日刊鹿島アントラーズニュース
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2015年5月27日水曜日
◆【奥野サッカー道】鹿島・小笠原、海外経験経て精神的支柱に(報知)
http://www.hochi.co.jp/soccer/national/20150526-OHT1T50138.html
今週は海外移籍からJリーグに戻ってきた選手の話をしたいと思います。前回は、若年世代でのサッカー選手の海外移籍に必要なことはサッカースタイルの違いはもちろんのこと言語、文化など、さまざまな面で日本とは違うのが当たり前だと認識しておくことが大切だとお話ししました。
私が一緒にプレーし、指導者として関わった選手の中にも古巣へ戻ってきた選手がいます。その一人が、鹿島アントラーズの小笠原満男選手です。彼は36歳の今もチームの中心選手として活躍していますが、1年間の海外移籍前後で変わったことは、以前より格段にたくましくなって帰ってきたということです。
海外に移籍する前の小笠原は「勝つために、ここをこうすればいいと思うんだよね」と自らが提案するだけで終わっていました。しかし2006年7月、鹿島から当時イタリア1部のメッシーナに期限付き移籍。翌年7月に復帰した後は「とにかくやろうよ、みんなで」といった内容の発言が多くなりました。自分のことより、チームを優先させるようになった。まさに『1人はみんなのために、みんなは1人のために』。そんな精神から発せられる言葉が増えたことを覚えています。
移籍先では出場機会に恵まれませんでしたが、海外移籍を通して「違うことが当たり前であること」を受け止め、体感し、その国のサッカー、文化と向き合った結果であると感じます。『やりたいことより、できることに意識を向ける』。そんな彼はピッチ上の中心選手からチームの中心選手、そして精神的支柱へと成長したのです。(前山形監督・奥野 僚右)
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