
日刊鹿島アントラーズニュース
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2022年2月15日火曜日
◆なぜ鹿島は水戸に負けた? 前線に届かなかった一か八かのロングボール。ピトゥカの奮闘は際立っていたが…(サッカーダイジェスト)
攻めながらも決定打を欠き、逆にカウンターから失点
常勝鹿島の一時代を築いた名ディフェンダーが指揮を執ったチームのスタイルは、やはり彼の成功体験から導き出されたものだった。
Jリーグ開幕を1週間後に控えた2月13日、鹿島アントラーズは水戸ホーリーホックとのプレシーズンマッチに臨んだ。コロナ禍によるスイス人監督レネ・ヴァイラーの来日が遅れ、冷たい雨がピッチを濡らしたこの試合で、采配をとったのはコーチの岩政大樹だ。鹿島が見せたスタイルは、これまで多くのタイトルを獲得してきた、高い基本技術に裏付けされた堅守速攻を主体としたサッカーだった。
しかし、戦術のコンセプトは筋が通っている鹿島だが、展開されたスタイルには相違が見られた。本来、鹿島のカウンターサッカーは後方、中盤でボールを持った選手が前線へとドリブルで進出。この動きに呼応した他の選手たちがゴールを目指して攻め上がり、そこにスルーパスを繰り出すというのがスタイルだ。
パスはグラウンダーでの供給が多く、ゴールへと迫る選手の足もとや走り込む位置を想定して出される。しかも複数の選手が呼応することによって攻撃は多彩となり、多くのゴールが生まれた。
しかし、いばらきサッカーフェスティバルで見せた後方からのパスはハイボールが目立ち、しかも前線に位置する選手の一点を狙った守備ラインからの一気のロングキックが多用されていた。
中盤から放たれる小気味よいショート、ミドルレンジのスルーパスに比べ、ハイボールによる、しかも中盤を省略した一か八かの大胆なロングパスとなると、敵からすればマークも前線の選手に限られるため対応が容易となる。さらに鹿島のコンビネーションプレーは現段階では発展途上にあるようで、ロングパス自体の精度が低く前線の選手に繋がることは少なかった。
鹿島は攻めながらも決定打を欠き、逆にカウンターから失点。リードを許してからは、強引な単独のドリブル突破から状況を打開しようとする動きが目立つようになる。しかし、水戸のタイトな守備網を突破しきれず。0-1の完封負け。いばらきサッカーフェスティバル16戦目にして初の黒星を喫したのだった。
生みの苦しみの先に待っているものは、果たして――
敗れた鹿島にあって、目を引いたのはディエゴ・ピトゥカと樋口雄太だ。ふたりは雨がふるなかでゲームを作り難かった展開で、攻守の繋ぎ役として中盤でよくボールに絡み存在感を発揮した。
特にD・ピトゥカのプレーにはチームの中心選手としての風格が漂っていた。5年間に渡って鹿島の中盤を支えてきたレオ・シルバからポジションを受け継いだこのブラジル人のダイナモは、前任者と比較してプレーはより攻撃的、そして性格はかなり情熱的だ。
チームが劣勢の展開を強いられると、最終ラインまで下がりGKやDFに対しボールを自分に繋ぐように要求する積極的な姿は昨シーズンからよく見られた。この水戸戦でもボールを保持した守備ラインの選手たちに真っ先に近付いてはボールを貰い受け、自らのプレーで苦しい局面を打開しようと果敢に相手守備陣へと挑んでいた。
彼のプレーからは、どんなに厳しい状況下に置かれても勝利を目指そうとする気概が感じられ、その気質はまさに常勝鹿島の精神に符合する。
D・ピトゥカや樋口の仕事ぶりが目を引き、得点力アップの予感を膨らませる鈴木優磨がカムバック。エースナンバーを背負う荒木遼太郎のさらなる成長への期待と、選手個人に焦点を当てれば鹿島にはプラス要素を挙げることができる。
ただ、そうした一方で、やはりチームとしては監督不在の不安は拭いきれない。サッカーチームの構築には膨大なエネルギーと時間を要する。昨年までフットボールダイレクターを務め、フロントとして支えてきた鈴木満氏も、シーズン前のチーム構築は非常にデリケートな作業だと語っていたことがある。その作業を指揮官が直接チームに指示できない状況はマイナス要素であることは否定できない。
プレシーズンマッチで見せた鹿島のスタイルは、チーム構築の根幹の部分でヴァイラー監督と岩政コーチが目指すサッカーへの理解を深め、導き出されたうえでの戦い方であったとは思う。新監督がチームに合流してから、再びゼロからのチーム構築とはならないだろうが、それでも鹿島にとって出遅れた感は否めず新シーズンは試練の一年となりそうだ。
これまでの一貫したブラジル路線から、ヨーロッパへと舵を切った鹿島。18年のACL初制覇を最後にタイトル獲得から遠ざかっているチームには大胆な変革が必要であったことは間違いない。大胆な変革にはリスクを伴う。生みの苦しみの先に待っているものは、果たしてどんな答なのだろうか。
取材・文・写真●徳原隆元
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