[3.4 ACLグループリーグ第2節 浦和0-1ブリスベン・ロアー]
背番号30が久し振りに公式戦のピッチに戻ってきた。昨季終盤に負傷した浦和レッズFW興梠慎三が今季初となる公式戦で存在感を示した。
FWズラタンと2トップに並び試合に入った興梠は、「(ズラタンとの2トップを)一度やってみたいという思いもあったし、やりづらさはなかったですね」と語っている。前半3分に早々と先制点を奪われる苦しい展開となったが、前線で基準点となるべくボールを呼び込んだ。鮮やかなターンから相手を置き去りにして正確なサイドチェンジを送るなど、攻撃にリズムをもたらしたものの、本人は自身のプレーに納得していなかった。
「まだ、試合勘というか、今季初めての公式戦の試合だったので、まずは自分のところで流れが止まらないように、ボールを失わないようにという考えで試合に入りました。でも、あまりボールを収めることができませんでした」
後半に入るとシステムを普段着の3-4-2-1に戻し、浦和は攻勢を掛けた。しかし、後半3分にMF柏木陽介のパスから抜け出して放った興梠のシュートは、GKジェイミー・ヤングに阻まれて同点ゴールとはいかなかった。
「1トップ+2シャドーになって押せ押せモードになったけど、本当に自分がね…。あの決定機を決めていれば大ちゃん(DF那須大亮。後半6分に退場)の退場もなかったと思うし、あそこで決め切れないところが、自分自身のコンディションはまだまだなのかなと思います」
反省を口にしながらも、久し振りに立った公式戦のピッチに「楽しかった」とも答えた昨季のチーム得点王は、公式戦3連敗スタートとなったチームに白星をもたらすためのゴールを、そして自身の完全復活を次戦以降で狙う。
(取材・文 折戸岳彦)