「鹿島で3年間出れなかったですけど、3年間いて得るものは本当に大きかった。出れてない期間が客観的に見てもやっぱり多いので、『どうなんだ』『大学行った方がよかったんじゃないか』とか、そういう声もいただきますけど、自分には自分でまた得るものがあったし、その中で全力で取り組んできているので、全然自信は落ちてないです」
全文はこちらから
◆J名門→3部移籍も1年でクビ 4年ほぼ出番なし…寄せられた非情な声「大学行った方がよかった」(FOOTBALLZONE)
鹿島から琉球に移籍も契約満了となったMF小川優介がトライアウトに参加
2024年JPFAトライアウトが12月12日に栃木県内で開催された。昨日から実施されており、2日目の12日は31人が参加をしたなか、その中にJ1鹿島アントラーズから今季J3のFC琉球に移籍も、1年で契約満了となった22歳MF小川優介の姿があった。契約満了となった思いなどを聞いた。
身長166センチ、体重58キロと小柄の小川は埼玉の強豪・昌平高校の2年生時からボランチの主力として活躍し、全国高校サッカー選手権でも活躍。そして3年生の時に同級生のMF須藤直輝とともに鹿島入りが決まった。
1年目は出場機会がなく、2年目には天皇杯の1試合のみに出場。3年目も出番はなく契約満了となった。「2、3年目はレンタルなど考えてたんですけど、ちょっとタイミングとかも悪くて、話があった時に監督がちょうど変わっちゃって、みたいな感じでした」と当時を振り返った。
「鹿島で3年間出れなかったですけど、3年間いて得るものは本当に大きかった。出れてない期間が客観的に見てもやっぱり多いので、『どうなんだ』『大学行った方がよかったんじゃないか』とか、そういう声もいただきますけど、自分には自分でまた得るものがあったし、その中で全力で取り組んできているので、全然自信は落ちてないです」
心機一転、活躍の場をJ3の琉球に移した。しかしそこでもプロの壁に直面。リーグ戦3試合、カップ戦1試合のみと不完全燃焼に終わったなか「自分ができてる、できてない関係なしに、今年の琉球に貢献した覚えはなかったので、自分の中で満了になってもそうだろうなっていう感覚でした」と、契約満了を伝えられた時の心境を明かした。
それでも「サッカー人生でプロだけじゃなく、中学校でも出れない時期もありました。それを経験してるんで、そういう時の時間の過ごし方とか、プロ入っても変わってないですし、やっぱ自分はサッカーが好きでやってきたっていうのがある。そこは別に試合で出てようがなかろうが、サッカーが好きだから、その好きなことを全力でやるっていうのは変わらないので大丈夫でした」と、鹿島、琉球と試合に出れない期間が続いていても、メンタル面では冷静に自分と向き合っていた。
来季は「どのカテゴリーとかは関係ない」
試合に出れない時期にはそれほど気持ちが落ちることがなかったいう小川。それでもやはり契約満了を伝えられた時には来るものがあったという。
「もちろん鹿島でやり続けたい、貢献したいっていう気持ちもあったのでショックだったし、悔しい気持ちはもちろんありました。ただ満了になっても、またいつかこの舞台に戻ってくればいいと思ってたのでだんだん前に前に行った感じです」と、徐々に切り替えられたことを明かしている。
小川はトライアウトの紅白戦ではボランチとして出場。DFの位置まで降りたり、ライン間でボールを受けて、チームの循環役となっていた。「こういう場だと、自分が自分って出しすぎてしまう部分もあるが、それでもやっぱ自分のチームは結構目の前の試合の勝利に向かってっていうので、チーム一つになってやれたので良かったかな」と言及している。
他クラブからオファーを待たずにトライアウトに臨んだ理由として「プロに入ってからそんな試合にも絡んでないので」と触れつつ、「とは言いつつ、自分の中で練習を一つ一つサボらず、全力で取り組んできたっていうのもあったので、そういう自分の自信っていうのは消えてなかった。それもトライアウトで見せたいと思った」と語った。
「まだ全然自分の中で本当に決まってないですけど、とりあえず何か目の前のチャンスがあれば、何か飛びかかるみたいな感じでやってるので、好きなサッカーを全力で頑張るっていうスタンスだけでやっている。どのカテゴリーとかは考えてないですけど、本当に上を目指しているのでそこは関係ない」
J1、J3とプロ加入から4年間でほぼ出番がなかったが22歳とまだ若く、伸びしろしかない小川。来季はどのユニフォームを着てプレーするのか、高校時代の輝きを再び見せれば、J1の舞台に戻って来る未来もそう遠くないはずだ。
(FOOTBALL ZONE編集部・小西優介 / Yusuke Konishi)