あの手この手を駆使したが…
[J1第19節]鹿島 0-0 京都/7月1日/県立カシマサッカースタジアム
Jリーグは7月1日、J1第19節の7試合を各地で開催。県立カシマサッカースタジアムでは鹿島アントラーズ対京都サンガF.C.が行なわれ、0-0で引き分けた。
前半はホームの鹿島がやや優勢の展開。25分には鮮やかな崩しから仲間隼斗が強烈なシュートを放つも、GK太田岳志の好守に阻まれる。
後半は京都が盛り返すなか、鹿島も選手交代などで攻勢を強めて反撃に出る。一進一退の攻防が続くなか、お互いに1点が遠く、ドロー決着。勝点1を分け合った。
▼鹿島のチーム採点「5.5」
不完全燃焼といってもいいかもしれない。前線からの連動した守備が見られず、攻撃も単発に終始。鹿島が目ざす「アグレッシブなサッカー」が具現化できた瞬間があまりにも少なかった。
FW陣に怪我人が相次ぎ、やりくりに苦慮しながらも新たな可能性を探るべく、前節からスタメン4人を入れ替えて臨んだ。「4-4-2システムだけではなく、違う攻撃の形も作りたい」という岩政大樹監督の意図もあり、まずは4-2-3-1システムでスタート。途中から3バックに変更したり、5枚の交代カードをフルに活用したり、あの手この手を駆使したが、スコアレスドローに終わった。
公式記録によると、気温26・3度、湿度83パーセント。ピッチ上の蒸し暑さは想像に難くないだろう。だが、これは対戦相手の京都も同じ条件下。勝ちきれなかった理由に挙げる選手はいなかったが、いかに消耗戦を乗りきっていくか。これから夏真っ盛りを迎えるにあたり、突きつけられた課題の1つとなった。
※採点は10点満点で「6」を及第点とし、「0.5」刻みで評価。
※出場時間が15分未満の選手は原則採点なし。
構成●サッカーダイジェストWeb編集部
GK:早川友基|採点6/被シュートは9本。そのうちの枠内は危なげなく防ぎ、際どかった2本のシュートは枠を外れ、胸をなでおろした。
DF:常本佳吾(74分OUT)|採点6/リーグ戦ではベンチスタートが続いていたが、およそ2か月ぶりのスタメン出場。攻守にわたって持ち前のプレー強度を見せつけた。
DF:関川郁万|採点6/ペナルティエリア内で、相手の巧みな切り返しに体勢を崩されながらも最後は足を伸ばしてブロック。傷口を広げずにすませた。
DF:安西幸輝(74分OUT)|採点6/いつもどおり左サイドを駆け上がり、攻撃に厚みを加えようと奮闘したが、いつになくクロスの精度を欠いた。
MF:樋口雄太|採点6.5/攻守両面でのプレーの安定感が抜きん出ていた。前半終了間際、相手の寄せが甘いと見るや、右サイドから鋭いクロスを供給。決定機を作った。
MF:ディエゴ・ピトゥカ|採点6.5/総走行距離11・520キロは両チーム合わせてナンバーワンの記録。立っているだけでも汗が滴る蒸し暑さのなか、最年長ボランチが一番走った。
FW:松村優太(64分OUT)|採点5/与えられたタスクは攻撃面の活性化。第8節の神戸戦以来のスタメン出場だったが、相手ゴールに迫る回数が少なく、期待に応えきれなかった。
FW:仲間隼斗(58分OUT)|採点6/エネルギッシュなプレーぶりは相変わらず。巧みなワンツーパスからシュートに持ち込んだ好機はモノにしたかった。
FW:荒木遼太郎(58分OUT)|採点5.5/持ち味である閃きは相手ゴール前でこそ効果を発揮するはず。ボールを要求し、下がってしまうことが多すぎたのではないか。
FW:鈴木優磨|採点5.5/味方との距離が遠かったからか、前線で孤立することが少なくなく、“ここぞ”というシーンでのボールロストも目立った。攻撃をけん引すべき大黒柱に見合うパフォーマンスではなかった。
FW:名古新太郎(58分IN)|採点6/空間を利用するテクニカルなトラップから一気に加速。左サイド深くまでドリブルで進入するなど、躍動した。
MF:土居聖真(58分IN)|採点6.5/ボールを引き出し、丁寧なつなぎからフィニッシュに至るまで攻撃に幅広く関与。こう着状態に化学反応を起こした。
MF:藤井智也(64分IN)|採点6/左サイドを疾走し、クロスを上げるだけではなく、果敢にシュートも放ち、チームを勝たせる一発への意欲が伝わってきた。
DF:広瀬陸斗(74分IN)|採点6/得点に直結しなかったものの、“生きたクロス”をたびたび送った。右サイドでボールを持つと、期待が膨らんだ。
DF:昌子源(74分IN)|採点6/3バックの中央に入り、要所を締めた。しかるべき任務をきっちり遂行し、クリーンシートに一役買った。
監督:岩政大樹|採点5.5/リーグ戦5連勝のあとの5試合が1勝3分1敗と、やや足踏み状態が続いた。そんな停滞感を払拭すべく“変化”を追求したが、勝利を引き寄せられなかった。