日刊鹿島アントラーズニュース

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2014年7月28日月曜日

◆2014Jリーグ ディビジョン1 第17節(オフィシャル)


http://www.so-net.ne.jp/antlers/games/51188

J1 第17節 浦和レッズ戦

柴崎が同点弾も、逆転はならず。鹿島、首位・浦和とアウェイで引き分け。

23日にカシマスタジアムでJ1第16節に臨み、大宮と2-2で引き分けた鹿島が、首位に立つ宿敵相手の大一番に臨んだ。リーグ戦折り返しとなる第17節で、首位の浦和レッズと対戦。埼玉スタジアムでの大一番は、前半に先制を許しながらも柴崎の得点で追いつき、後半に逆転を目指したものの、1-1の引き分けに終わった。

鹿島は前節の大宮戦から先発を1人変更し、豊川が左サイドハーフに入った。リーグ戦3試合ぶりの勝利を目指す鹿島は開始3分、左サイドでボールを持った小笠原がペナルティーエリア右側へ浮き球のパスを蹴り込むと、カイオが反応して右足ボレーで合わせる。シュートはGKにキャッチされたが、得点への意欲を見せた。11分には、柴崎がペナルティーエリアの右角から枠を捉えたミドルシュートを放ち、ゴールを脅かした。

鹿島は立ち上がりからチャンスを作ったが、先制したのは浦和だった。20分、左CKが中央で混戦となり、ファーサイドへ流れると、最後は興梠に押し込まれた。前節でも2失点を喫したセットプレーから均衡を破られ、アウェイでビハインドを負った。

1点を追う形となった鹿島は26分、柴崎が中盤でボールを奪い、左前方のダヴィへ浮き球のラストパスを送ると、ダヴィはペナルティーエリア手前で左足を振り抜く。バウンドに合わせてうまくミートされた強烈なシュートが飛んだが、GKに弾き出された。そして、待望の同点弾は30分に生まれた。植田が的確な読みで相手のパスをカットすると、縦パスを通してショートカウンターの形に。ボールを持った土居が最終ラインの背後へ展開すると、走り込んでいた柴崎がペナルティーエリア右側に入り、右足を一閃。強烈なシュートがニアサイドを射抜き、ゴール右隅に決まった。

1-1の同点で迎えた後半、鹿島は51分に土居が右サイドを抜け出し、中央へ折り返すと、最後はダヴィが右足シュートを放ったものの枠の上へ外れた。以降も攻勢をかける鹿島は58分、すばやいプレスからボールを奪ったカイオがペナルティーエリア内に進入し、フェイントから中央へラストパスを送ったものの、惜しくもシュートにはつながらなかった。次第に中盤にスペースが生まれ始め、一進一退の攻防が繰り広げられる中、トニーニョ セレーゾ監督は68分に2人同時に交代させ、山村と杉本を投入。今季新加入の杉本が公式戦初出場を果たした。杉本は出場直後の69分にカイオからのパスを受け、ペナルティーエリア内に入るチャンスを迎えたが、シュートの直前にスライディングタックルを受けて得点はならず。鹿島は時折ピンチを迎えたものの、昌子や曽ヶ端を中心とした守備陣が高い集中力を保って対応し、浦和に2点目を許さない。1-1のまま、試合は終盤に突入した。

鹿島は78分にダヴィが最終ラインの背後を取り、フリーの状態でペナルティーエリアに入ったものの、左足シュートはGKに阻まれてチャンスを逃した。79分には、最後の交代カードとして本山を投入し、攻撃陣を活性化させて逆転ゴールを狙いに行った。86分には、中盤でのボールカットからカウンターの形となり、柴崎が右サイドへ展開。パスを受けた土居が中央へクロスを送ると、ゴール前の混戦から最後は本山がシュートを放つ。密集の中、至近距離からの大きなチャンスだったが、惜しくもGKにセーブされ、ゴールネットは揺れなかった。鹿島は最後までゴールを目指したが、試合は1-1で終了した。

3試合連続で引き分けに終わった鹿島は首位・浦和との勝点差を詰めることができず、9ポイント差をつけられた状態でリーグ前半戦を終えた。次戦は1週間後の第18節、8月2日のサンフレッチェ広島戦だ。同じ勝点で並ぶ強敵との上位対決は、優勝戦線に生き残るために重要な一戦となる。



【この試合のトピックス】
・柴崎が同点弾を決め、今季のリーグ戦3得点目を記録。自己新記録となった。
・リーグ戦3試合連続の引き分けとなった。
・豊川がリーグ戦では3月23日の第4節C大阪戦以来の先発出場を果たした。
・今季新加入の杉本が、3月15日に行われた第3節の鳥栖戦以来、リーグ戦2回目のベンチ入り。68分に途中出場し、公式戦初出場を果たした。18歳5ヶ月15日での出場は、クラブ史上5番目の年少記録となった。
・伊東がベンチに入り、フル出場した6月1日のヤマザキナビスコカップA組第7節の清水戦以来の登録メンバー入りを果たした。


