
日刊鹿島アントラーズニュース
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2020年8月24日月曜日
◆【コラム】内田篤人がエレベーターで見せた誰も真似できない気配り(サカノワ)

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え、そういうことか。中田浩二さんと記者二人を乗せて。
内田篤人がウニオン・ベルリンから鹿島アントラーズに復帰した2018シーズン、カシマサッカースタジアムでの春先のナイトゲームだった。
日本代表への復帰とワールドカップ出場に一縷の望みを託し、鹿島の背番号2は早い段階からコンディションを高め、プレシーズンマッチの水戸ホーリーホック戦(〇4-3)、アジアチャンピオンズリーグの上海申花戦(△1-1)、J1リーグ開幕の清水エスパルス戦(△0-0)と序盤の3試合に連続して先発。しかし、2月25日の清水戦で負傷し、その後しばらくリハビリ生活を強いられた。
3月の鹿嶋の夜は冷え込み、暖房の効いた1階の記者室で、できるだけキックオフ前ギリギリまで作業して、エレベーターに向かった。
カシマサッカースタジアムのエレベーターは、大人数や重い放送機材を運ぶのに耐え得るため、パワー重視でスピードが少しゆっくり目だ。その時には、中田浩二さん(クラブ・リレーションズ・オフィサー=C.R.O)、それに新聞記者さん一人が乗り込んだ。
と、そこに申し訳なさそうに内田が姿を現して、「開く」ボタンを押して待った。普通に歩いてはいるものの、足には気を使っている様子ではあった。
恐縮した様子の内田が加わりエレベーターが動き出す。
すると中田さんが内田に「そろそろ復帰できそうか?」的なことを聞いた。
内田は「このケガをして2週間後には復帰する予定だったんですけれど、ちょっと時間が経ってしまっています」的なことを残念そうに話した。
個人的に内田のことは、ユース日本代表や北京オリンピックの担当として取材させてもらい、2010年のシャルケ移籍直後に左足の小指を骨折していた(けれども練習は行っている)時にゲルゼンキルヒェンのホテルのカフェでインタビューをさせてもらったことがある。また、ウニオン・ベルリン時代に練習取材に赴いた時には目の前でケガをしてしまい、今でも自分のせいかもしれないと申し訳なく思っている。
そのエレベーターで自分から話しかけたり、会話に加わるようなことはしなかったが、内田はおそらく、中田さんはもちろん自分を含めた3人を誰なのか認知していた。
エレベーターはスタンドの放送ブースと記者席のある5階に到着する。中田さんと、記者さんと、私が降りる。
しかし内田はなぜか、そこで出てこない。
「俺、一つ下の階ですから」
内田がニコッとみんなに笑い、こちらも、じゃあ今後! と会釈をする。
しかし、次の一瞬、頭の中を整理する。
ん? 一体どういうことか。
内田は最上階まで一緒に乗ってきたが、そのまま一つ下の階に降りていった。
つまり、ちょっと急いでいるであろう3人に気遣い、内田は先に降りず、わざわざ最上階まで“付き合って”くれたのだ。そしてエレベーターに乗ったまま、選手の観戦ブースがある下の階に戻っていったのだ。
もちろん内田が先に降りていても、誰も何とも思わなかったはず。エレベーター的にはそれが常識でもある。だが、同乗していた三人が向けていたベクトルを阻害しないことを、彼は優先したのだ。そんな発想さえ、私には浮かばない。
懐が深く、冷静に周りが見える。同じ1988年生まれの遠藤康は内田のことを、「ウッチーがやることはすべてが正しいと思えてしまう。何をやっても格好いい」と評していた。
ウッチーだからこその感覚で、エレベーターに乗り込んだ瞬間(あるいはその直前)に、流れる空気から判断(5階まで行って、自分は4階で降りる)していたことになる。
内田の対応はスマートだった。まるで右サイドバックで見せてきた振る舞いのように。出る時と、引く時のギャップが、魅力であり武器の一つ。内田の生き様を垣間見た、忘れられないカシマスタジアムのエレベーターで起きた数十秒間の出来事だった。
[文:塚越始]

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