
日刊鹿島アントラーズニュース
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2014年9月15日月曜日
◆【J1:第23節 大宮 vs 鹿島】レポート:残留の大宮、堅守復活の萌芽。猛攻を1点でしのぎ、カウンターとセットプレーで鹿島を沈める(J's GOAL)
http://www.jsgoal.jp/news/jsgoal/00178739.html
9月13日(土) 2014 J1リーグ戦 第23節
大宮 2 - 1 鹿島 (18:05/熊谷陸/14,182人)
得点者:34' ムルジャ(大宮)、69' 昌子源(鹿島)、74' 高橋祥平(大宮)
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「チンチンにされました」……勝利チームのセンターバック横山知伸は試合後、開口一番そう語った。大宮は確かに、試合に勝つには勝った。しかし多くの時間で鹿島にボールを支配され、前後半通じて18本のシュートを浴びた。ペナルティエリア内まで攻め込まれた回数を考えれば、シュート数以上に攻められた印象が強い。特に、最も警戒するダヴィへの対応に苦慮した横山にとっては、勝って終われたことで、喜びよりも安堵の気持ちのほうが強かっただろう。大宮の選手にとっても、熊谷まで駆けつけて応援を続けたサポーターにとっても、長く、苦しい90分だった。
序盤から鹿島が大宮を圧倒した。6分にダヴィの突破から右サイドを、9分に西大伍の仕掛けから左サイドをえぐられ、決定機を作られる。コンパクトな守備陣形を保ち、ボールの位置に応じてポジションを修正したい大宮だったが、「ボールホルダーに対してプレッシャーが甘く、DFラインも低かった」ことで、鹿島に押し込まれての戦いを余儀なくされた。ボールを奪っても、奪う位置が低く、そこからボールをつないで攻めるには「トレーニング不足を露呈してしまった」(渋谷洋樹監督)。プレッシャーをかけられる中で運良くロングボールが正確にFWへ飛んで、運良くFWが競り勝ち、さらに運良く味方につながるのでなければチャンスにならない状況で、「カウンターというか速い攻めでしかチャンスを見出せず、相手をゴール前に押し戻すような効果的な攻撃は多くなかった」(金澤慎)。 とはいえ時間とともに、大宮も劣勢ながらその状態に慣れてきたようでもあった。一つには、押し込んでいる鹿島の攻撃も、決して上手くはいっていなかった。ダヴィが、大宮相手にその個人能力で突破できたがゆえに、周りを生かすようなシンプルなプレーを徐々に忘れ、対照的に土居聖真が攻撃に絡む場面が減った。目先を変え、状況を打開しようと、鹿島はジョルジワグネルとカイオの左右の位置をたびたび入れ替えたが、これが最初の失点の伏線となる。34分、大宮は泉澤仁のカットインドリブルからのシュートがムルジャの先制弾につながったが、泉澤の左オープンスペースへの飛び出しに、ワグネルはまったくついていけなかった。
さすがに鹿島も慌てた。そこから10分くらいは大宮の時間になった。泉澤は気持ち良くドリブルし、西も山村も止められない。しかし大宮も人数をかけて分厚い攻めまではできず、鹿島は前半終了でその流れを断ち切ると、後半はほぼ鹿島の一方的な試合となった。49分にダヴィがペナルティエリア前から54分にワグネルに代え中村充孝、56分に土居に代えて遠藤 康を投入と、矢継ぎ早に交代の手を打つ。遠藤、カイオと左右のドリブラーに大宮のサイドハーフがつられ、守備ラインをズルズル下げられた。
69分、柴崎岳と接触したムルジャが倒れている状況でコーナーキックを迎えた鹿島は、大宮の長身FW不在の優位を生かして同点に追いつく。しかしその5分後、大宮もフリーキックから高橋祥平が押し込み、再びリードを奪う。その直後に鹿島はダヴィを下げて赤崎秀平を投入。実際の自チームに対する貢献度はともかく、この交代策は相手チームにとって守備陣の精神的脅威を取り除いたのは確かで、複数の選手が「ダヴィがいなくなって楽になった」と証言する。
残り20分は完全に大宮の守備練習のような状態になった。完全にペナルティエリアに釘付けにされ、クリアが精一杯で攻撃に出ることは一切できなかった。それでも大宮は「選手が一体になって」(高橋)、耐えに耐えた。「最後は結局、入ってくる人に対してどれだけ行けるか。そこをみんながカバーし合えた」(横山)。アディショナルタイムは5分。防戦一方の大宮にはあまりに長い。鹿島の右クロスを、ファーで中村充孝が折り返し、中央に山本修斗が待ち構える。左右を反転すればつい3日前の天皇杯愛媛戦でも見た大宮の失点ケースだが、そこに猛スピードで戻ってきてクリアしたのは、腕にキャプテンマークを巻いた家長昭博だった。そのままゴールの中に転がり、ネットに絡まりながら立ち上がる姿は、サポーターの胸を打ったに違いない。
鹿島は圧倒的に攻めながらも、同点ゴールを奪えなかった。サッカーに判定勝ち、優勢勝ちがあれば完全に鹿島のゲームだったが、終わってみれば得点もセットプレーの1点でしかなく、どこかチームとして噛み合っていないようだった。シュート18本のうちに決定機も5~6回はあったが、チームとしてのわずかなズレと、最終局面には体を投げ出してでも止める大宮の粘り強い守備に、いずれも枠を外れたり北野貴之の正面を突いた。順位は4位に後退し、首位との勝点は7に開いた。優勝争いにおいても痛すぎる敗戦だった。
一方大宮は、5月6日以来4カ月ぶりのリーグ戦勝利、なおかつ渋谷新監督にとってリーグ戦初陣での勝利を、強豪鹿島から挙げることができたことは、チームにとって自信となるのは間違いない。もちろん、手放しで喜べる状況ではない。意図した守備ができていた時間は少なかったし、攻撃の時間も短かった。だが、カウンターとセットプレーという数少ないチャンスをしたたかに得点に結びつけ、それもカウンターにおいては泉澤とムルジャという武器をしっかり生かしたことは、チームとしてのベースと共通理解が感じられた。そしてやはり、無失点で終えることはできなかったにせよ、守備に大宮らしい粘り強さが戻ってきたことは大きい。終盤、あれだけ押し込まれれば、もはやボール中心も人中心もない。ボールでも人でも、自分の責任範囲に食らいつき、互いにカバーし合う。ただそれだけで大宮はゴールを死守した。
「やられてはいたけど、最後は体を張れていた。これを次につなげたい」と、話の最後に横山は胸を張った。C大阪、甲府もそろって勝利したことで直上のチームとの差を詰めることはできなかったが、残留争いへ希望の灯をともす、大きな勝点3だった。
以上
2014.09.14 Reported by 芥川和久
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