
日刊鹿島アントラーズニュース
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2024年7月17日水曜日
◆結婚発表翌日、町田浩樹26歳に直撃「めっちゃ大変でしたよ」6年半かけて早大卒業…日本代表DFの文武両道記「特に芸術系の授業ですね」(Number)

2021年、東京五輪での活動が予想されていた年には履修申請する授業の数を減らしたりするなどして、6年半かけて2022年に卒業。そして、早稲田の学生に与えられる最高の名誉、小野梓記念賞の2022年度のスポーツ賞も手にした。
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◆結婚発表翌日、町田浩樹26歳に直撃「めっちゃ大変でしたよ」6年半かけて早大卒業…日本代表DFの文武両道記「特に芸術系の授業ですね」(Number)
日本代表のDFがヨーロッパ各国で存在感を見せる中、ベルギーの地で開花したのが町田浩樹だ。190cmの雄大な体格とともにインテリジェンスを感じさせるレフティの守備者は、オフザピッチを含めて理知的な一面を持っている。自身のSNSで結婚発表した翌日の6月13日、知られざる素顔に迫った。〈NumberWeb日本代表インタビュー、全3回の第1回/第2回、第3回も配信中〉
あなたにもしもプロサッカー選手の子供がいたら、きっと彼は自慢の息子だろう。
つい先日、結婚を発表した町田浩樹は、現在の日本代表で“唯一の”大卒組だ。
「めっちゃ、大変でしたよ」
カラッとした笑顔とともに、町田は当時を振り返る。相手のドリブルやクロスに対応したり、攻撃でも前にいる味方選手をサポートするために泥臭く走り回るのがディフェンダーだ。そんなポジションの選手らしく、明るい口ぶりだった。
勉強するために早稲田大学に入学した
日本代表の歴史に詳しい人ならば、Jリーグ誕生に伴い一時は減少した大卒選手が、近年になって再び増えていることを知っているかもしれない。守田英正や三笘薫などは、高卒後すぐにJリーグ入りした選手がプロの壁に直面している期間に、大学で成長を遂げた。そして、プロ入り後すぐに主力となり、現在は海外で活躍している。
町田が守田と三笘らと違うのは、大学のサッカー部に所属したわけではないことだ。サッカーをするためではなく、勉強をするために大学生になった異色の経歴の持ち主である。
名門鹿島アントラーズのユースチームを経て、高校卒業に合わせてトップチームに昇格した。このタイミングで早稲田大学の通信教育課程に入学した町田は、6年半かけて、2022年に卒業した。
ほめられるほどのことではないんです、と町田は謙遜して、こう明かす。
「当時の僕は大学に行く気がなかったんですよ」
きっかけは、親からの提案だった。
「こちらでお金は出すから、せめて大学くらいは……」
愛する子どもが大学に通えるように資金を準備し、万が一のことを考える……。町田は16歳のころから、年代別の日本代表の常連だった。それでも、彼の親はサッカー選手で大成できなかった時のことまで考えていた。それが親の愛というものだ。町田自身も高校での成績は良い方で、勉強するのが嫌いではなかったから早稲田の門をたたくことにした。
ただ、この決断に異を唱える声も聞かされた。
「両立なんて無理だよ! 中途半端な覚悟では大成しないよ」
というのも、2008年頃からそれなりの数のJリーガーが通信課程で入学してきたものの、卒業できない選手が大半だったからだ。勉強によほど興味があるか、スケジュール管理をしっかりできる人間でないと、卒業するのは簡単ではない。
キャンプで体をいじめ抜く期間に論文提出が
町田も、毎年1月から2月ころには「本当にキツいわ」と感じることが多かった。
通信課程では、この時期に1年の授業のしめくくりとして数多くの論文を提出しないといけない。しかしJリーガーとしては、プレシーズンキャンプに参加する時期だ。シーズン前のキャンプは、長いシーズンを戦い抜くための体力作りの場でもある。身体を徹底的にいじめ抜くようなメニューが用意されている。
