勝てば4位、名古屋の結果によっては3位も可能な状況に、上田綺世は「喉から手が出るほど点がほしい試合になることは間違いない」と言った。
「その1点をもぎ取れたらいいなと思いますし、また自分が増やしてきた引き出しを存分に発揮しながら、それ以外の仕事もこなせたらいいなと思います」
その落ち着いた様子から漂うのは確かな自信だ。6試合連続で先発し、2トップの一角を自分のものにすると、ここ2試合連続で2得点。明治安田J1の得点数をとうとう二桁に乗せた。それでも22歳の若きストライカーは「フォワードとして出ている試合数と役割を考えると、決して多くないかなと思います」と意に介さない。その表情は、まだ甘さも残っていたシーズン当初とは全く違う厳しさを見せる。
「昨年はがむしゃらにプロの世界を知るじゃないけれど、自分がどのくらいできて何ができないのかということを精査する年だった。今年は結果にこだわりつつ、なにが足りなくて、どうやってスタメンを取っていくのか、どういった引き出しを増やしたらいいのか、チームになにを求められるのかをもう1回考えた。結果が出始めたのはようやくここ最近です」
ゴールを決めれば全勝の必殺仕事人。
「自分が取って終わるか終わらないかというのは決して重要ではない。結局重要なのはチームがどういう結果で最終節を終われるのか、何位で終われるのか、来年につながる終わり方ができるか」
ACL出場権獲得には勝利が必須。上田綺世は、その目標達成に向けて意識を研ぎ澄ませる。
文:田中滋(鹿島担当)
明治安田生命J1リーグ 第34節
12月19日(土)14:00KO カシマ
鹿島アントラーズ vs セレッソ大阪
◆【鹿島 vs C大阪】ゴールを決めれば全勝。鹿島の必殺仕事人・上田綺世(J's GOAL)