ただ東京Vには、松村と同じく鹿島から期限付き移籍中のDF林尚輝やFW染野唯月がいることもあって、すぐに溶け込むこともできているという。「一通りコミュニケーションは取ったけど、すんなりと入れている。
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◆松村優太が東京Vデビュー、対戦なしも三笘から学び、パリ五輪“仲間”の活躍「心から嬉しい」(ゲキサカ)
[7.28 親善試合 ブライトン4-2東京V 国立]
“緑の戦士”となったMF松村優太がデビューを飾った。松村は後半開始と同時にピッチに登場。すると後半19分にFW山見大登の左クロスにファーサイドから走り込んでシュートに繋げる。同43分にはオフサイドとなったが、MF食野壮磨のスルーパスからゴールネットを揺らすシュートを放つなど、存在感をみせた。
初めて目の前で見るMF三笘薫のプレーにも大きな学びを得たようだ。後半から左サイドで出場を予定していた松村は、「もしかしたらマッチアップするかもしれないと思ってみていた」という。「行くところと行かないところ(の判断)が上手いですよね。自分が一番能力を発揮できる位置にいる。あとはヒールで抜いてみたり、どういうプレーをされると嫌なのかが分かっている感じが凄いなと思いました」。
「僕自身、入って3日目、4日目できょうの試合だった。自分的にはきょうは全然ダメだったと思います。(オフサイドの場面は)教訓としてしっかりと留めて、リーグ戦でああいうことがないようにしたい。でもいきなり来て全部が全部上手く行くわけがないと思うし、ここから上げていくだけかなと思います」
鹿島アントラーズから東京ヴェルディへの期限付き移籍は、今月21日に発表になった。静岡学園高出身で、高3時には高校選手権で全国制覇を経験。鳴り物入りでプロ入りを果たすと、1年目からJリーグ出場を重ねた。しかし5年目の今季、Jリーグの出場は7試合のみ。それもすべて途中出場だった。キャリア初の移籍はそんな中で決断した。
ただ東京Vには、松村と同じく鹿島から期限付き移籍中のDF林尚輝やFW染野唯月がいることもあって、すぐに溶け込むこともできているという。「一通りコミュニケーションは取ったけど、すんなりと入れている。あとはコンディションや試合勘が大事。その意味でもこの強度で45分やれたことは大きかったと思うし、感覚をどんどん上げていきたいです」。
パリオリンピック世代として期待されてきた松村。直前のアメリカ遠征も経験していたが、本戦メンバーには残ることができなかった。「正直、入るわけないだろうと思っていたので、悔しいよりもう一個上に行っちゃってた。プレーして納得して落ちたかったという本音はありますけど、それは自分の力不足だと思うので仕方がないことだと思っています」。“落選”の現実を受け止める準備はできていたようだ。
そして素直に仲間たちの躍進を応援する気持ちになっているという。「一緒にやってきたメンバーが決勝トーナメントを決めたのも心から嬉しいこと。でももう僕がメンバーに入ることはないので、応援しつつ、今できることにフォーカスしたい。オリンピックがすべてではないし、ここでキャリアが終わるわけじゃないので、まずはヴェルディのために活躍することに目を向けてやりたいなと思います」。
新天地での背番号は47に決めた。番号はいくつか提示された中から選んだ。「何個か番号を言われて、それ以上と。もともと27番だったので。でも50番台だとDFっぽいなと思って47にしました」。そして「鹿島で5年やったので、もうみんな印象はないかもしれないけど、僕は違和感はない」と、高校時代に慣れ親しんだ緑色のユニフォームでプレーすることでも気持ちを新たにしている。「タスクを吸収して自分の良さを出していけば、かなりはまるんじゃないかと個人的には思っています」。今回の移籍をきっかけに、輝きを取り戻す。
(取材・文 児玉幸洋)