日刊鹿島アントラーズニュース

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2023年4月2日日曜日

◆【採点寸評|鹿島】佐野が抜群のパフォーマンスも、勝利目前で痛恨の逆転負け[J1第6節 鹿島1-2広島](サッカーダイジェスト)



鹿島アントラーズ採点寸評


目ざす戦い方を披露できた一方、勝負弱さを露呈


 4月1日にJ1リーグ第6節が行なわれ、鹿島アントラーズとサンフレッチェ広島が県立カシマサッカースタジアムで対戦。アウェーの後者が2-1で勝利を収めた。

 先手を取ったのはホームの鹿島。スコアレスで迎えた69分、知念慶がヘディングシュートをねじ込む。ビハインドの広島は86分、途中出場のドウグラス・ヴィエイラのPKで同点に追いつくと、2分後に再び、D・ヴィエイラがネットを揺らし、試合をひっくり返す。

 試合はそのままタイムアップ。劇的な逆転勝利を収めた広島は3連勝を達成。敗れた鹿島は2連敗となった。


▼鹿島のチーム採点「5.5」
 良くも悪くも、今季ここまでの戦いが集約されたゲームだった。目ざした戦い方を披露できた一方で、勝負弱さを露呈してしまった。

 効果的とは言えないが、ボールを保持して丁寧にビルドアップする場面や、チーム全体で連動して守備をする姿勢なども見せ、セットプレーから先制点を奪うところまでは、ある程度プラン通りだったのではないか。

 PKの場面は仕方ない部分があったかもしれないが、その後の失点は防がなければならず、引き分けで留められなかったのは大きな問題だ。結果論となってしまうが、PK直後の“二枚替え”には疑問符が付く。

 特に強度の高いプレーが続いている間は理想の形も見えるが、終盤に息切れし、相手に隙を与えてしまう場面はこの試合だけではない。2節の川崎戦とどこか重なるような、自分たちのペースで試合を進めながらも、勝利目前に逆転負けを喫した。判断に迷うところだろうが、リードを守り切る形や何か策を追及するべきだろう。

取材・文●渡邊裕樹(サッカーダイジェスト編集部)

※MAN OF THE MATCH=取材記者が選定するこの試合の最優秀選手。
※採点は10点満点で「6」を及第点とし、「0.5」刻みで評価。
※出場時間が15分未満の選手は原則採点なし。




GK:早川友基|採点5/風の影響もあるだろうが、フィードがズレる場面が気になった。失点はPKとポストに当たって吸い込まれたコースで、致し方ないか。

DF:常本佳吾|採点6/抜群の運動量と確かな守備力で右サイドを支配した。攻め上がる意識も高かった。

DF:昌子源|採点5.5/読みや統率力で最終ラインを引き締めた。終盤に声掛けを増やしていたが、上手くフィルターがかからず、逆転を許してしまった。

DF:植田直通|採点5.5/危険な場面でゴール前に立ちはだかり、相手のシュートを未然に防いだ。しかし、逆転弾の場面では上手く相手にシュートを決められてしまった。

DF:安西幸輝|採点6/持ち味の縦への勢いが戻ってきた。攻め上がった際に背後を狙われる場面もあったが、思い切りの良さがチームにリズムをもたらした。

MF:佐野海舟|採点6.5/まさに攻守でチームの心臓だった。ことごとくセカンドボールを回収し、フィードでも攻撃をオーガナイズした。個人のプレーとしては何も文句のつけようがない。

MF:土居聖真(65分OUT)|採点6.5/トップ下をスタート位置に流動的にポジションを取り、攻撃の起点を作った。周囲との連係も良く、得点の匂いを感じさせた。

MF:藤井智也(71分OUT)|採点5.5/強みを理解されている昨季までのチームメイトを相手にやや苦戦した。スピードに乗った突破も見せたが、得点には結びつけられなかった。

MF:樋口雄太(86分OUT)|採点6/時には最終ラインまで下がれば、攻撃時にはペナルティエリア内まで駆け上がるなど、ピッチ全域に顔を出した。得意のプレースキックから知念のゴールをアシストした。

FW:知念慶(86分OUT)|採点6/前線でのハードワークで安定したパフォーマンスを見せた。少ないチャンスをしっかりと得点に結びつけた勝負強さは流石だ。

FW:鈴木優磨|採点6/空中戦にプレスバック、攻撃でもボールキープで起点を作り、チームを鼓舞した。終盤は疲れも見え、勝点をもたらすことはできなかった。

FW:垣田裕暉(65分IN)|採点5.5/前線を活性化し、先制点への流れを作った。しかし、その後は上手くゲームに絡めず、逆転後の見せ場は限られた。

MF:松村優太(71分IN)|採点5/投入後に次々とドリブル突破を試み、攻撃面では調子の良さをうかがわせた。同点に追いつかれるPKを与えてしまったのは悔やまれる。

MF:仲間隼斗(86分IN)|採点なし/アディショナルタイムに同点を目ざし、ペナルティエリア内に駆け上がるなど攻撃への姿勢を見せたが、効果的なクロスを送ることはできなかった。

MF:中村亮太朗(86分IN)|採点なし/チームを落ち着けることができず、投入直後にカウンターから逆転弾を阻止することができず。

監督:岩政大樹|採点5/準備した戦い方を見せていた一方で、結果論とはなるが、交代カードが上手くハマらず、逆転負けを喫した。選手たちに思い切ってプレーさせることには成功しているが、クラブ伝統の勝負強さは今のところ植えつけられていない。






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