日刊鹿島アントラーズニュース

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2018年8月7日火曜日

◆鳥栖から移籍のチョン・スンヒョン、“カシマ”デビューで劇的決勝弾をアシスト(サンスポ)



チョン・スンヒョン JUNG Seung-Hyun

 ■「フットボールに不可能はない」。ジーコTDの鼓舞

 鹿島アントラーズは5日、明治安田生命J1リーグ第20節で清水エスパルスと対戦。4日前のホームFC東京戦では1-2と悔しい逆転負けを喫した鹿島にとって、絶対に負けられないホーム2連戦の最終日となったが、粘り強い守備から終了直前、セットプレーから西大伍がゴールを決め、1-0と勝利を収めた。

 この3試合ぶりの勝ち点3で鹿島はリーグ6位へ浮上。またJ1での清水戦は通算56試合目で、25勝目(7分24敗)となった。1993年のJリーグ開幕以来、初めて「オリジナル10」のライバル清水に通算成績で勝ち越し。一方、清水はこの敗戦で連勝は3でストップし、2014年以来となるJ1リーグ4連勝には届かなかった。また順位も10位に下げた。

 「このユニフォームに袖を通す誇り。それは日々の努力から自分のものになる」

 3日夜、来日したジーコテクニカルディレクターは試合前日となる4日、練習前の選手たちにそう語りかけた。昨シーズン、最後の最後で逃したリーグタイトルの奪還、悲願のACL制覇、そしてルヴァンカップに天皇杯。「全冠制覇」を掲げて臨んだ今季、鹿島はACLではベスト8に残り、望みをつないでいるものの、リーグでは低迷が続く。

 さらには中断期間を経て守備の要である植田直通がベルギー、そしてエース金崎夢生が鳥栖へ完全移籍と主力の流出が続いた。それでも、ジーコは「フットボールに不可能はない」とリーグでの浮上へ向けて、選手たちへ檄を飛ばした。

 ■守護神クォン・スンテ、試合直前に負傷

 4日前、FC東京に不甲斐ない逆転負けを喫したカシマスタジアムには1万9,000人を超える鹿島サポーターが詰めかけた。




 「連敗は許されない」

 御大ジーコの前、そして4日前の落胆を乗り越え、再びともに戦うためにカシマに集ったサポーターの前で、ベルギーへ旅立った植田の”代役”として鳥栖から加入したチョン・スンヒョンが鹿島でのデビューを飾る。コンビを組む犬飼智也とも「いいコミュニケーションが取れている」という24歳の若き韓国人DFは、「兄のような存在」と慕う守護神クォン・スンテと3人で鹿島ゴールを死守すべく、カシマのピッチで一歩目を踏み出した。

 しかしアクシデントは突然起きた。試合前のウォーミングアップ中、スンテが負傷。この緊急事態に曽ケ端準が急きょ先発メンバーに入った。同じ韓国人のスンテから曽ケ端に代わったことで、コンビネーションが不安視されたスンヒョンだったが「ソガさんが常にマークの確認をしてくれた」と振り返ったように、やはり39歳の大ベテランは頼りになる存在だった。

 試合は互いに決定機を決め切れず、スコアレスドローが濃厚となる。しかし試合終了直前の後半アディショナルタイムに、鹿島は永木亮太の蹴ったFKをゴール前に詰めたスンヒョンが頭で落とし、これを西がボレーで清水ゴールへ蹴り込む。劇的な決勝弾で鹿島は3試合ぶりとなる勝ち点3を手にした。

 「必ず得点ができると信じていた。自分で点を取るというより、周りに点を取らせることを意識していました。それが本当にできて、良かったです」

 試合後、デビューマッチを勝利で飾った安堵から穏やかな笑顔を浮かべるスンヒョン。「サポーターの皆さんがずっと後押ししてくれて、すごく幸せでした。ソガさん(曽ケ端)、わんちゃん(犬飼)をはじめ、周りも助けてくれて、何とかやれました」と自らの活躍より周囲への感謝を真っ先に述べた。

 「ここからはもう勝利しかない。最後の最後まであきらめることなく戦う。それが鹿島であり、自分のスタイルです」。新たな”背番号5”とともに、鹿島は「復権」を目指す。

 また試合後、一瞬笑みを見せたジーコTDだが、すぐさま厳しい表情を浮かべ、そのままロッカールームへ向かった。

 決して内容は良いものではなった。しかしこの勝ち点3は今後の戦いへ向けて大きな意味を持つだろう。次は、11日のアウェイ名古屋戦。クラブの真価はここから問われる。


★鳥栖から移籍のチョン・スンヒョン、“カシマ”デビューで劇的決勝弾をアシスト(サンスポ)



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