そんなトレーニングを終え、身体も心もヘトヘトになりながら、パソコンに向き合わないといけない。同期の選手たちが疲れをとるために温泉につかったり、身体を休めたりする中で、町田はキーボードを叩いていた。さすがにこの時期は辛かった。
初動負荷理論に心理学は面白い…でもノートは
在籍した人間科学部には、スポーツに打ち込む学生に興味があるようなテーマも多く用意されているし、授業の科目もバラエティに富んでいる。トレーニングにも生かせるような初動負荷理論や、集団生活をする上で参考になりそうな心理学など、プロアスリートとして興味が持てるようなテーマはそれなりにあった。
実際、積極的に勉強したのはプロサッカー選手としての活動につながるものだった。卒業論文のテーマは、〈サッカー選手のGPSデータとハムストリング(太ももの裏にある筋肉)の肉離れとの相関関係があるかどうか〉の考察だった。論文を書くうえで先行研究に目を通していると、FIFAが発表するW杯でのケガに関するデータに触れる機会もあった。詳細なものは「もしもフィジカルコーチになるならば役に立つようなもの」であり、今すぐに活用できるようなものではないが、知っていて損するものでもなかった。
一方で、町田には一般の大学生にはないようなハンデもあった。
普通課程の生徒であれば、普段の授業に出ていなくても、テスト前に同級生からノートを借りたり、先輩から過去問をもらったりできる。しかし、町田は通信課程の生徒だ。同級生と並んで授業を受ける機会などない。だから、全ての授業に独力で向き合う必要がある。もちろん手抜きもできない。
「さすがに建築の授業などはキツかったですね」
苦笑まじりに振り返る。
「芸術系の授業が特に面白くて」オフに直島へ
ただ、思わぬ分野との出会いもあった。その出会いがきっかけで、好奇心旺盛な町田は“学生時代”に、オフシーズンを利用して、香川県の直島を一人で訪れたこともあった。
「芸術系の授業は特に面白かったです。特に、現代芸術学では、ある作品にはどういう意味があるのかなどを学んだりしました。クリスチャン・ボルタンスキーという生死をテーマにアートをする作家がいて。心臓音を録音できる美術館(*『心臓音のアーカイブ』)などは勉強していたら気になって、旅行をかねて1人で足を運んだこともあります。一度ハマると、さらに知りたくなる探究心があるタイプなんですかねぇ」
2021年、東京五輪での活動が予想されていた年には履修申請する授業の数を減らしたりするなどして、6年半かけて2022年に卒業。そして、早稲田の学生に与えられる最高の名誉、小野梓記念賞の2022年度のスポーツ賞も手にした。
結果的に、多くのものを手にできたわけだが、町田は自身の特異なキャリアを後輩に見習って欲しいと考えているわけではない。
「別に、みんなが大学に入る必要があるわけではないですし。経験した身として言わせてもらえれば、自分の好きなことだけを学べればいいかなと思うくらいです。ただ、ある程度、強制的にやらされることで新しい分野と出会える部分はある。それは自分にとっては良かった。普通に生活していたら出会えなかったわけですから」
人生の伴侶を得た今、好奇心はピッチでも生きる
ただ、無事に卒業するためには、好奇心に加えて、スケジュール管理の能力が求められるということだけは痛感した。
町田はスケジュール管理が昔から得意だった。時間管理術の本を読み漁ったわけではないし、この点について親から厳しく教育されたわけでもない。ただ、夏休みの宿題についても余裕を持って終わらせるタイプで、8月の最終週になって焦るようなことはなかった。今考えても、そうした気質がなければ、大学生活を完走することはできなかったかもしれない。
そんなスケジュール管理能力と好奇心は、海外で活躍する日本代表選手になり、人生の伴侶を得た今、サッカー以外の活動をする上でも大きな武器となっているという。
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