明治安田生命J1第28節 鹿島3-1仙台 ( 2020年11月21日 ユアスタ )
これぞ真のストライカーだ。2―0で迎えた後半17分。五輪世代の鹿島FW上田綺世(22)は高速カウンターの仕上げを担い、右足で今季6点目を挙げ、勝利を決定づけた。
勝負どころを嗅ぎ分けた。ブラジル人MFファン・アラーノから右サイドの同MFエヴェラウドにパスが出た瞬間にスプリントを開始。「カウンターになって遠いサイドにボールが出たタイミングで(相手DFの裏に)走り込んだ。ワンタッチゴールは自分の特長。良いタイミングでボールをくれた」。スピードを落とさず、クロスにダイレクトで合わせた。
今季先発した試合は6戦5発。スタメンに名を連ねればほぼ確実に結果を残してきたものの、定位置を確保できなかった。それでも腐らず、練習から気持ちを燃やし続けた。何が足りないのかを自問自答する日々を過ごし、成長につなげた。
10月にオランダ、11月にオーストリアと欧州で代表活動が行われたが、コロナ下で国内組は参加できず。A代表と五輪代表の指揮官を兼任する森保監督の下、ベテランと若手の融合が進む。ただ、ボローニャのDF冨安ら守備陣は東京五輪世代が結果を残すが、最前線は軸となる選手が見えてこないのが現状だ。
そんな中で上田は一つ一つ着実に自信と実績を積み上げている。「得点に関する姿勢や嗅覚では負けたくない」。ストライカーに求められるのは、ゴールという目に見える結果。さらに磨きをかけ、東京五輪世代の軸になる。
◆鹿島・上田、先発6戦5発 五輪世代エース猛アピール「負けたくない」(スポニチ)