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<J1:鹿島5-1広島>◇第18節◇2日◇カシマ
鹿島MF柴崎岳(22)が3点に絡む活躍を見せ、広島を圧倒した。ボランチとして前半9分に先制点の起点になり、後半18分からトップ下で攻撃をけん引。FWダビの4点目をアシストした後、2戦連発となる5点目を決めた。トニーニョ・セレーゾ監督から「柴崎の足は宝箱」と絶賛された才能で、アギレジャパン入りが期待される男が結果を出し、首位鳥栖との勝ち点差を「7」とした。
鹿島が5発快勝で優勝争いに踏みとどまった。立役者は、やはり柴崎だった。まずは前半9分、中央から前線に走るMF中村へピンポイントのパスを通し、MFカイオの先制点の起点になった。真骨頂は、ポジションをトップ下に移してから。1-1の後半18分、本職の土居を右に回して攻撃のど真ん中へ陣取ると、上下動を繰り返す。これで相手マークを分散させると、後半21分にルイス・アルベルトが決勝弾を呼び込んだ。
さらに後半36分、ストライカー顔負けの動きで最終ラインの裏へ抜け出す。GKと1対1になると冷静に中央のダビを見てパスを送り、無人のゴールに流し込ませた。その2分後には、お返しのご褒美だ。今度はダビがGKを誘い出してパス。柴崎がスライディングしながら5点目を決めた。
柴崎がトップ下になってから一気に4得点が生まれた。1得点1アシストに1起点。浦和の無失点記録を止めた前節からの2戦連発に「他クラブに警戒されるんで、記事を大きくしないでいただきたい。これからもスルスル抜けていきたいので」。そう冗談を飛ばした後、持ち味のフリーランニングについて「自分がパスを受けても、おとりになっても攻撃に厚みを出せる」と冷静に自己分析した。
この動きに、82年W杯のブラジル代表で「黄金のカルテット」を形成したセレーゾ監督も、最高級の賛辞を贈った。「柴崎の両足は宝箱だ。開ければ、ものすごい光を発する。必ず日本代表になる非凡な才能を、何とか輝かせることだけ考えている」とまで言った。
本人もアギレジャパン入りを狙う。今回のW杯は候補止まりだった一方で、何人もの同世代選手が活躍した姿を目の当たりにした。「W杯を見て、思うところはある。代表に選ばれたいと常に言ってきたけど、飛び級はない。1試合、1プレーを大事に鹿島でパフォーマンスを見せたい」。早くも昨季の倍の今季4点目をマークした22歳が存在感を増してきた。【木下淳】