監督コメント

[ハーフタイム]
鹿島アントラーズ:トニーニョ セレーゾ
・これはナショナルダービーだ。勝利への執念がなければ、プラスアルファの力は出せない。全力で戦え。
・自陣のエリア内では、勇気を持って決断しよう。体のどこに当ててでもクリアしよう。
・ミスをしても絶対に下を向かない。最後の笛まで、スタジアムのこの雰囲気を楽しみ続けよう。

浦和レッズ:ペトロヴィッチ
・我慢すること。
・集中力を切らさないこと。
・どれだけ走れるか運動量が大事。

[試合後]
鹿島アントラーズ:トニーニョ セレーゾ
・前半の守備のパフォーマンスは、もっと良くすることができたと思う。ただ、経験値というところではやむを得ないところがあるし、19歳と21歳のDFで、興梠選手のような経験値のあるFWを抑えろと言っても難しい部分はある。真ん中に勇敢に出ていくということは、経験があってもできないこともあるから、まだ時間はかかる。ハーフタイムに指示は出して少しは改善されたが、前半は興梠選手のところでボールを収められたり、ダイレクトプレーでサイドから斜めにパスを入れてシャドー2枚やウイングバックがサポートに入る形を抑えきれなかった。それが少し残念だった。1-1というスコアは妥当だと思う。後半は鹿島にとっては良い内容だったが、サイドやペナルティーエリアの横までは行けても、クロスの質を欠いていた。前半で起きていたのは、ダヴィ選手がセンターバックの後ろに入ってしまうこと。ハーフタイムには、ペナルティーマークのあたりに入ってほしいと要求した。そうすればニアでもファーでも、瞬時に入れるようになる。そのポジション取りを要求して、少しは改善できたと思う。
・前後半の消耗度を考えた中で、鹿島のパフォーマンスは戦術的な面を含めて良かったと思う。対戦相手の質や能力を考えれば、すばらしい試合をすることができたと思う。
・今日のレフェリングは非常にすばらしかったと思う。緊迫した試合の中でうまく両チームの選手の感情を平常心に保つことができたのは良かったと思う。
・(杉本を起用した理由は)今いる選手が戦力で、杉本選手はチームのために練習に取り組む意識や犠牲心を持っている。チームが苦しい時にこそ必要なもので、彼はその作業をやり続けている。彼が変わろうとしている、成長しようとしている努力を見ていた。当然ながらまだ足りないところは多くあるが、強い相手に対してどのくらい通用するか、どのようなレベルにあるのかがわかってくる。彼は勇敢に示したと思う。今日のパフォーマンスについては、求めた部分に関しては全力で献身的に勇敢に戦った。評価している。

浦和レッズ:ペトロヴィッチ
今日の試合は、両チームのすばらしいプレーを見ることができたと思う。日本でこれだけの試合を観ることができるのは稀ではないか。それくらいすばらしいプレーだった。両チームとも最後まで勝利を目指して戦った。2つのチームの異なるやり方で、両チームとも勝利を目指した。鹿島は自陣にしっかりブロックを作ってカウンターを狙うやり方で、同点ゴールが象徴しているように、カウンター狙いで勝利を目指していた。相手が引いて守ってくる中でも、我々は落ち着いてボールを回しながら良い形を作れていたと思っている。相手はカウンター狙いということで、スピードのある選手を前線に並べていたので、1つのミスが命取りになりかねない難しい試合だった。その中でもしっかり攻撃の形を出せた。夏場の連戦、1週間で3試合目だったから体力的に厳しい部分もあって、もう少し頑張って2点目を取ることができたらという思いもあるが、今日見せてくれた選手たちのパフォーマンスは良かったと思うし、このような試合をできて幸せを感じている。2点目を取れていれば違う展開になったかもしれないし、もう少しフレッシュな状態で試合に臨めていれば、もっと良い形で勝利を収めることができたかもしれない。ただ、今日のような素晴らしい試合をしたことについては選手たちに「良くやった」と言ってやりたい。決定機は何度かあって、そこを決めきれていればという場面はあったが、全体を通して自分たちの狙っていたことができて、良い試合だったと思う。



選手コメント

[試合後]

【柴崎 岳】
横に聖真が見えたけど、思いっきり自分で打とうと思った。高く打つ事を心掛け、ファーでもニアでもどちらでも良かった。ニアで反応できないところもあったと思う。結果は、ショック。勝てる要素があった試合だったので、嬉しさよりも悔しさがある。

【杉本 太郎】
相手が疲れている中でチームのために走って、守備では行く時は強く行く、気持ちの入ったプレーでチームを盛り上げることを考えていた。ナビスコも天皇杯も負けて、リーグしかない。リーグタイトルへの気持ちは強く持っている。このような試合に出場できた事は自信がついた。練習から思いきったプレーが出来ていたと思う。

【本山 雅志】
GKの左足にあたったシュートは、チャンスが少なかっただけに決めなくてはいけなかった。選手たちの気持ちも入っていたし、DFも良く跳ね返していた。ガチガチなゲームになってしまったが、自分たちがボールを保持している時は、落ち着いてボールを回せていたと思う。あとはフィニッシュの精度。勝てたのに残念な試合だった。

曽ヶ端選手、山村選手のコメントはアントラーズモバイルをご覧ください。

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