ルヴァンカップのプライムステージの組み合わせ抽選が3日に行われ、準々決勝で名古屋グランパスと鹿島アントラーズの対戦が決まった。名古屋は5月14日にJリーグ30周年記念マッチで鹿島と相まみえており、0-2で完敗。組み合わせ抽選会に出席したDF森下龍矢は「本当情けない試合をしたなっていうような印象なので、それをどうにかして取り返したい」と汚名返上を誓った。
頂点まで残り5試合となった道のりに、強敵が立ちふさがった。森下は「本当に強敵に当たったという気持ち」とコメント。しかし、相手を強敵と認識しているのは鹿島も同様だ。鹿島MF佐野海舟も「自分も強敵と当たったなと思います」と同じ印象を口にする。「Jリーグでは勝ちましたけど、すごく力のある相手。自分たちのサッカーをしっかり出して勝ちたい」と意気込んだ。
国立競技場で行われたJリーグ30周年記念マッチには5万6020人が集結。鹿島は前半29分にFW鈴木優磨が先制ゴールを挙げ、前半を1-0で折り返す。佐野は後半12分に投入されると、そのまま相手の攻守を封じた。そして同39分にFW知念慶が追加点で勝利を決定づけた。「国立の試合は、自分たちとしてはすごくうまくいった試合だった」(佐野)。それでもまた同じことが起きることはない。「このまま行くとは思いませんし、自分たちもしっかり対策して、また勝ちにつなげればいい」と気を引き締めた。
森下は悔しい敗戦の後、大きな転機がやってきた。6月に行われたキリンチャレンジカップで日本代表に初招集。エルサルバドル戦でデビューを飾り、フル出場で勝利に貢献した。貴重な経験で得た気づきは「守備の球際」。代表は自身がやってきたこれまでの基準より一歩近い球際だったという。「代表に選ばれたからうまくなったかというとそうではない。ただ気づきを得ただけ。生かすも殺すも自分次第。これまでと変わらない積み重ねをしていきたい」。代表招集で能力が上がるわけではないと戒めた。
森下にとって成長の証は勝利。一度は屈した鹿島に雪辱を果たすのみだ。「(前回は)自分たちの力の50%も出せなかった試合。こうやって取り返す機会が与えられたことが本当に僕たちのチャンス。それを生かしていきたい」。9月に控える準々決勝に向け、力強くリベンジを誓った。
(取材・文 石川祐介)
◆ルヴァン杯準々決勝はJリーグ30周年記念マッチの再戦に…名古屋DF森下「取り返す機会が与えられた」、鹿島MF佐野「対策してまた勝利を」(ゲキサカ)