月刊サッカーマガジン 2020年 05月号 [雑誌]
3月21日、新型コロナウイルスの影響でJリーグが中断している中、鹿島アントラーズは北海道コンサドーレ札幌と無観客でトレーニングマッチを行なった。主力組による1、2本目に出場したDF町田浩樹は試合後、無観客試合に対する率直な感想を口にした。
■2020年3月21日 トレーニングマッチ(45分×2本) @カシマスタジアム
鹿島 2-4 札幌
得点:(鹿)町田浩樹、ファン・アラーノ
(札)鈴木武蔵2、ジェイ2
五輪は上の判断に任せる
センターバックとして90分間出場した町田は、2本目にCKからヘディングで1得点を記録。「(ファン・アラーノが)良いボールを上げてくれたので、コースに決めるだけでした」と得点場面を振り返った。
自身が出場した1、2本目については「後半(2本目)に運動量が落ちて、セットしてからの守備がうまくいかなかった。その中でサイドを使われて、クロスから失点してしまったので、スライドや連動の部分は上げていかないといけない」と課題を挙げる一方で、「自陣からのビルドアップは、自分たちが意図した形で前に運ぶことができた。前からのプレッシングもうまくいっている場面も多かった」と手応えも口にした。
鹿島は今季から元ブラジル代表のザーゴ新監督が就任し、攻撃的なサッカーに取り組んでいる。リーグ中断前は、ACLプレーオフ、ルヴァンカップ、J1リーグと公式戦3連敗を喫したが、町田は「監督が来てまだ2、3カ月。監督が目指しているサッカーの精度を上げていくことを練習でやっていくしかない」と前を向く。
世界中で新型コロナウイルスの感染が広がる中、いま日本国内で大きな関心事となっているのが、東京五輪が予定どおりに開催されるのかどうか。U-23日本代表の常連である町田は、次のように語った。
「僕がどうにかできる状況ではないので、決定に従うしかないと思っています。ただ、やる方向で心の準備、体の準備をしています。できればそのままやってほしいですけど、そこは自分でどうにかできることではないので、上の方の判断に任せたいと思います」
また、Jリーグもいつ再開するか分からない状況が続いている。現在は4月3日のリーグ再開を目指しているが先行きは不透明で、今後の状況次第では無観客での公式戦実施も想定される。
「サポーターがいないのは、少なからずやりづらさがありますし、選手としてはもちろん、たくさんのお客さんの前でプレーしたいという気持ちはあります。でも、もしもそういう決定がなされたとしたら、その中でやるしかないですし、どんな状況でも勝つためにやらなければいけないので、そういうことにメンタルが左右されないようにやりたいと思います」
なお、この日の札幌戦も無観客で行なわれたが、DAZNによるインターネット生配信が実施され、「見ている人がいるだけで自分たちのモチベーションになる」と町田。だが、「やっぱりサポーターがいない寂しさはあります」と本音も口にした。
取材◎多賀祐輔