日刊鹿島アントラーズニュース

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2015年5月17日日曜日

◆2015明治安田生命J1リーグ 1stステージ 第12節(オフィシャル)


http://www.so-net.ne.jp/antlers/games/51572

J1 1st 第12節 vs サンフレッチェ広島

小笠原とジネイの記念ゴールも、勝利には結びつかず。鹿島、ホームで広島とドロー。



またも、ホームで勝つことはできなかった。J1 1st 第12節、サンフレッチェ広島をカシマスタジアムに迎え撃った鹿島は、小笠原のPKとジネイの来日初ゴールで一時は逆転に成功したものの、直後に追いつかれて2-2の引き分け。勝ち点1を得るにとどまった。





鹿島は前節のFC東京戦で今季16試合目にして初となるクリーンシートを達成した。無失点勝利で得た自信と勢いを持って、久々に臨む週一ペースでの試合。日本代表候補4選手が帰還した後の2日間、実戦形式のトレーニングで準備を進めたトニーニョセレーゾ監督は、広島について「両ウイングがワイドに開いて、トップ下にも選手を置く、非常に攻撃的なチームだ」と、警戒し、「コンパクトに保つことが非常に重要だと思う」と、展望を語った。先発メンバーは、5日のFCソウル戦、10日のFC東京戦と同じ。前線には赤崎が入り、2列目にはカイオと土居、遠藤が並ぶ。ボランチは柴崎と小笠原、センターバックは昌子とファン ソッコとのペアで、最後尾は曽ヶ端、右サイドバックは西、左サイドバックは山本が務める。



厚い雲に覆われ、時折、霧も立ち込めたカシマスタジアム。サポーターは試合前から、熱い声援を送り続けた。ホームでの勝利を信じてやまない歌声を聞きながら、選手たちは15時4分、キックオフのホイッスルを聞いた。



開始から約40秒、赤崎がペナルティーエリア手前から左足を振り抜いた。ミドルシュートは枠を大きく外したが、「自分がスイッチを入れる役割を」と、意気込んでいた背番号18が、前節に続いてファーストシュートを放った。ゴールへの意志を強く示した赤崎は、広島の最終ラインに対して積極的にプレスをかけ、鹿島の推進力となった。



広島の自陣でのビルドアップにプレスをかける鹿島は、11分にペナルティーエリア手前で柴崎がボールを奪ったが、シュートには至らない。22分には、自陣に少し入った位置で的確なパスカットを見せた柴崎が、1本のスルーパスで相手の最終ラインの背後を取る。赤崎はペナルティーエリアに入ったが、シュートを打つことはできなかった。背番号20の鋭い読みとタイミングの良いプレスから迎えたチャンスは、ゴールとしては結実しなかった。



前半の半ば以降は、広島のボールキープに高い集中力で応戦しつつ、チャンスを窺う展開となった。ピンチを迎えることはなかったが、ボールを奪ってから決定機を作ることもできなかった。ほぼ全員が自陣に引いてブロックを形成する広島に対し、鹿島は効果的な攻撃を仕掛けることができない。最大のチャンスは42分のセットプレーから。柴崎の右CKを昌子が頭で合わせ、こぼれ球から最後は赤崎がペナルティーエリア内で右足を振り抜いたが、強烈なシュートはGKの正面を突いてしまった。前半はスコアレスで終了した。



勝利を掴むために迎えた後半、立ち上がりにまさかの展開が待っていた。開始早々、山本が相手と競り合って並走した際に足を負傷。ピッチ外へ出て自ら交代を求め、49分に伊東が投入された。ここまで全試合に先発し、左サイドを支え続けた山本の離脱で、少なからず動揺がチームを襲った。



その流れに追い打ちをかけるように、51分、痛恨のミスから先制を許す。バックパスを受けた曽ヶ端が佐藤寿にボールを奪われ、そのままシュートを決められてしまった。



J1通算450試合出場を達成した守護神のミスを取り返すべく、鹿島は反撃を開始した。セレーゾ監督は、58分にジネイを投入。新たな9番のデビューに、カシマスタジアムは期待感で満ちあふれた。



そして、同点弾は65分、土居がペナルティーエリア内で鋭い切り返しを見せると、相手に倒されてPKを獲得。小笠原が冷静にグラウンダーで決め、自らの持つJ1記録を更新する17シーズン連続ゴールを記録した。さらに3分後には、柴崎からのパスを受けた土居が右サイド深くから中央へ折り返し、最後はジネイが右足を振り抜く。サポーターの待つゴールネットを揺らしたジネイ。挨拶代わりの一撃で、鹿島が逆転に成功した。





