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鹿島アントラーズのルーキーFW染野唯月(いつき=18)が、同世代での違いを見せつけた。U-19日本代表候補合宿(11日から、千葉)で最終日の15日、紅白戦でゴールを決めるなど、全ての攻撃の起点として異彩を放った。大きな期待を背負う18歳は、鹿島での先発定着を目標に掲げ、最下位と苦戦するチームの救世主に名乗りをあげた。
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リーグ戦でのうっぷんを晴らすかのように、染野が暴れ回った。30分×2本の紅白戦で2トップの一角に入ると、町田FW晴山のトリッキーなクロスを中央で合わせてゴールを決めた。「良さを出しながら、違いを生み出さなきゃいけないと思っていた。いい部分が出せたと思う」。充実ぶりを表情ににじませた。
福島・尚志高2年時に全国高校選手権で得点王に輝いた18歳は、鳴り物入りで今季鹿島に加入した。腰椎分離症のリハビリに励んでいたがJリーグ中断期間に復帰。鹿島での初実戦となった3月21日の練習試合ではいきなり得点を決めた。再開後の4日の川崎F戦ではプロデビュー。わずか18分の出場ながらバー直撃のシュートを放ち、誰よりも得点の予感を漂わせた。だが、その後の札幌戦、浦和戦では先発に抜てきされながらも、持ち味を発揮できず、チームはクラブワーストの開幕4連敗を喫した。
この日は、くすぶっていたのがうそのように躍動した。中盤に下りてパスを引き出したかと思えば、味方とテンポよくパスをつないでゴールに迫り、攻撃の起点となった。昨年11月のAFC U-19選手権予選以来、約8カ月ぶりの招集となったが、ブランクを感じさせないハマり具合でポテンシャルを見せつけた。「久々に代表に選ばれて、格の違いを見せたかった。Jリーグでもなかなか点が入らない中で、欲しかったのが得点だった。点を決められて良い方向に向いたと思う」と自信を持ち帰った。
10月にはAFC U-19選手権(ウズベキスタン)が予定される。「代表でも(特徴を)出せて、自分もできるという確信になった。鹿島はもっとレベルが高いと思うので、状況判断を早くして、これからも鹿島で出続けられるようなプレーをしたい」。まずは今季全敗と苦しむチームを救い、定位置をつかみ取る。【杉山理紗】
◆染野唯月(そめの・いつき)2001年(平13)9月12日、茨城県生まれ。鹿島つくばジュニアユースから尚志。中学時代はボランチ。18年度の全国高校サッカー選手権では2年生ながら得点王となり、チームを3位に導いた。179センチ、67キロ。血液型B。
◆U-19日本代表の今後 コロナ禍で不確定な面もあるが、10月にウズベキスタンで開催されるAFC U-19選手権に出場予定。1次リーグでは韓国、イラク、バーレーンと対戦する。この大会で4位以内に入ると、21年のU-20W杯インドネシア大会への出場権が得られる。その後は24年のパリ五輪出場を目指す。