日刊鹿島アントラーズニュース

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2015年6月8日月曜日

◆2015明治安田生命J1リーグ 1stステージ 第15節(オフィシャル)


http://www.so-net.ne.jp/antlers/games/51578

J1 1st 第15節 vsモンテディオ山形

遠藤とカイオがゴールも、勝ち点1止まり。鹿島、アウェイで山形とドロー。



またも、勝利を掴むことはできなかった。J1 1st 第15節、鹿島はアウェイで山形と対戦。遠藤の直接FKで先制したものの、逆転を許す苦しい展開を強いられると、終盤にカイオのゴールで追いついたが、3点目は奪えず。2-2の引き分けに終わった。



4日前のG大阪戦、鹿島は0-2と完敗を喫した。水曜日の夜に大阪まで駆けつけたサポーターは、選手たちにブーイングを浴びせ、奮起を促した。不甲斐ない一戦から中3日、アウェイでの連戦に臨む選手たちは、2試合ぶりの勝利だけを目指して、トレーニングとミーティングを積んだ。



「非常に厳しい試合になるが、しっかりと戦って、勝ち点を持って帰りたい」と勝利を誓ったトニーニョ セレーゾ監督は、先発メンバーを4人入れ替えた。2列目にカイオではなく遠藤を復帰させ、1トップには高崎を起用。そしてボランチの一角には梅鉢を指名し、最終ラインでは、伊東を右サイドバックに配した。昌子は本職のセンターバックに戻り、青木とコンビを組む。西は左サイドバックとして先発。2列目は遠藤のほか、土居と金崎が並び、ボランチにはキャプテンマークを巻いた柴崎が君臨。そして最後尾では、佐藤がゴールマウスに立ちはだかる。



山形は、気持ちの良い青空が広がっていた。4年ぶりに山形へ遠征したサポーターは、開場前から長蛇の待機列を成し、ボルテージを高めていた。四方を山々に囲まれたNDソフトスタジアム山形で、選手たちは「ゴール鹿島」チャントで迎え入れられた。ゴールへの渇望を隠さないサポーターの期待に応えるべく、16時4分、キックオフのホイッスルを聞いた。



鹿島は立ち上がり、ホームの山形に押し込まれる展開となった。なかなか落ち着いてボールをキープすることができず、自陣で耐える時間が長くなった。それでも集中力を保って応戦し、山形に決定機を作らせなかった。



鹿島のファーストシュートは8分、ペナルティーエリア右側でスルーパスを受けた土居が右足を振り抜くと、枠を捉えたシュートは相手GKのセーブに遭う。「アントラーズの前線は自分が引っ張っていくということを、気持ちだけでなくプレーで見せないと」と、意気込んでいた背番号8が、ゴールへの意欲を見せた。



地元・山形への初凱旋となった土居は、キレのあるドリブルで輝きを放った。21分に右サイド深くで巧みなボディフェイントを見せ、相手のマークを外してからのクロスでチャンスを演出すると、25分には、中盤で前を向いてドリブル。スピードを上げてゴール前へ突進し、ファウルを受けてFKを獲得した。



そして、このFKが歓喜を生んだ。スポットには、柴崎と遠藤。キッカーを務めたのは、背番号25だった。得意の左足から放たれたシュートは、相手の壁を越え、GKの伸ばした手を避けるように、ゴール右隅へと吸い込まれた。26分、遠藤の今季リーグ戦3ゴール目で、鹿島が先制に成功した。



リードを奪い、さらに畳み掛けていきたい鹿島。なかなか決定機を作るには至らなかったが、山形の反撃を阻止。課題となっていた、先制ゴール後の時間帯でしっかりとリードを保ち、前半は残り10分を切った。



しかし、鹿島はリードしたままハーフタイムを迎えることができなかった。38分、左サイドからクロスを上げられ、中央でヘディングでのポストプレーを許すと、最後はディエゴに左足シュートを決められてしまった。1-1。スコアをタイに戻され、前半終了となった。



勝ち越しを目指して臨んだ後半、立ち上がりにスコアが動くことはなかった。セレーゾ監督は、53分に梅鉢に代えて小笠原をボランチの一角に据え、56分にはカイオを投入。攻撃陣を入れ替えてゴールを目指した。しかし、次の1点は山形のものだった。58分、右サイドからのFKをファーサイドで中央へ折り返され、最後は西河に押し込まれてしまった。警戒していたセットプレーからまたも失点を喫し、1-2と逆転を許してしまった。



