ジュニアのためのスポーツ食事学 みんなで一緒に強くなろう [ 柴田麗 ]
Jリーグは4月3日に再開を目指している。ゲキサカではプロ入り1、2年目選手の高校時代を知る後輩たち(現役高校生プレーヤー)に対して、プロでの活躍が期待されているヤングプレーヤーの高校時代についてインタビュー。彼らのピッチ内、ピッチ外で“ハンパなかった”一面や意外な一面とは?
今回は尚志高(福島)から鹿島アントラーズへ加入したFW染野唯月だ。染野は2年時の全国高校選手権で大ブレイク。青森山田高(青森)との準決勝でハットトリックを達成するなど大会得点王に輝いた。そして、3年時には日本高校選抜、U-18日本代表として国際大会を経験。“高校ナンバー1ストライカー”は争奪戦の末、鹿島からのプロ入りを決めている。
高校3年時秋に負った怪我からの復活と、ゴール連発を期待される染野の高校時代について、尚志の新チームリーダーの一人であるDF鷹取聖(2年)と“染野の後継者”と目されているFW阿部要門(2年、山形加入内定)が教えてくれた。
―染野選手が「半端ない」と思ったところは?
鷹取:「(自分は)CBだったので対峙していたんですけれども、自分の中で打たせても良い距離、角度とかあって、この距離だったらファー消しとけば打たせても、ニアだったりGKで大丈夫というものがありました。でも、唯月君にはそれが通用しなくて、打たせたつもりだったのに、ファー消していたのに、ファーに決められちゃったり、右足でも左足でもシュートレンジが広いし、どこからでも決められて本当に今までやったFWで一番イヤでした」
阿部:「一緒にプレーさせてもらって、プレミアの開幕戦(対柏U-18、3-0で勝利)のハットトリックが自分の中で一番印象的でした。FWの凄い人って一つの武器が凄いとかあると思うんですけれども、唯月君はFKとヘディングとドリブルからのシュートというFWに必要な三要素を全部持っていて、それも1チャンスでしっかり決めてくるというのは本当に凄い。ヘディングだったらジャンプ力がまず凄くて、1回CKの練習で唯月君のマークに入ったんですけれども、あんまり(当たりは)強くないのかなと思って行ったら本当に腕の力が強くて、腕で掴まれただけで自分は何もできなくなってしまった。それくらい凄かったです」
―彼の活躍をどう見ていた?
鷹取:「(18年度全国高校選手権準決勝の)青森山田との試合のハットトリック。唯月君は凄いと思っていたんですけれども、それまであまり(全国大会の)試合を見る機会もなかったので全国的にどのくらい凄いのか分かりませんでした。それで全国大会の青森山田戦であのプレーを見て、やっぱり凄いなと。去年、自分はトップチームにあまり関われていなくてセカンドチームだったんですけれども、選手権の県大会の決勝で決めて全国に連れて行ってくれたり、インターハイの決勝も唯月君のゴールで全国に連れて行ってもらって、やっぱり勝負強いというか、ストライカーだなと思っていました」
阿部:「横でプレーすることが多かったんですけれども、何でも一人でやってくれる印象があって、プレミアリーグ後期の(青森)山田戦(3-2で勝利)も相手の2、3人に囲まれても一人でプレーしたりしてくれたからあの試合は勝てたと思うし、インターハイも選手権もあの人のゴールで全国に出れたので、そう言った面でもプロで活躍できると思っています」
―ピッチ外はどうだった?
鷹取:「試合中は喝を入れられることもあるんですけれども、ピッチ外では歌を歌っていたり、みんなでフザケていて。サッカーとサッカー外を分けていると言っていたんですけれども、その通りだと思います」
―何かエピソードはある?
鷹取:「いつも歌っているというのが印象的で、back number(バックナンバー)の『HAPPY BIRTHDAY』とかいつも歌っていて、(寮の)お風呂とかからも聞こえてきて、『あ、唯月君歌ってんな』とか」
阿部:「階段とかでね。菅田将暉とか」
鷹取:「帰って来ているんだ、と歌声で分かったりしていました」
―他には?
阿部:「やっぱり、歌っているという印象が強いですね」
―今年、染野選手の代の成績(インターハイ4強など)を超えて行く。
鷹取:「去年は唯月君がいて、今年もFWに(阿部)要門がいるので、心配はないです。去年のチームは唯月君無しでも全国で戦っていたんですけれども、今年のチームは全員で勝つという、全員の一体感や全員で勝つことを目標にやっていきたいです。去年(の選手権)は2回戦敗退で終わってしまった。尚志高校はまだ全国制覇がないので、自分たちの代で絶対に成し遂げられるように練習していきたいです」
阿部:「自分と唯月君はプレースタイルが似ている訳じゃないので、違った形でチームを助けたい。全員でチーム一体となってトータルで勝つという目標を持って、全国制覇したいです」
―染野選手へのエールを。
鷹取:「尚志高校初のJ1に入った選手なので、唯月君ならば怪我が治れば活躍できると思うので、バンバン点を取ってもらって、自分たちのモチベーションにしたいので頑張ってほしいです」
阿部:「鹿島という日本でも屈指のJクラブなので、そこで唯月君の目標としている大迫勇也選手を超えれるように頑張って欲しいです。(山形加入が内定した自分も)頑張って代表とかにも選ばれるような選手になって、いつかまた2トップを組めるように頑張ります」
◆尚志高の後輩が明かす、鹿島FW染野唯月の高校時代と“ハンパない”一面(ゲキサカ)