しかし、逆転の余韻も冷めやらぬ69分、1本の縦パスから最終ラインの背後を取られ、柴崎晃のゴールで同点に。残り20分強、互いにゴールを目指す展開となったが、カシマスタジアムに歓喜の時は訪れなかった。試合は2-2で終了。鹿島はまたも、ホームで勝つことができなかった。次戦は1週間後、5月23日のJ1 1st 第13節、浦和戦だ。未だに無敗の首位を相手に、アウェイでの一戦に臨む。意地と誇りに懸けて、勝つしかない。







【この試合のトピックス】
・ジネイがリーグ戦初出場を果たし、初ゴールを決めた。
・リーグ戦でのホームゲーム通算750得点を達成。ジネイのゴールが、節目の1点となった。
・曽ヶ端が、J1通算450試合出場を達成した。アントラーズでは初の記録で、史上7人目。
・小笠原が、自身の持つJ1記録を更新する、17シーズン連続での得点を記録した。

監督コメント

[ハーフタイム]
鹿島アントラーズ:トニーニョ セレーゾ
・複雑なプレーは必要ない。シンプルなプレーを心掛けること。
・判断スピードを速くして、攻撃のスイッチを入れろ!
・相手エリア内では焦らず、確実に仕事をすること。


サンフレッチェ広島:森保 一
・守備は粘り強く守ること。
・攻撃は切り替わったときにもっとボールに関わっていくこと。

[試合後]
鹿島アントラーズ:トニーニョ セレーゾ
Q. もったいない形で2失点した守備への評価は?

A. あのような失点は今に始まったことではない。個人のミスからの失点は多々あるので、修正のアプローチは続けている。サッカーにおいて、個人のミスから失点することは起こりうるのだが、頻度が多すぎる。しっかりと改善に取り組まなくてはいけない。前半は45分間支配して非常にいい内容だった。飛ばし過ぎていたので、後半はどうしてもペースダウンしてしまう。両チームとも若い選手が多く、勢いでやってしまうところがあったが、ペース配分してゲームをマネージメントできるようにならなくてはいけない。チームとして非常に課題が多くある。この数カ月は試合が多く修正できなかったが、残念ながらACLは敗退してしまったので、改善するためにじっくり取り組んでいきたい。

Q. 初出場で初ゴールを決めたジネイ選手の評価は?

A. ジネイがデビュー戦で点を取れたことは非常にうれしく思う。技術もしっかりしているし、大きいが足技もある。チーム全体として、トップにいるFWを使って、タメを作るとか、全体を押し上げるとか考えていかなくてはいけない。今週はこれまでで一度、クロスの練習をした。まだピンポイントで合わせる技術は身についていない。1本うまくいったからといって満足するのではなく、10本中10本成功するよう、努力していかなくてはいけない。セットプレー、クロスボールからの失点と課題は明確だ。攻守にわたって、1週間で課題を克服できるように、選手とともに頑張っていきたい。


サンフレッチェ広島:森保 一
クラブ創設以来応援してくれていたサポーターが前節の試合後の帰りに亡くなられたと聞き、この試合に臨むにあたって喪章をつけて戦った。勝利を届けることができず残念だが、選手たちは我々を応援してくれる皆さんに勝利を届けようと、ベストを尽くし、タフに戦ってくれた。その気持ちは天国のサポーターにも届いたと思う。前半はピンチを耐える時間が長かったが、粘り強くゼロに抑えることができた。後半、相手のビルドアップをついて先制することができたが、展開を考えても1失点は仕方がない。ミスからバタバタと連続失点したことは反省しなくてはいけないが、この雰囲気のなか、一度はビハインドを負ったものを粘り強く戦い、2-2に戻すことができた。勝ちたかったので残念ではあるが、この踏ん張りは今後につながるはず。

選手コメント

[試合後]

【ジネイ】
デビューできたことは率直に嬉しいし、得点を決めることができて嬉しかったが、チームが勝つことができなくて、とても残念に思う。アントラーズのユニフォームを着てプレーする重みと責任を感じてピッチに立った。初めは少し硬さがあったが、時間が経つにつれてよくプレーできた。引き分けに終わったことが残念に思う。これから試合勘を取り戻して、チームの勝利に貢献できるプレーをもっと増やしていきたい。

【本山 雅志】
「ジネイをうまく使って攻撃しろ」という指示だった。右サイドからクロスを上げた場面は、その通りの形。縦パスを狙われてカウンターのやり合いのようになっていたから、もう少し落ち着かせることができれば良かった。

【昌子 源】
2失点目は柴崎晃選手のことは視界に入っていたけど、反応が遅れてしまった。申し訳ない失点。サポーターの皆さんが、「ホームだから勝て」と言ってくれているのに、勝てていない。本当に申し訳ない。

ファン ソッコ選手、土居選手、柴崎選手のコメントは、アントラーズモバイルをご覧ください。

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