ビハインドを負った鹿島は、61分に金崎、62分には遠藤がミドルシュートを放ち、反撃を開始する。しかしその後は、ブロックを敷いて対応する山形の前に、決定機を作り出すことができない。セレーゾ監督は70分に本山を投入し、ゴールへの願いを託した。残り20分、鹿島は必死に攻撃を仕掛ける。サイドからの崩しに突破口を見出すが、なかなかチャンスを掴めずにいると、カウンターからピンチを迎える場面もあったが、何とか事なきを得て、1点差のまま終盤を迎えた。



同点ゴールは84分、左サイドの西が上げたクロスが、ファーサイドのカイオに届き、ヘディングシュートでゴールネットを揺らした。さらにアディショナルタイムには、カイオからのパスを受けた本山が決定機を迎えたが、相手GKの守備範囲を外して放たれてグラウンダーのシュートは、カバーに戻った相手DFにスライディングで阻止されてしまった。直後には土居がカーブをかけたループ気味のミドルシュートを放ったが、これもわずかに枠を逸れた。





2-2。勝ち越すことができず、試合は引き分けに終わった。これで2試合勝ちなしとなり、サポーターは不満の意思を隠さなかった。不甲斐ない万博の夜にはチームコールも飛んだが、山形のピッチを後にする選手たちの背中に、それが送られることはなかった。



次戦は2週間後、6月20日のJ1 1st 第16節、横浜FM戦だ。代表ウィークによるインターバルを経て、みたびアウェイで迎える一戦。鹿島のユニフォームを纏う誇りと責任を、示さなければならない。



【この試合のトピックス】
・遠藤が、2試合ぶりの先発出場を果たし、リーグ戦では4月3日のJ1 1st 第4節、鳥栖戦以来のゴールを決めた。
・カイオが、5月30日のJ1 1st 第14節松本戦以来2試合ぶり、今季リーグ4ゴール目を決めた。
・伊東がフル出場。5月2日のJ1 1st 第9節、甲府戦以来6試合ぶり、今季2回目の先発だった。
・梅鉢と高崎が、5月2日のJ1 1st 第9節、甲府戦以来、6試合ぶりの先発出場を果たした。


監督コメント

[ハーフタイム]
鹿島アントラーズ:トニーニョ セレーゾ
・キーワードは「連動」だ。イメージを共有して、ボールを動かそう。
・両サイドのスペースを有効活用して、相手のディフェンスラインを横に引き伸ばそう。
・強い気持ちを持って、チャンスをしっかりゴールに結び付けろ!

モンテディオ山形:石崎 信弘
・ボールを落ち着いて回せている時は、もう少し落ち着いて回そう。
・点は絶対に取れる!攻撃はシュートで終わらせよう。
・現在、1対1。後半は自分たちの時間だ!試合の入り方を十分注意していこう。

[試合後]
鹿島アントラーズ:トニーニョ セレーゾ
Q.前節からメンバーを入れ替えた理由は?

A.急激に気温が上がっている中で、うちは選手層が厚いわけではないので、1人でも欠けると苦しい事情になる。そういった意味で、チームマネージメントをしなければならない。そこで、左サイドバックとして、鈴木隆雅選手がいるが、まだ積み重ねて指導しなければいけない選手。もし必要性が出てきた場合は、ホームゲームの方が、サポーターの後押しを受けて自信を持ってプレーできるというところがある。だから、まずはしっかりと準備を進めている段階だ。前節は西選手が左サイドバックとしてプレーして、そこまで悪い出来ではなかった。不慣れな位置をこなす中で、最低限やってほしいことはやっていたので、問題はないと判断した。自陣でのビルドアップで左足を使えないという点では、不便な点はあるかもしれないけど、逆に、最後の3分の1のゾーンでは、切り返して右足でクロスを上げるという点では、相手GKやDFにとっては脅威となる。全てがプラスではないが、プラスとマイナスがある中で、選手を起用しなければいけない。

A.梅鉢選手は、コンスタントな試合出場はまだできていないが、少しずつ試合に慣らしていって、要求していることの理解と実行能力を持つことを求めたい。できることとできないことがあるので、今日は完全にうまくいった時もあるかもしれないし、そうでないかもしれないが、選択しなければいけない。当然ながら、小笠原選手が10代でも20代でもなく、30代の後半になってきているので、彼がケガをしないように、シーズンを通して考えていかなければいけないし、代わりとなる選手も育てていかなければいけないという理由で、今回の判断をした。今日の気温を考えれば、そういったマネージメントをしなければならないことが、ポジションによっては出てきたと思う。途中出場で入った選手も、今日は温存した選手がほとんどだ。

