーし、来シーズンから強豪バイエルン・ミュンヘンを率いることが決まっているニコ・コヴァチ監督から、高い評価を得ている長谷部がポジションを一列下げることになる。ゆえにボランチが多めに招集されたわけだ。
ロシア大会のグループリーグで日本が対戦するコロンビア代表はラダメル・ファルカオ(モナコ)と前回大会得点王のハメス・ロドリゲス(バイエルン)、セネガル代表はサディオ・マネ(リヴァプール)、そしてポーランド代表はロベルト・レヴァンドフスキ(バイエルン)と、いずれもワールドクラスのアタッカーを擁している。
彼らに4バックで対峙すれば、特に2人のセンターバックは相当のストレスを溜め込みながらのプレーを強いられる。一瞬の隙やわずかなミスが失点につながりかねないが、長谷部をカバーリング役にすえた3バックにすれば、吉田麻也(サウサンプトン)や槙野智章(レッズ)らが対人守備の強さを存分に発揮できる好循環が生まれる。
GK以外のポジション表記を外してほしいと、会見の席上でJFA広報に要望した西野監督は、多様性を意味する「ポリバレント」という言葉を何度も用いている。
「ポリバレントな能力を持った選手たちが、このリストの中にもいると思っています。固定したシステムやポジションだけではなく、そういう(ポリバレントな)戦い方、戦術的な柔軟性も出してほしい。選手たちにも、たくさんのオプションを考えて伝えていきたい」
長谷部がボランチだけでなくセンターバックでもプレーするならば、ポジション表記にこだわる必要はない。ただ、3バックを採用しているJクラブの多くが、相手ボールになれば左右のアウトサイドも下げた5バックで対峙している。
青山がプレーするサンフレッチェは森保一監督(現U-21日本代表監督、日本代表コーチ)に率いられた2012、2013、2015シーズンに、守備時には「5‐4‐1」に早変わりして自陣にブロックを構築する「可変システム」でJ1を制覇した。
しかし、同じ戦い方をロシア大会で講じれば相手の猛攻にさらされ、守備網はおのずと破綻する。防戦一方の状況を回避するには、3バックで守りながらも前線からプレスをかける必要がある。そのためには1トップではなく、2トップが理想的な形となる。
シーズンの終盤をけがで欠場した香川と岡崎に関して、西野監督は対照的な言葉を残している。
ブンデスリーガの最終節で約3ヵ月ぶりに復帰した香川には「デリケートに考えなければいけない」と触れながら、岡崎には全幅の信頼を込めてこう語った。
「運動量が多いだけではなく、2つ先、3つ先のプレーに対する貢献度と献身度は絶対にチームに欠かせないと思っていました。1カ月の猶予があれば、間違いなく良い状態に持っていける。そうした想像力を働かせたうえで、選出しました」
指揮官の脳裏には岡崎とブレーメンへの移籍が決まった大迫勇也の2トップで、守勢を攻勢に転じさせる一の矢となる前線からのプレスをかける青写真が描かれているはずだ。執拗に何度でもボールを追える岡崎には、まさにうってつけのタスクとなる。
ならば、3バックと2トップにした際の中盤をどのような形にすればいいのか。2ボランチにトップ下か、あるいはアンカーの前に2人のインサイドハーフを配置するのか。対戦相手の特徴も踏まえながら、青山を加えて厚みを増したボランチ勢のなかからベストの組み合わせの答えを、21日から関東近郊で始まる合宿で模索していくことになる。
(文責・藤江直人/スポーツライター)
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西野ジャパンはなぜボランチを7人も招集したのか。見えてきたW杯戦術とは
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