
「久しぶりの試合。ずっとベンチで見てて、出たい欲は強くなっていた。その思いをプレイに表したい」
もし出場するとなれば、8月1日のFC東京戦以来となる。同じCBに韓国代表のチョン スンヒョンが加入してから、しばらく遠ざかっていたピッチでの戦いに町田浩樹は武者震いを抑えられなかった。
対戦相手の川崎フロンターレは昨年5月、右膝前十字靭帯損傷という大怪我を負った時の相手でもある。 鹿島にとっては0-3、1-3、1-4と完敗が続く相手だが、その5月の対戦では町田が下がるまでの40分間、相手を無失点に抑えることができていた。「40分しか出てないですけどそんなに悪いイメージはない」と、手応えも残っている。
とはいえ、簡単な試合にならないことは百も承知だ。
「中盤の選手がボールを持ったときの前の選手の動き出しはレベルが高い。頭を集中し続けることが重要になる」
体を動かすだけでなく、頭も働かせなければ相手の攻撃を封じることができないことを、町田は思い起こしていた。
AFCチャンピオンズリーグ天津権健戦では、2-0の完勝を収めたが、前節のリーグ戦では広島に1-3の完敗。首位のチームに手も足も出なかった。勝ったり負けたりが続いては、なかなかチームの勢いは上向かない。
そのなかで町田は自分が果たせる役割を認識していた。
「広島戦はああいう形で負けてしまった。敗戦の後の試合は重要になる。若い選手がもっと勢いを与えられることが大事。勝って勢いをつけたい」
ベテランにはベテランの、若手には若手の役割がある。そして、ベテランにしかできないことがあるように、若手にしかできないこともある。町田にかかる期待は小さくない。
文:田中滋(鹿島担当)
JリーグYBCルヴァンカップ 準々決勝 第1戦
9月5日(水)19:00KO カシマ
鹿島アントラーズ vs 川崎フロンターレ
◆【鹿島 vs 川崎F】 ウォーミングアップコラム:右膝前十字靭帯損傷を乗り越えて。町田浩樹にかかる大きな期待(J's GOAL)