明治安田生命J1リーグの鹿島アントラーズは先月28日、ブラジル人FWエヴェラウド(31)がブラジル2部ECバイーアへ完全移籍したと公式発表している。そのエヴェラウドが鹿島アントラーズ退団に至った経緯を語った。4日、ブラジルメディア『ec bahia.com』が伝えている。
同選手は2020年1月に鹿島アントラーズへ加入。来日1年目にJ1リーグで18ゴールをあげて、J1の年間ベストイレブンに選出。ただ昨季はJ1リーグ戦28試合の出場で1ゴールにとどまると、今季も序盤に内転筋関連鼠径部の負傷で離脱。カタールW杯日本代表FW上田綺世(23)の退団した7月以降もレギュラーに定着できず、結局リーグ戦19試合の出場で5ゴールという結果に終わった。
そんなエヴェラウドには、昨季終了後から再三にわたりブラジル国内クラブからの関心やオファーが伝えられていたが、鹿島アントラーズに残留。しかし先月下旬にECバイーアの専門YouTubeチャンネル『Sou Mais Bahia』が「ECバイーアがエヴェラウド獲得にむけて、交渉を進めている」と報じると、数日後に両者は3年契約の締結で合意。くわえて選手サイドは鹿島アントラーズと2023シーズン終了後まで残していた契約を解除するで合意に達すると、先月28日にECバイーア加入が正式決定している。
同選手は今月4日に行われたECバイーア加入会見に出席。鹿島アントラーズと契約解除に至った過程を聞かれると「日本では3年間プレーしていたし、(鹿島アントラーズとの契約も)あと1年残っていたんだ。僕自身日本のことが大好きだし、サッカーの面では(日本の環境に)とても慣れていたけど、家族にとっては難しかったね」と、ピッチ外で問題を抱えていたことを告白。
「そんな時にECバイーアからオファーが届いていた。熱狂的なサポーターのいる偉大なクラブだ。個人的に多くのブラジル国内クラブが何かしらの問題を抱えていると考えているんだけど、今はSAF(財政面の透明化を図るための法律)によって良い方向に向かっている」と、母国復帰を決断した理由もあわせて明かしている。
なお鹿島アントラーズ在籍時に度々報じられた母国クラブからの関心報道については「この3年間、ブラジル国内のいくつかのクラブからオファーが届いたけど、どれも僕の興味をそそるようなものではなかったんだ」とコメントを残した。