A.高崎選手に関しては、自分自身は非常に良いプレーをしてくれたと思う。前半、ロングボールに対して、ほとんど相手DFに競り勝っていたし、要求していたポストプレー、ボールを収めて、後方の味方につなげる作業も、非常に良かったと思う。明らかに得点できそうな場面でできなかったということは確かにあるかもしれないが、そのマイナス面だけを見るのではなく、選手を総合的に見て、チームの機能として、どれだけのことを果たせるのかを考えないといけない。そういった意味では、彼は自分が求めている役割はこなしていた。決定力だけを考えれば赤崎選手かもしれないが、総合的に考えなければいけない。次の試合もあるわけで、準備をしなければいけない。どうやって、選手を継続的に育てていくのか、起用していくのか、ということを考えていかなければいけない。そういう判断をせざるを得ないチーム事情もある。単純に自分の好みで選手を選んでいるわけではない。機能性を低下させずに、それぞれの特長を引き出しながら使うということを考えないといけない。

Q.土居選手のパフォーマンスへの評価と、アントラーズの中でどういった選手になってほしいという期待があるか?

A.今日のプレーを見てもらった通り、彼が持っている能力は随所に現れていたと思う。自分が就任した当初はベンチにも入れなかった選手で、大事に指導をして、ピッチに送り出した。今ではレギュラーに育ってきている。技術もしっかりしているし、俊敏性とスピードも持っている。そういった意味で、まだ若い選手なので、今後も伸びていってほしい。謙虚さを失わなければ、自分を見失わなければ、これからも伸びていく。今、持っている謙虚さの中で意欲的に努力を惜しまずにやっていくことを続ければ、アントラーズに限らず、日本サッカー界の中で面白い存在になっていくと思う。

Q.セットプレーからの失点についてどう考えるか?

A.流れの中でも、ファーサイドにボールを出されて、それを折り返されて失点した。2失点とも、ファーサイドからのものだった。8番の選手は、自分の武器である高さをどう使うかよくわかっている。11番の選手も、自分の経験をうまく生かして駆け引きをしていた。チームとして、自分たちの持っている最大限の武器を生かすことを徹底しているチームだ。1失点目は、ファーサイドの8番にパスを出されて、11番がフリーでシュートをする形。50m、70mのボールをファーサイドに出されて、11番の選手に落とされて、最後は4番の選手が決めるという形。そのパターンは分析の中でも出てきていた。現代サッカーは全体の7、8割がセットプレーからの得点なので、集中力とコミュニケーションが足りなかったと思う。そういう基礎的な部分を守って、細部で情報を活用していくことができればと思う。

A.内容的には自分たちが勝っても良かったと思う。明らかな得点チャンスを5回くらい、ゴールにつなげられなかった。非常に残念だ。

モンテディオ山形:石崎 信弘
鹿島とJ1で試合ができるという中で、FKから失点したが、最後まで戦っていたのではないかと思う。前半に1点を取られた後も気落ちせずに、良い形で同点に追いつくことができた。後半、FKから自分たちが点を取って、その後は押し込まれたが、本当によく身体を張って、シュートブロックや1対1の対応は良かった。ただ、少ないチャンスをモノにしていかないと、こういう結果になってしまう。ただ、鹿島を相手に選手たちはよく頑張ってくれた。1stステージは残り2試合、2週間のインターバルがあるので、良い戦いをできるようにしたい。


選手コメント

[試合後]

【本山 雅志】
チャンスの場面は、GKと1対1だったから、GKを外してシュートを打ったけど…。自分たちのリズムでプレーできている中で失点してしまって、難しい試合になってしまった。うまく追いつくことができたけど、あのシュートを決めきれなくて、非常に残念。

【遠藤 康】
また、セットプレーからやられてしまった。次の試合まで少し空くので、みんなで修正しないといけない。イチからという気持ちでやっていかないといけない。

【梅鉢 貴秀】
もう少し長い時間、試合に出し続けてもらえるように頑張るしかない。前半の相手の決定機は、最初のFKとゴールの場面だけだったと思う。失点ゼロで抑えていれば、違う展開になったと思う。

高崎選手、カイオ選手、土居選手、青木選手のコメントは、アントラーズモバイルをご覧ください。

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