[6.22 天皇杯3回戦 鹿島 3-0 大宮 NACK]
元鹿島アントラーズの大宮アルディージャMF大橋尚志は2017年にクラブを離れて以来、古巣との初めての対戦を迎えた。「試合前からすごく楽しみだった」。そう明かした25歳は試合後、「いまの自分たちが鹿島相手にどれだけやれるかというところで、実際にやれるところもあったけど、差があったなというところも感じたので、この敗戦を活かしていきたい」と前を向いた。
茨城県つくば市出身の大橋は、鹿島アントラーズつくばジュニアユース出身。2015年にトップチームに昇格したが、2年間での出場機会は16年5月のナビスコカップ磐田戦のみにとどまり、翌17年からツエーゲン金沢に完全移籍し、鹿島を離れた。それでも以降、金沢ではボランチの一角でレギュラーを担い、5年間でJ2リーグ戦通算174試合に出場。今季から大宮への完全移籍を果たしていた。
そうして巡ってきた古巣対戦のチャンス。J1で優勝争いを演じる鹿島、J2で残留争いに巻き込まれている大宮と立場は対照的だったが、大橋は「すごく楽しみだった」とモチベーションを高めていた。また対戦相手にはジュニアユースからの同期で今季シントトロイデンから復帰したFW鈴木優磨も在籍。ともに公式戦のピッチに立つのは高校時代以来のことだった。
そんな大橋は前半早々、左サイドに開いた鈴木に対してあいさつ代わりの激しいチャージを敢行。その後も中盤の要所にたびたび顔を出しつつ、攻撃では両サイドハーフを活かすためのボールを供給していた。だが、落ち着いた試合運びを見せる鹿島に決定打を繰り出すことはできず、逆にチャンスを次々に決められて0-3で敗戦。大橋は「ああいう展開で自分たちもチャンスがなかったわけではなかったので、こういう試合で最終的に0-3で負けてしまうのはすごく悔しい」と振り返った。
これがJ1上位とJ2下位との差。「パス一つもそうだし、ラストパス、クロス、サイドチェンジ、フィニッシュも、そういうところの精度の差はやっていて個人としても感じた」と悔やんだ大橋は、鈴木とのマッチアップについて「こういう結果になって悔しいけど、やっていてすごく楽しかった」と感慨も。今度はより上の舞台で対戦すべく、「J1上位にいるチームと対戦していろいろ感じたこともあったし、この負けを無駄にしないよう次のリーグ戦に向けて準備できれば」と奮起を誓った。
(取材・文 竹内達也)
◆初の古巣鹿島戦、“同期”鈴木優磨とも対峙…大宮MF大橋尚志「この負けを無駄にしないように」(ゲキサカ)